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2018年6月1日更新

旧集落の絆継ぐ定住増えるまち[名護市大中区・大西区・大北区]

[歩いて見つけた!地域の住み心地ー22ー]農業が盛んな傍ら、北部の中心地として栄えてきた大兼久村は、現在の名護市街の「大」から始まる5区に分区された。戦後から人口が増え、畑や原野が住宅地に変わった。今では定住を考えて土地や物件を探しに来る人も多いという。近年は市の郊外に大型商業施設が立地し、生活が便利になった一方で、かつてのにぎやかさに思いをはせる声もある。

かつての中心 今郊外に

旧集落「大兼久村」

名護市街の「大」の文字から始まる、大中・大北・大南・大東・大西の5区は、元々「大兼久村(うふがにくむら)」という一つの集落だった。「大兼久節に『名護の大兼久 馬はらちいしょしゃ 船はらちいしょしゃ わ浦泊』と歌われるように、馬、船のどちらを競走させても楽しい町だったそうだよ」と教えてくれたのは、大兼久護佐喜宮会の岸本正会長(78)。地域の戦中、戦後の様子を知る一人だ。

大兼久村は純農村。人が住んでいたのは大中の海側一帯だけで、あとは畑、原野などが広がっていた。その名残だろうか、地域内には今でもまとまった緑地が点在する。大中と城との境界にあたる名護大通り(県道84号線)には店舗が並び、長く北部の中心地として栄えてきた。「大兼久の神様は護佐喜宮にしかいないから、今でも5区合同で豊年祭などの行事をやるんだよ」。今でも旧集落の名残がある。

大兼久が5区に分区されたのは、1944年。翌年には沖縄戦が始まり、地域一帯は焼け野原に。その中で残った一軒家は米軍の司令部となり、周辺には倉庫などがあったという。今でもその一軒家は当時の古いセメント瓦のまま残っている。

戦後は各地から人が入ってきたが、「元の集落には住む場所がないから、後背地がどんどん開拓されていった」という。大通りの商業も発展し、市街地のにぎわいを取り戻していった。


賃貸では学区重視

大中北側一帯の区画整理が始まったのは平成に入ってから。道路整備により、交通アクセスが向上した。「昔から家はあったけれど、ここ3年ほどで増えてきた」と話すのは(有)大盛ハウジングの渡慶次寿江さん。「名護市全体で3LDKの賃貸が少ないし、それを借りるよりも土地や建売住宅を買ってしまおうと考える人が多いみたい。建売住宅はすぐ売れるし、中古物件も情報が出ると問い合わせが多く、すぐ売れる。年配、県外の方などがセカンドライフの場所を探しているようだ」。

隣接する宮里より「賃料などが安価なので大西、大中は人気」。学区を基準に物件を探しに来るファミリー層が多く、区内に小学校がある大北も問い合わせがあるという。近くに大型商業施設が立地していることも魅力の一つだろう。賃貸の多くは2DK。「賃貸でも長期間住むので、空きが出にくい」という。 

一方で、近年は名護バイパス沿いの郊外に大型商業施設が立地。人の流れが変わり、名護大通り周辺のかつての中心地はシャッター通りに。岸本会長は「いまだに町の中心だと感じるけれど、もっと活気がほしい。昔ながらのにぎやかさがないのは寂しいね」と寂しそうな表情を見せた。




昔は畑や原っぱ、森が広がっていたんだって!
今は戸建て住宅がいっぱいだるん♪


【1】名護城から大中周辺を望む。写真左にある大きな建物は県立北部病院。岸本会長は「このあたりは昔は森で、個人で所有できないほど広かったから、ずっと共同所有で管理してきた」と話す。地区内には緑がまとまって残り、学校や公共施設、銀行などがあって治安が良く、暮らしやすそうな町だ


【2】名護バイパスから大中公園付近までのびる「大北大西線」は歩道が広々。写真奥にイオン名護店があり、反対側の名護高校あたりから自転車専用通路が整備されている


【3】大中には小川もあり、自然が感じられる住宅地だ

 

築89年の拝殿、文化財へ向け



護佐喜宮の拝殿は、国の重要文化財に指定された「大宜味村役場旧庁舎」を建築した清村勉が、1929年に建てた鉄筋コンクリート造。後付けの欄干はコンクリートが剥がれ落ちているが、拝殿は劣化していない。現在、大兼久護佐喜宮会と名護市が中心になり、国の登録文化財にしようと尽力している。



エリアマップ

※撮影ポイント1~3は写真1~3の撮影地点を示す

校区

小学校区は、大中5丁目一部が東江小学校。それを除く大中、大西(大北小学校区を除く)、大北1丁目一部が名護小学校。大西3丁目一部、大北(名護小学校区を除く)が大北小学校。中学校区は、大中全域、大西全域が名護中学校。大北は名護中学校区と大宮中学校区に分かれる
 

家賃

賃貸の部屋タイプは多くなく、家賃は1DKが3万~3万5000円、2DKが約4万円、2LDKが約4万5000円、3LDKが5万5000~6万円
 

土地の価格

大中・大西は坪当たり18万円前後、大北は坪当たり15万円前後

 

大北の賃貸物件

通学・買い物便利ファミリー向け


大盛ハウジングの渡慶次さんが薦める物件は、「敷金・礼金なし、人気の間取り2DK」のスカイハイツ。
鉄筋コンクリート造の2階建て、築24年。駐車場は1台分を完備。渡慶次さんは「大北小学校まで歩いて約5分、大型商業施設にもアクセスしやすく、買い物も便利。ファミリー層におすすめです」と話す。

<問い合わせ>
大盛ハウジング
0980-54-2050

※やーるんは、タイムス住宅新聞社のゆるキャラ。


編集/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1691号・2018年6月1日紙面から掲載

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好奇心が行動源。まち歩きで面白いことを発見した時に興奮し、脇目振らずに追いかけて迷子になること多し。人が住む・暮らす場所にある歴史、知恵、繋がりの面白さを見つけて発信していきたいです。よく県外出身かと聞かれますが、生粋のウチナーンチュです。

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