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2023年11月24日更新

[沖縄]専門技術者育てる工業高校① 機械系|産業の心臓部つくる

ものづくりの知識と技術を磨ける工業高校には、さまざまな学科がある。今回は、機械や部品の設計・加工・制御などを学ぶ「機械系」と、電力からプログラミングまで扱う「電気・電子系」の学科について紹介。そのほか独自の魅力を持つ7学科についても取り上げる。

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 機械系の学科がある工業高校 
◆名護商工(工業技術科・機械コース)
◆美里工業(機械)
◆美来工科(機械システム)
◆那覇工業(機械)
◆沖縄工業(電子機械)
◆南部工業(機械)
◆宮古工業(自動車機械システム)
◆八重山商工(機械電気・機械コース)


旋盤


溶接


自動加工実習


制御

 

製図



県内に工業高校は9校あるが、機械系の学科は浦添工業以外の8校にある。「機械科は工業高校の看板学科。機械は産業に欠かせないため、社会的ニーズも多い」と美来工科・機械システム科の伊藤昌幸先生は話す。

学ぶのは主に機械(部品)の設計・加工・制御に関する知識と技術だ。

設計では、製図用のソフトウエア「CAD」などの使い方を学習する。

加工では、その図面通りに金属を切ったり削ったり、溶接したりする。「100分の1㍉単位で加工し、測定器具の使い方も学ぶ」と話すのは那覇工業・機械科の髙橋海王先生。そこが機械系学科の柱となっている。加工する機械を手動で操作するほか、一連の操作を自動で行う機械「NCフライス」や「マシニングセンタ」の使い方も学ぶ。「実際の生産ラインにおいて手動の機械はあまり使われないが、機械の仕組みや加工の種類を知る意味でも、手動の機械を扱えるようになることは大切」と伊藤先生。また、「フライス盤」や「旋盤」といった手動の機械は国家検定もあり「取っておくと就職にも進学にも有利」。また、溶かした金属を型に流し込んで成型する「鋳造」の授業を行っている学校もある。

年次が上がると「NCフライス」や「マシニングセンタ」など自動加工の機械の使い方を学ぶ。「作るものをプログラミングするための数値計算などを勉強する」と髙橋先生。

さらに、電気・電子系学科の分野ではあるが、機械をコントロールするための電子回路の製作なども行う。


昨今は「制御」も重視

昨今、機械系学科で重視されているのが「制御」の授業だ。

例えば工場の生産ラインでは、製品をベルトコンベヤーで所定の位置まで運び、機械で仕分けるといったオートメーションシステムが構築されている。そうした一連の動作を自動制御するための回路の作り方やプログラミングを学ぶ。

沖縄工業・電子機械科の先生は、「わが校では、制御や電気・電子系もメインの柱として学び、部品加工や機械操作のスペシャリストを育成する」と話す。それぞれの学校で機械系・電気(電子)系・制御系の授業の割合が変わる。

機械系学科の就職先は、自動車メーカーや電力会社、大手電機メーカーなど。「工業高校には自動車系の学科もあるが、その学生は整備士になることを目指している。機械系の学生は製造ラインの構築に携わることが多い」と伊藤先生。大学や専門学校に進学する生徒も増えている。


 目指せる資格の一例 
※学校が重点を置いている分野によって、目指せる資格の種類は変わる

◆2・3級機械保全技能士(電気系、機械系)
◆2・3級機械加工技能士(普通旋盤、フライス盤)
◆2・3級電気機器組立て技能士(シーケンス制御)
◆2級ボイラー技士
◆第2種電気工事士
◆危険物取扱者
◆情報技術検定
◆パソコン利用技術検定など



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取材/東江菜穂、出嶋佳祐、市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1977号・2023年11月24日紙面から掲載

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