庭・garden
2016年5月13日更新
寄せ植えもできる[エバフレッシュ]|植物と器で楽しむ Interior green②
インテリアグリーンを楽しむコツと上手な育て方を、プランタドール代表の新城圭吾さんがレクチャー。細かい葉が繊細な印象の「エバフレッシュ」は、屋内外で植栽できる万能型だ。
細かい葉で繊細
寄せ植えもできる[エバフレッシュ]深い緑色をした光沢ある細かい葉が繊細な印象を与える
Q.エバフレッシュの魅力は?
室内外で植栽できる万能型 日が暮れると葉が閉じる!?
エバフレッシュはマメ科の植物で、一番の特徴は日が暮れると睡眠運動で葉が閉じる事です。深い緑色をした光沢ある細かい葉が繊細な印象を与えます。サッカー選手で例えると、エレガントなプレーで魅了した元アルゼンチン代表のレドンドといったところでしょうか。
春から夏にかけて付くフワフワした黄白色の花が、赤いサヤに黒テカリの実になるという独特の変化に富んだ植物。寄せ植えも問題なくできます。成育旺盛で成長が早く、耐陰性もあります。気温が10度を下回ると枯れてしまうため、県内に限り、屋外のシンボルツリーとしても植栽できます。病害虫に強く、台風などによる落葉後の芽吹きも早いので、庭やテラス、室内などで使える万能型のインテリアグリーンです。
サイズも小から特大まで豊富。小鉢サイズでもしっかり形になるのも魅力の一つです。右写真のように、仕立て方の違いで印象も変わります。一本の茎の根元から複数の茎が分かれて立ち上がるように生産された「株立ち」は、軽やかで自然の優しさを感じさせます。一方の「単木」は、力強さがあります。
株立ち
単木
Q.育てる上で気を付けたいことは?
とにかく水を切らさずに! 土が湿っている状態キープ
土中、空気中が乾き過ぎると細かい
葉が一気に落葉するため、水やりを怠る
と一転して、掃除が大変な嫌な植物というイメージになりかねません。
土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいまで水をたっぷりあげる、葉にまめに霧吹きをするなど、とにかく水を切らさないように心掛けてください。経験上、エバフレッシュに関しては常に土が湿っている状態ぐらいのほうが失敗もなくいいのかなと思います。
植物は日ごろから気に掛けて世話をしていると、間違いなく応えてくれますよ。
枝ぶりの妙 大胆に
【テラスや広いスペースに】奥行きの限られたスペースでは、横に流れ色気を感じる樹形をセレクト。幹の曲線、葉の付き方のバランス、コンクリート打ち放しの壁面を意識し、器の色は黒色でコーディネートしました。個人的にとてもお気に入りの組み合せです。
逆に、壁が白色で床は木製の温かみのあるテラスには、壁面と同系色の器を合わせました。上部の吹き抜けスペースの四方に伸び伸び枝が広げられる樹形を選んでダイナミックに。
【庭のシンボルツリーに】
庭のシンボルツリーとして屋外で地植えができるのは、年中暖かい県内ならではの取り入れ方。成長は早いですが、大木になった雰囲気もまた、かなりイイ!!感じ。
【キッチンカウンターのアクセントに】
キッチンカウンターが白色のため、天井やキッチンの一部に使われている木目に合わせて、器は木目調をセレクト。同系色ではなく空間のポイントに入っている茶系を取り込み、あえて幹がか細いタイプのエバフレッシュを合わせることで空間によりなじむように仕立てています。
【ホテルのロビーに】
ホテル中央の植栽スペースに、伸びやかな枝振りで高さ3mもあるエバフレッシュを中心に、低木などを寄せ植えしました。ホテルや商業施設などの空間では、ダイナミックな樹形、大きいサイズを合わせると大空間にも飲み込まれない主張した演出ができると思います。
※写真はPLANTADOR提供
<こぼればなし>
冷遇の時を経て
エバフレッシュと初めて出合ったのは12、13年前。沖縄市の生産者のハウスだったと思います。当時はまだ市場に出始めたばかりで、県外向けに多く流通していました。
当初はお客さまウケも良くありませんでした。雑草のように生えているギンネムと葉の付き方や全体のフォルムが似ている事もあり、「外にもたくさんあるさぁ。なんで、こんな高いの?」とおっしゃったお客さまの一言を、今でも鮮明に覚えています(笑)。そんな冷遇の時もありましたが、今では観葉植物としての地位をしっかり確立しています。
[執筆・提案]
新城圭吾(しんじょう・けいご)
PLANTADOR代表。
「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける
人気が高い[フィカス・ベンガレンシス]|植物と器で楽しむ Interior green③
人気モノ[フィカスウンベラータ]|植物と器で楽しむ Interior green①
『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<2> 第1584号 2016年5月13日掲載