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2024年8月23日更新
「わざわざ」がカギ つまみを引くと音|アートを持ち帰ろう(41)
文/本村ひろみ
「わざわざ」がカギ つまみを引くと音
ムーンビーチで展覧会 9月1日まで
5年前にアーティスト中島聖二郎(なかしませいじろう)を取材した際、「わざわざ」という発想が制作のキーワードだと話してくれた。作品にちょっとした「ムダ」を加えることでユーモアが生まれる。そして簡単な動作を少し不便にして遠回りすることで思考の過程が増える。中島の視点の先には祖母や子どもの動きが反映されているのだ。そんな彼の作品がどんな風に展開していくのか興味があった。
「Candy Box」
サイズ 900×1200×150ミリ
8万円(税込)
8万円(税込)
親しみやすく安全性も
現在、中島はザ・ムーンビーチミュージアムリゾートでギャラリーのアシスタントアートディレクターを務めている。開催中の展覧会で彼の『Candy Box』シリーズの新作が展示されていた。“Do you like a Candy?”の文字の下につまみがあって矢印の方向に引くと、ポローンとギターの音が。なるほど、縦の青い木の竿(さお)には弦が3本張られている。引き出しの中にはキャンディがあって自由にもらっていい。再び締めると音がする。音が聞きたくて何度か開け閉めをした。
数年前の『Candy Box』はレバーを引くと付属の紐(ひも)が引かれ蓋(ふた)が持ち上がる仕組みだった。今回は音を奏でるポップな作品になった。作品『C』はドレミのドの音が出る。鳴り物は子どもだけでなく大人も反応する。作品はよりさわりやすく、親しみやすいものになった。中島いわく「ギミックというより単純化、素材は壊れてもすぐに交換できるものを使っています」と。子どもが生まれてからは“安全性”も制作する上で重要となった。
そんな中島の作品は生活の場に会話をもたらすだろう。やさしい言葉のやりとり。そんなシーンが目に浮かぶ作品なのだ。
「C」
190×150×160ミリ
3万5000円(税込)
3万5000円(税込)
過去の「Candy Box」
(写図説明)過去の「Candy Box」
1100×150×250ミリ(非売)
1100×150×250ミリ(非売)
「PET Bottle Carry」
700×150×250ミリ(非売)
ペットボトル1本のみを持ち運ぶキャリーバッグ
アーティスト・中島聖二郎(なかしませいじろう)
https://www.instagram.com/seijiro_nakashima/
◆「okigei Mancha Exhibition Vol.2 2024」
ムーンシーサイドギャラリーで9月1日まで開催。入場無料。
詳しくはhttps://www.moonbeach.co.jp/gallery/
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2016号・2024年08月23日紙面から掲載
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。