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2025年3月14日更新

[JIA沖縄支部 第28回卒業設計作品選奨]学生が提案「社会的建築」

日本建築家協会(JIA)沖縄支部は3月8日、建築学科の学生が手掛けた卒業設計の中から優秀な作品を選出する第28回卒業設計作品選奨を開催した。19点の作品の中から、琉球大学4年・宮城英通さんの作品「ウグヮンコトバ」が最優秀賞に選ばれた。

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第28回卒業設計作品選奨 主催/日本建築家協会 沖縄支部
受賞者と審査員=3月8日・県立博物館・美術館

日本建築家協会(JIA)沖縄支部は3月8日、建築学科の学生が手掛けた卒業設計の中から優秀な作品を選出する第28回卒業設計作品選奨を開催した。19点の作品の中から、琉球大学4年・宮城英通さんの作品「ウグヮンコトバ」が最優秀賞に選ばれた。

 

学生が提案「社会的建築」

琉大の宮城さん最優秀賞 6月に全国大会へ

 今 回は専門・専修学校部門9点、大学部門10点の応募があった。地域が抱える課題を建築の側面から解決しようと挑戦した力作が集まった。

沖縄職業能力開発大学校2年の眞栄里愛佳さんは子どもの貧困に焦点を当て、子どもの居場所や交流の場となる児童園「子どもの回遊拠点」を設計した。

琉球大学4年の又吉陽幹さんは大宜味村の塩屋湾に生き物が少なくなっていることに着目し、新たなカキ養殖システム「塩屋湾に連なる」をプラン。カキを養殖しながら、生き物の生育環境を整える提案をした。

未来に向けた建築

最優秀賞に選ばれたのは、琉大4年の宮城英通さんが設計した「ウグヮンコトバ」。例えば「ウティンヌカミ(御天の神)」は天に願いを届ける塔、「シーミー(清明祭)」は外で座れる場所などウグヮン(御願)で用いられる言葉から建築を組み立て、地域性を際立たせた。松田まり子審査委員長は「言葉から建築をつくるという発想が面白い。かといって奇抜ではなく、沖縄の気候風土や風水などの文化にも即した形になっている」と評価した。宮城さんの作品は6月に行われる全国大会に推薦される。

応募作品全体の総評として、松田審査委員長は「どの作品も環境や社会問題に真っ向から取り組んでいた。『社会の力になりたい』『未来を良くしたい』という学生たちの真摯(しんし)な思いに感銘を受けた」と話した。
 
◆ ◆ ◆ ◆ 

最優秀賞「ウグヮンコトバ」宮城 英通さん(琉球大学4年)

沖縄のウグヮン(御願)で用いられる祈りの言葉から空間を導き出し、建築物にした。その建築物を集落全体に点在させて、かつての「祈り」から生まれる集いの場をつくった。
 

 受賞者一覧 

◆最優秀賞 
宮城英通さん(琉球大学4年)「ウグヮンコトバ」

◆優秀賞 
又吉陽幹さん(琉球大学4年)「塩屋湾に連なる」
飯田睦士さん(琉球大学4年)「Our Sphere」
眞栄里愛佳さん(沖縄職業能力開発大学校2年)「子どもの回遊拠点」

◆佳作 
川村かれんさん(琉球大学4年)「POLYHEDRON REPRODUCTION」
平良亮伍さん(琉球大学4年)「砂が映す。」
島袋琉駆さん、高良雄斗さん(沖縄職業能力開発大学校2年)「名護市総合交通ターミナル」
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2045号・2025年3月14日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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