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2016年7月8日更新

人気モノ[カシワバゴム]|植物と器で楽しむ Interior green④

インテリアグリーンを楽しむコツと上手な育て方を、プランタドール代表の新城圭吾さんがレクチャー。濃い緑色の幅広の葉が特徴の「カシワバゴム」はシックな印象を醸し、存在感も抜群で人気だ。

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 幅広葉で落ち着き

人気モノ[カシワバゴム]

Q.カシワバゴムの特徴は?
シックな深緑色の葉 サイズや樹形も豊富
クワ科フィカス属の植物で、正式名は「フィカス・リラータ」ですが、流通名の「カシワバゴム」で知られています。
濃い緑色で幅が広い葉と茶色の幹はシックで落ち着いた印象ですが、葉の色や質感、幹肌からは力強さも感じられます。全体的にボリュームのある樹形が多く存在感は抜群。インテリアグリーンの中でも人気は高いです。サッカー選手で例えますと、強靭なフィジカルで相手の攻撃の目を摘んで恐れられた元ブラジル代表のマウロ・シルバといったとこでしょうか。
近年は通常のカシワバゴムの葉が小さくなったタイプ「フィカス・リラータ・バンビーノ」、流通名「カシワバゴムバンビーノ」も多く出回るようになりました。バンビーノとは、イタリア語で赤ちゃんを意味します。
カシワバゴムとカシワバゴム・バンビーノは小鉢から大鉢までサイズは豊富です。個人的な見解ですが、小鉢・中鉢サイズのカシワバゴムは葉の大きさと樹高のバランスが悪く、葉のみが目についてバランスが悪い印象を受けるので、大鉢仕立てのほうがインテリアグリーンとしての良さが生きると思います。
葉が大きくダイナミックな印象のタイプは不要な葉を間引きし、樹形の曲線を見せながら仕立てると断然インテリア性が高くなります。

Q.育てる上で気を付けたいことは?
日に当たり過ぎると葉焼け 風通し保って害虫を予防
比較的耐陰性がある品種です。室内向きで、生育にはある程度明るさがある場所が適していますが、日差しが当たり過ぎると葉焼けを起こし、見た目を損なうため注意が必要です。直射日光が当たる場所を避けて配置しましょう。
水やりは環境にもよりますが、土の表面がしっかり乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりあげます。その際、葉の表裏にも霧吹きで水を吹き掛けるのも忘れずに。
高温や乾燥などで室内の空気の流れが悪いとハダニやカイガラムシが付きやすくなります。飾る場所は風通しを良く保ちましょう。


幅が広い濃い緑色の葉と茶色の幹の雰囲気が落ち着いた印象ながら、存在感は抜群
 

サイズ感を大切に

【天井が高く広い空間に】

天井高があり、植物を置くスペースが比較的広いLDKに配置したカシワバゴム・バンビーノ。幹上がりから6枝に分かれ、枝幅のあるダイナミックな樹形なので、しっかりスペースが確保できる場所に置くと圧迫感がなく、空間になじみます。濃い緑色の葉と相性の良い温かみのあるウッド素材の鉢を合わせると、落ち着きのあるシックな印象に仕上がります。

◆一鉢で存在感

高さ約2メートル、大鉢サイズのカシワバゴム。1鉢あるだけで空間がグッと締まります。枝ぶり、葉の枚数やボリューム感を意識し、不要な葉をカットするなどして樹形を整えました。

◆同系色の鉢を合わせる

高さ約2メートル、大鉢サイズのカシワバゴム・バンビーノ。鉢を合わせる際は、葉や幹肌の色合いが濃いので白など反対色を合わせず、同系色(黒・茶系、ウッド素材)などを選ぶように意識しています。同系色の鉢のほうが相性が良いです。

◆現代住宅に最適サイズ

高さ約1.5メートル、中鉢サイズのカシワバゴム・バンビーノ。このサイズは現在の住宅スペースに適したサイズ感だと思います。このサイズの良さを生かすには、大鉢と同様に樹形を整えたり、不要な葉を間引くことが必須です。


◆仕立ての素晴らしさ

  高さ約70センチ、小鉢サイズのカシワバゴム。このサイズで幹がしっかり太く、バランスの良い葉の付き方は、まさにあっぱれ。県内はもちろん、県外のバイヤーからも評価されている生産者の仕立てテクニックが凝縮された一鉢です。

※写真はいずれもPLANTADOR提供


<こぼればなし>
人気を脅かす存在
個人的に感じていることですが、近年、カシワバゴムの人気を脅かす品種が台頭してきています。その名は「アフリカンプリンス」=下写真。カシワバゴム同様、幅の広い葉で、幹はしっかりした中にもカシワバゴムにはないしなやかさを兼ね備えており、一番の魅力は害虫がつきにくいこと。耐陰性もカシワバゴム以上です。
県内の優良な生産者が生産・仕立てを手掛けていますが、残念ながら県内での流通量は少ないのが現状。私が今、片思いしている品種の一つです。




執筆・提案
しんじょう・けいご/PLANTADOR代表。「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける

 

人気が高い[フィカス・ベンガレンシス]|植物と器で楽しむ Interior green③

 


『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<4> 第1592号 2016年7月8日掲載

 

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