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2024年12月20日更新

海の癒やし 沖縄素材で|アートを持ち帰ろう㊺

文/本村ひろみ

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海の癒やし 沖縄素材で

「海の庭 青の息づかい」
サイズ可変:本展覧会の展示では直径3メートル 販売は要相談
 

空間に自然の美しいリズム

アーティスト・土田※(注=はへんが「示」でつくりが「右」)加(どたゆうか)は沖縄へ来る前から“海”のことを思っていた。愛知県立芸術大学に在学中、動物に興味を持ち虎やワシの立体作品を制作し猫のドローイングを描いていくうちに“生きる”ための環境が気になり始めたそうだ。そして生態系について調べていくと「サンゴ」を意識するようになった。地球環境の変化は少なくとも彼女の制作の原動力になりそのイメージは作品に反映されている。
 

「虎」
H800×W1500×D800ミリ
販売は要相談

 

「ある めぐる」
動 H2100×W1350×D1200ミリ
静 H1700×W750×D600ミリ  
販売は要相談

生きる力もらい
元水泳部の彼女は阿嘉島で初めて海に潜り、リアル“海の散歩”を体験。沖縄での制作は「海や自然に癒やされる感覚を立体に表現しています」と語る。そんな彼女が、現在海の見えるギャラリーで個展を開催している。波の音、潮の香りを感じながら鑑賞を楽しめる空間インスタレーション「OCEANIC GARDEN 海の庭」。表現の手法として素材研究に務める土田は、沖縄の土地から受けたインスピレーションを積極的に取り入れ、染色ではさとうきびの緑、福木の黄色などを色彩へ、また琉球漆喰(ムチ)を使用するなど沖縄を感じる素材を作品に投影している。今回会場の中央に置かれている大きな作品「海の庭 青の息づかい」は一瞬サンゴ礁のように思えた。近づいて見ると丸められた小さな新聞の塊が藍染めのグラデーションになっている。他にもトックリキワタの綿をストッキングに詰めた細長い作品に触れた瞬間「いつも見ていたトックリキワタの白い綿ってこんなに柔らかいんだ」と、その感覚を楽しんだ。

「沖縄に来て生きる力をもらっているんです」と笑顔で語る土田のまなざしは力強い。自然から受け取る規則的で美しいリズムを、これからも彼女なりの表現に変えて見せてほしい。
 

「あぶくぶくぶく」
サイズ可変:本展覧会では約5メートル 販売は要相談
 

「海の庭 小さな宝物」
小さな幸せのサイズ 1200円(税込み)
 
作家近況
アーティスト・土田 祐加(どたゆうか)
https://www.instagram.com/dotawater/
◆「OCEANIC GARDEN 海の庭」YUKA DOTA SOLO EXHIBITION
 11月23日~2025年1月13日、ザ・ムーンビーチ ミュージアムリゾート内シーサイドギャラリー
◆「沖縄県立芸術大学・大学院 卒業・修了制作展」大学院修了作品「はじまりのお山たち」展示
 2025年2月12日~16日、県立博物館・美術館

本村ひろみ
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2033号・2024年12月20日紙面から掲載

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本村ひろみ

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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