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2020年7月3日更新

【自分でつくる庭】絵を描くように 庭づくり楽しむ

vol.6 このコーナーでは、施主自ら楽しみながら作った庭を紹介する。今回は金武町の仲間富美さんが「絵を描くように」レイアウトした安らぎの庭。


「好き」がいっぱい 笑顔満開
仲間富美さんの庭(金武町)


植栽だけでなく、さまざまな造形物も仲間さん夫妻が手作りする。絵を描くのも好きな富美さんがデザインし、夫の信光さんが形にしていくのだそう


夫と二人三脚で進化させ
6月下旬、取材日は早朝から雨。「いいじゃない。雨の日も美しいのよ」と仲間富美さん(78)。
言葉通り緑はみずみずしさを増し、石の小道やレンガも色を濃くする。しっとりとした景色に、爽やかなブルーのアガパンサスが映える。
 
約250坪の敷地にある自宅と庭は、夫の信光さん(86)と25年をかけて進化させてきた。「どんな空間にも“美”がなくちゃ」と話す。自宅は富美さんが描いた絵や詩などのアートで彩られている。それを生み出す作業机などは信光さんがDIYした。「庭も同じ。私がレイアウトして、主人がつくる。日々の草刈りも主人がやってくれる。感謝しています」
外周には高木が茂る。内側には花木やレンガが配され、森の中の一軒家のような安らぎを感じる。芝の中心で枝を伸ばすのはシャリンバイ。「孫が大学院に合格した記念に植えたの」とうれしそうに笑う。



(上)大好きな庭で満面の笑顔の富美さん。奥にある緑色のドームの中にはいろりなどがあり、バーベキューもできる(下)


庭はもちろん、自邸の外壁も富美さんがデザイン。壁には富美さんの詩や絵が描かれており、植栽だけでなくさまざまな見どころがある

ビワやモンステラも実る

庭に鎮座する緑色のドームの中にはいろりがある。手作りした藤棚の下にもテーブルやベンチがあり、友人と庭で食事会をすることも度々だ。「料理も好きだし、おもてなしをするのも好き。人が来ると、誰より私が楽しんじゃう」

富美さんは驚くほどパワフルだ。「台風も“生き物”。木が倒されることもあるし、復旧には1週間も10日もかかるけど、もたらされる変化も面白い」「思い立ったら体が動いちゃう。ふと夜中に目が覚めて、月がきれいだったらすぐ庭に出て、うっとりしながら過ごすの」

そのパワーに感化されてか、植物はイキイキと生育する。「ビワやミズモモもたくさんなる。ひ孫と一緒に収穫するのよ」と話す。
ユニークな植物も実をつける。モンステラだ。「知り合いに聞いたところ、とても珍しいと言われた。植えて12年目くらいから実をつけるようになった」。貴重なその実をふるまってくれた。緑色の外見とは裏腹に完熟したいい香り。食べてみるとバナナとキウイを足したような甘みと酸味を感じた。
「うちの庭は365日、24時間面白い」と富美さん。そのエネルギーが庭を輝かせている。
      


駐車場から庭へ続く小道。「今はアガパンサスの青い花が見ごろ」と富美さん。植物が元気に育つ秘訣(ひけつ)は「花々と会話を楽しむことと、年に何回かヤギのふんの堆肥を与えている」とのこと



室内の富美さんのアトリエ。信光さんお手製の作業台で、木彫りを楽しむ


自宅には富美さんの絵などが所狭しと飾られている


モンステラの実。「実がなるようになって4~5年たつ。とってもおいしいので収穫するのが楽しみ」
カットした実はキウイのようだが、香りは完熟バナナのよう。味は、その両方を足したような甘みと酸味がある


編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1800号・2020年7月3日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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