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2025年6月6日更新

非常時の口腔ケアの知恵|アウトドア×減災㉖

那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人(ともしびと)」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「アウトドア×減災(災害による被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)」をテーマに執筆。今回は「非常時の口腔ケア」について。水やハブラシがないときのケアの仕方を紹介します。

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非常時の口腔ケアの知恵


 備えておきたい口腔ケアグッズ 

無水での歯磨きやハブラシがなくても口の中を清潔にできる歯磨きタブレット、携帯用マウスウォッシュ、オーラルケア用ウエットシートなどを防災ボトルや防災バッグに備えておくと良いでしょう


歯と口の健康習慣に

今週は、歯と口の健康週間(6月4~10日)です。今回は、それにちなみ「非常時の口腔ケア」を紹介します。

災害時の断水などで水が不足している場合は、どうしても飲料水が優先となり、歯磨きなどに使用することをためらってしまう事もあると思います。そうなると口の中を清潔に保つことが難しくなり、最終的に避難所で過ごす人々の健康を害することがあるようです。

歯磨きが出来ないことで、子どもは虫歯になりやすくなる上、避難所生活では歯医者にも通いづらく治療も難しいでしょう。

大人は歯周病になりやすくなります。中でも高齢者はお口の細菌が増えて気管に入り肺炎(誤嚥(ごえん)性肺炎)になりやすいそうです。

避難生活が続くストレスなどでも口腔(こうくう)機能が低下したり、入れ歯の手入れができなかったり、紛失することも誤嚥性肺炎などを引き起こす要因になるようです。

そうした「口内環境」問題の減災ができないか調べてみたところ、日本歯科医師会のホームページで発見しました。

◆水が少ない場合のケア
①水約30ミリリットルをコップに準備します。
②その水でハブラシをぬらしてから口の中へ入れ、歯磨きを開始します。
③ハブラシが徐々に汚れてきますので、ティッシュペーパー(あればウエットティッシュ)でハブラシの汚れを拭き取って歯磨き、これを小まめに繰り返します。
④最後にコップの水で2~3回すすぎます。一気に含むのではなく、2~3回に分ける方がきれいになります。

◆ハブラシがない場合のケア
①食後に少量の水やお茶でうがいをします 
②タオルやハンカチ、ティッシュで歯の汚れをとるのも効果があります。

◆歯ブラシも水もない場合のケア
だ液はお口の中をきれいに保つ働きがあります。耳の下、ほお、あごの下を手でもんだり、あたためたりすると、だ液が出やすくなります。
 

日本歯科医師会では、非常時の口腔ケア方法などについてポスターなどで発信している
 


タブレットやシートも

口腔ケアグッズを「防災ボトル」や「防災バッグ」に入れておきたくて、ちょっと大きめなショッピングセンターへ行って、良さそうなものを見つけたので紹介します。

◆歯磨きタブレット
噛(か)むと泡立つタブレットで、歯磨き粉としてもマウスウォッシュとしても使えます。使用後は水ですすぎます。

◆携帯用マウスウォッシュ
お口に含み約20~30秒ほどすすいでからハブラシでブラッシングしてください。どちらもコンパクトで携帯しやすいのが特徴です。

◆オーラルケア用ウエットシート
ノンアルコールでキシリトール配合、丈夫で口あたりの良い不織布シートでできており、口内を拭き取ることで清潔に保つことができます。

災害への備えとしての「口腔ケア」。参考になさってください。


執筆者プロフィル
文・写真/與那嶺康貴
よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。
那覇市曙1-8-10
電話=098・866・5365
https://sites.google.com/view/tomoshibito/


毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2057号・2025年06月06日紙面から掲載

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