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2024年7月26日更新

紅型技法に刺繍 立体的で躍動感|アートを持ち帰ろう(40)

文/本村ひろみ

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紅型技法に刺繍 立体的で躍動感

型にとらわれない紅型に挑戦

プラチナに染められたヘアの毛先にブルーと赤のカラーリング。展覧会で初めて会った時、アーティスト、歩未(あゆみ)は物静かに語る控えめな印象とインパクトのあるビジュアルで鮮やかな作品のそばに立っていた。
 

「型ヲコエロ」
H728ミリ×W515ミリ
5万円(販売先手数料により変動あり)


会場で最初に目に留まった作品・紅型技法に刺繍(ししゅう)が施された『型ヲコエロ』。鉄線のようにも見える緑のつるくさをよじ登って空に向かって手を伸ばす少女。染められた図柄のところどころに刺繍がなされ、立体的な表面から躍動感が感じられる。作品タイトルには「伝統の型を知って理解して、リスペクトがあって変えていく。自分の表現にしていく。枠にとらわれない紅型に挑戦したい」という現在の彼女の姿勢が込められていた。城間びんがた工房で染色スタッフをしながら伝統の技法も習得しつつ、自身の作品は「アートよりの紅型表現」と個性を大切にする。鑑賞者に「この作品は歩未の作品だね」と言ってもらえるのが目標だと明るく話してくれた。

色をいっぱい

大学で工芸を専攻し(染、織、陶、漆)の分野分けの際、「作品に色をいっぱい使いたい」と恩師に相談をしたところ「あなたが将来制作しているイメージが自然と浮かぶ場所にいきなさい」という一言で「色と自由な表現が私なりにできるかな」と紅型の工房で働くことになった経緯を恩師への感謝の言葉に添えた。

ところで彼女は首里のロッカンコーヒーでバリスタとしても働いている。抑えられた色彩のエスプレッソにスチームしたミルクで描くデザイン。紅型の図柄と共鳴していくのか興味が湧く。“型ヲコエロ”は感性の叫び。内包されたパワーは未来を作る。
 
「Curtain call」
H728ミリ×W515ミリ
5万円(販売先手数料により変動あり)
カーテンのように咲くサガリバナ


「うえをむいてあるこう」
H728ミリ×W515ミリ
5万円(販売先手数料により変動あり)
ブーゲンビリアを俯瞰してみた構図

 
「あそぼう、いつもいるよ」
H515ミリ×W728ミリ
5万円(販売先手数料により変動あり)
まじゅんコラボかりゆしデザイン
ガジュマルの中で遊ぶキジムナーを表現

 
作家近況
アーティスト・歩未(あゆみ)
◆culture shop & cafe「イーヤーサーサ」(那覇市牧志)で紅型のパネル作品と刺繍アクセを展示販売中。
◆個展「ちがうことのおなじこと展」 12月16日~31日 rokkan coffee shuriで予定
詳しくはインスタグラムで情報発信 https://www.instagram.com/walk.art.ayumi/

本村ひろみ
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2012号・2024年07月26日紙面から掲載

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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