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2024年12月13日更新
急速に増えたキク科2種|オニノゲシ、ベニバナボロギク|身近で見られる帰化植物㉑
文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はキク科の「オニノゲシ」と「ベニバナボロギク」を紹介します。帰化植物によく見られる傾向ですが、この2種も一気に生息地を広げて定着しました。
急速に増えたキク科2種
「オニノゲシ」「タベニバナボロギク」
オニノゲシ(ヨーロッパ原産)
オニノゲシの花
葉にはびっしりトゲがついている
葉にトゲびっしり
オニノゲシはヨーロッパ原産で、高さ0.5~1メートルになります。草姿はハルノノゲシに似ていますが葉に鋭いトゲがびっしりついていて、素手で引き抜こうとすると刺さって痛いです。このトゲが「オニ」という名前の由来になっているようです。
1892年に東京で見つかってからは、全国に広がりました。沖縄への侵入年は分かりませんが、そんなに古くはないと思われます。中城公園では、10年ほど前はチラホラ見られる程度でしたが、瞬く間に園内全域で普通に見られるようになりました。
オニノゲシの種子は綿毛についている
ベニバナボロギク(アフリカ原産)
ベニバナボロギクの花
ベニバナボロギクの草姿
昔は食利用も
ベニバナボロギクはアフリカ原産で高さ0.5~1.2メートルに成長する1年草です。
夏~秋にかけて、濃いだいだい色の美しい花を咲かせます。葉は柔らかく、食べられるそうです。沖縄でも古くから食べられていたようで、年配の方々からそうした話を聞くこともあります。
国内には第二次世界大戦後に侵入し、あっという間に広がりました。沖縄への侵入がいつ頃かは不明ですが、伝承的に食べられていたという話もあるので、だいぶ古くに入ってきた可能性も考えられます。
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12月~2025年1月の公園情報
【中城公園(中城村)】
◆旅をするチョウ・アサギマダラの話
日時/12月21日(土)午後1時30分~同3時
料金/1000円
定員/10人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
中城公園は渡りをするチョウ・アサギマダラの中継地点でもある。渡りをするようになったきっかけや調査方法、その結果などを報告する。
電話=098-935-2666
【中城公園(中城村)】
◆園芸教室/接ぎ木体験
日時/2025年1月11日(土)午前9時30分~同11時
場所/中城公園 会議室
料金/1500円(材料費込み)
定員/10人(大人対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
接ぎ木の基礎的な内容や資材類を講義した後に、実践。ヒカンザクラの台木に人気の桜・クメノサクラ、もしくはモモにスモモを接ぎ木する。接ぎ木した鉢植えは持ち帰っていただく。
電話=098-935-2666
【名護城公園(名護市)】
◆サクラ自然観察会
日時/2025年1月18日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/10人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
名護のサクラについて説明した後、園内を散策しながら今年の開花の状態を解説する。また、サクラとともに生きる植物や昆虫類も紹介する。
電話=0980-52-7434
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。
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執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て中城公園(北中城村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2032号・2024年12月13日紙面から掲載
第2032号・2024年12月13日紙面から掲載