［沖縄］社会と暮らしを支える女性たち｜株式会社比謝川電気｜３月８日は国際女性デー③

1962年の創業以来、沖縄の電気インフラを支え続けてきた比謝川電気。同社唯一の女性電気工事士の山崎美希さんに入社の経緯や業界の現状などをうかがった。

特集・企画

タグから記事を探す

建設業界で働く女性

興味持ち未経験から就業
一つずつできる事増やす

株式会社比謝川電気

山崎美希さん・施設工事課
1993年、北谷町出身。幼少期は愛知県で過ごす。接客業・販売業の経験を経て、2020年に比謝川電気に入社。第一種電気工事士の資格を持つ。1児の母。

Ｑ入社した理由と仕事の内容は？
祖父が元々当社で電気工事士として働いていました。そのおかげで幼いころからライフラインとしての電気の重要性や仕組み、仕事内容などを聞いて育ち、電気工事士や当社の仕事内容について自然と詳しくなりました。前職は接客業でしたが、70歳を超えてもまだ現役で働いている祖父のように手に職をつけ多くの人の生活を守り社会に貢献したい思いがあり、何より電気工事士に興味があったので祖父と同じ業界に転職しました。

当社の主な業務内容は、建物内の設備を稼働させるために必要な高圧電線や変電設備の施工管理や、道路照明灯の新設やメンテナンス、公共施設の照明設備の工事です。他にも、住宅の電気配線やコンセントの設置なども行っています。私は全くの未経験の状態から入社しましたが、当社は資格取得を奨励しており、学科試験は外部の講習会や過去問で対策し、技能試験は仕事後に会社で余った電線を譲り受け、先輩や同僚の方に教わりながら勉強しました。その結果、約1年半で第二種電気工事士の資格を、昨年には第一種電気工事士の資格を習得しました。現在は電気工事施工監理技士を目指して実務経験を積んでいます。

「工事が完了し、明かりがついた時にはとてもうれしく達成感を感じる」と山崎さん

Ｑ女性の電気工事士は珍しい？
女性は少ない職業だと思います。当社は創業して62年たちますが、社内では私が初めての女性電気工事士で、現場でもほとんど見かけません。ですが、女性の電気工事士ならではの強みもあります。

例えば宅内での配線作業を手掛けるときに、日中は奥さましか在宅していないことがありますが、「女性の作業員だから室内に2人だけでも安心感があった」とよく言われます。それ以外にも新築の建物の照明の位置を決める際には、女性の視点からアドバイスができますし、女性が質問したいことがあっても男性の電気工事士より気軽に相談しやすいと思います。

業務内容には力仕事もありますし、業務中に汚れることもあります。とはいえ、ほとんどの作業は男女関係なくできる仕事だと思いますし、どうしてもできない力仕事は男性社員に手伝ってもらってます。社内はとても環境が良く、周りの人に支えてもらいながら仕事をしていますが、女性だからといって特別扱いはされません。できる事を一つずつ取り組めば、先輩方からも認めてもらえます。電気工事士を目指す上で大事なことは、「興味があれば実際にやってみる」だと思います。

Ｑ仕事のやりがいと今後の目標は？
これまでは街灯の新設など外線の工事を担当していたのですが、最近は施設内部の施工管理など内線の工事にも携わっています。外線と内線では作業の内容が異なり、まだまだ現場から学ぶことが多い。新しいことを覚えるのはとても面白く、成長を実感できます。覚えたことを仕事に生かして社会に貢献できたときがやりがいを感じる瞬間です。

私は社会のインフラを支える重要な仕事に誇りを持って取り組んでいます。これからも、電気工事士として多くの現場に携わり、自分ができる作業を一つずつ増やしてもっと力をつけていきたい。最終的には自分で現場を段取りして、新しいものを1から作り上げるのが目標です。

↓下の画像をクリックして、「比謝川電気」のホームページへ