[沖縄]社会と暮らしを 支える女性たち|沖縄県生コンクリート工業組合|3月8日は国際女性デー①|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

沖縄建築賞アーカイブ

スペシャルコンテンツ

特集・企画

2025年3月7日更新

[沖縄]社会と暮らしを 支える女性たち|沖縄県生コンクリート工業組合|3月8日は国際女性デー①

土木・建築に欠かせない生コンクリート。沖縄県生コンクリート工業組合は生コン製造業の中小企業で構成され、1978年に設立。本島・離島で活躍する会員が各地域のまちづくりを下支えしている。「生コンが好き」、「アジテーター車が好き」、を原動力に活躍する女性会員に話を聞いた。

特集・企画

タグから記事を探す

大好き生コン業務 良質の製品追究へ



沖縄県生コンクリート工業組合

神谷 香さん・北陽生コンクリート 株式会社(左)
同社に入社して約1年2カ月。とにかくにアジテーター車が好きで、「タンクの文字まで落とすのか」と同僚に言われるほど奇麗に洗車する。タンクには社名や組合名が刻印されている。

有嶋 恭子さん・株式会社 沖縄コンクリート(中)
「新たな挑戦を」と生コン業界に入り、約2カ月。専門用語に加え、生コンに含まれる水分量、空気量の計測などと知識・実技を培うために、日々勉強中。

小波津 響子さん・株式会社 技建(右)
同社で働き約1年半。幼少期から間取りや外構などに興味があり、建築会社を経て、同社に入社。コンクリートの強度を計測するための供試体は「わが子のよう」と愛でている。



Q それぞれの業務内容は?
 有嶋・小波津  試験室という部門で働き、コンクリートの材料、練り上げ・打設後の強度や品質などを管理しています。座学による知識はもちろん、練り上げ後のコンクリートの軟らかさや粘り気、工場・工事現場での測定など現場の肌感も大切です。製造した生コンから品質の良しあしを判断する「識別眼」を鍛えています。

 神谷  私は運搬を担当。生コンをかき混ぜながら運ぶアジテーター車で工場と工事現場を毎日、数回行き来しています。運送ルートの交通情報だけでなく、作業車の点検なども欠かせません。一日ごとのスケジュールに遅れないよう、万全な状態で備えています。


Q 業務で心がけていることは?
 小波津  コンクリートの品質は材料であるセメントや水、特に砂や砂利の状態により、大きく変わります。そのため、日々の品質管理はとても重要な業務です。強度だけではなく施工性など、さまざまな条件がそろって初めて、良質なコンクリートと言えます。現場試験では品質管理から得た数値をふまえ、アジテーター車から流れ出る生コンを見て、軟らかさを予想。実際の試験結果と正確に比較する技量も必要です。試験員として、そういった経験を重ねていくのも大事なことだと考えています。また、楽しみでもあります。

 神谷  私は「アジテーター車を運転したい」とその一心で業界に入り、毎日、念願がかなっています。現場によっては細い路地や狭い敷地などと運搬・施工しづらい場所もありますが、どこに止めたら自分の作業も、ほかの施工者の仕事も合理的にできるのかを考えています。

 有嶋  コンクリートは強風による圧力、地震力などに耐える強度の確保が何より先決ですが、小波津さんがおっしゃった「施工性」と「耐久性」の両立は建設物を長く使い続けるために大切です。四方を海で囲まれた沖縄では、飛来する塩分によって建設物が劣化するなど「塩害」の問題があります。コンクリート製造の材料はサイズなどが毎日異なり、塩分を含む海砂もある。除塩処理などは徹底し、さまざまな材料の配合バランスを考えています。


Q 今後の目標は?
 神谷  外から見ると「運搬しているだけ」と思われがちな仕事ですが、品質を損なわないための「車の清掃」も大切な業務です。タンク内に微量のコンクリートが残ってしまうと、新鮮なコンクリートの品質欠損につながります。多くの作業員の力が結集した生コンクリートの品質を落とさないよう、製品を届けたい。

 有嶋  入社間もないため、日々の業務を繰り返して頭と体に染みこませるのに必死です。そんな中でも、製造した生コンが建設物の形になる過程を見ると、「よっしゃ頑張ろう」という気持ちがおのずと湧きます。コンクリートのできを計測による数値で客観的に把握するとともに、自分の経験則から見極める力も養っていきたいです。

 小波津  目下の目標は必ず各工場に常駐する「コンクリート技士」の資格取得。駆け出しの頃は多岐にわたる業務をこなすことで精一杯でしたが、今では先輩方のおかげでスキルが身につき、楽しく仕事をする自分がいます。私もそのポジションに就いて後輩の育成とともに、できることを増やしたい。


見た目に惚れ込んだアジテーター車で安全な運搬を毎日行う神谷さん


コンクリートの材料である水やセメントなどを練り混る有嶋さん(左)


筒状のコンクリート供試体を圧縮試験機で強度を確認する小波津さん
[]

↓下の画像をクリックして、「沖縄県生コンクリート工業組合」のホームページへ


[関連記事]
「沖縄クチコミ不動産」で活躍中 売買エージェント|とまとハウジング
興味持ち未経験から就業 一つずつできる事増やす|株式会社 比謝川電気
「家事をプロとコラボ」という選択肢提案|株式会社 暮らしかたらぼ
女性が輝く職場をつくる|株式会社 レディースエステート&ビジネス

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2044号・2025年03月07日紙面から掲載

特集・企画

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2510

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る