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2025年5月2日更新
県民は無意識に実行?!「ローリングストック」|アウトドア×減災㉕
那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人(ともしびと)」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「アウトドア×減災(災害による被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)」をテーマに執筆。今回は、「ローリングストック」について。「沖縄県民は無意識にやっている人も多い」と話します。
県民は無意識に実行?!「ローリングストック」
普段から食べられて長期保存できる食品を「ローリングストック」
レトルト食品や缶詰など、長期保存できて、普段から食べられるものを気軽に備えることが「ローリングストック」という考え方です
普段の食を非常食に
災害が起こった後、すぐに救援物資が届くとは限りません。また、その際はスーパーやコンビニの食料品棚が空になることを、県民の皆さまはよくご存じだと思います。
そんな時のために、平時から非常食をはじめとする防災グッズを備えておきましょう、とこれまで当連載でも発信してきました。
しかし、よく言われている「約3日分の食事」を用意するのは結構ハードルが高いですよね。なるべく長期保存できる非常食でそろえるとなると「食べ慣れた味か?」「常温でも食べられるか?」「金額が高い」などの問題も出てきます。
それは「非常時のために準備する食事」として考えるからで、少し見方を変えると、普段の生活で無意識に備蓄していると言える「缶詰」でも十分に非常食になります。
それが「ローリングストック」という考え方です。ローリングストックとは、日常的に非常食を食べて、食べた分をその都度買い足すという行動。普段の食事の買い物をするだけで家庭には常に新しい非常食が備蓄されるという発想です。これなら、非常時でも普段食べ慣れているものを食べられるので安心です。
ツナ缶は最適!
私が子どものころは、台風が来るとすぐ停電していました。そのときはストックしてあるろうそくの灯(あか)りを頼りに、常に台所にあるそうめんや小麦粉でソーメンチャンプルーやヒラヤーチーを作ったのを思い出しました。「我が家もそうだった」というご家庭も多いのでは? 県民は「無意識にローリングストックしている」といえるでしょう。
そうめんや小麦粉ももちろん良いのですが、長期保存に向いている中でも「そのまま食すことができる」という観点も非常食には重要です。ウチナーンチュの大好きなツナ缶、そしてコーン缶などは、パカッと開けてすぐに食べられる代表。しかも約3年という保存期間も魅力です。
ほかにも不足しがちなビタミンやミネラルなどを補給するためにフルーツ缶や野菜ジュース缶などもあるといいかもしれません。
今年のお中元時期には「ローリングストック的観点」での贈り物というのも、喜ばれるかもしれませんよ。
以前の当連載(2023年6月2日号掲載)で、オイルが入ったツナ缶は「オイルランプ」としても使うことができると紹介しました。記事はQRコードから読めます
https://sumai.okinawatimes.co.jp/commons/special/detail/18850
よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。
那覇市曙1-8-10
電話=098・866・5365
https://sites.google.com/view/tomoshibito/
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2052号・2025年05月02日紙面から掲載