特集・企画
2023年7月14日更新
唯一無二のパイプ型スピーカー|知財 この人あの会社⑧
沖縄県発のオーディオ製品といえば(有)知名御多出横(以下、知名オーディオ)のスピーカー。同社は知名宏師さんが1975年に創業し今年で48年。知名さんは引退したが家族が事業を引き継いだ。同社のスピーカーは多くの人から愛されるロングセラー商品となっている。
TINA AUDIO / (有)知名御多出横 知名亜美子さん
唯一無二のパイプ型スピーカー
沖縄県発のオーディオ製品といえば(有)知名御多出横(以下、知名オーディオ)のスピーカー。同社は知名宏師さんが1975年に創業し今年で48年。知名さんは引退したが家族が事業を引き継いだ。同社のスピーカーは多くの人から愛されるロングセラー商品となっている。
現在、知名御多出横の代表を務める知名亜美子さん。ことし7月、沖縄市パークアベニューに新たなショールームをオープンした
独特のデザインの秘密
よく見るスピーカーは箱型で、前面に音の出るスピーカーユニットが付いている。知名宏師さんが開発したスピーカーは、そんなスピーカーの常識を覆すデザイン。円筒状のパイプが直立した形状で、スピーカーユニットはパイプ内で天井方向を向いている。これにより、壁や天井・床などの反射面に関係なく、空間全体に音が効率良く拡散。水面に広がる波紋のように部屋全体がリスニングポイントとなり、聴く場所を選ばない「全指向性」という特徴がある。
CDでもデジタル音源でも雑音なく生演奏のように響かせ、歌手の息遣いや弦楽器を爪弾く音まで再現し、目の前で演奏されているように音楽を楽しめる。
数々の特許を出願してきた知名さんは低音再生技術の特許を2020年に取得。このスピーカーは知名オーディオのロングセラーになった。パイプの高さや太さにはバリエーションがあり、高さは1~2メートル、直径は8~20センチとバリエーションがある。
同社のアイコンにもなっている、スピーカーの上部
スピーカー「TINA AUDIO」のラインナップ。高さは1~2メートル、直径は8~20センチとバリエーションがある
本商品に関する問合せは、有限会社知名御多出横(電話=098・938・3994)まで。
https://www.audio.co.jp/
音楽を聴くための空間演出
現在、知名オーディオの代表を務めるのは、親戚の知名亜美子さん(46)。設置場所を踏まえたアドバイスや、販売後の顧客のフォローにも力を入れている。例えば、音を吸収するカーテン近くにスピーカーは設置しないとか、音の反射を抑えるためにカーペットを敷いてもらう、といったアドバイスだ。「部屋の材質や形状、広さを見れば、より音響効果を高めるスピーカーのサイズや設置方法の提案ができる」という。
店舗でも、カフェと居酒屋では流す音楽の音量が違う。音楽を聴くのか、聞き流すのかでスピーカーの選択は違ってくる。那覇市内の狭めのバーでは、あえてスピーカーを逆さまにして天井からつり下げた例もある。自宅や店舗にどのサイズのスピーカーをどう設置すればよいか、相談できるのは、県内の会社ならではのサービスだ。
長く愛されるオーディオメーカーに
オーディオの世界は変化している。「年配者のマニア向けだけでなく、より広い世代に向けたマーケティングが課題」だと亜美子さん。
最近は「リブランディング」(既存のブランドを見直し再生させること)にも取り組む。一昨年から県内のデザイナーと協力して、知名オーディオのマークやPR方法を見直した。昨年にはスピーカー上部のデザインをモチーフにしたブランドロゴを作り、ウェブサイトもリニューアルした。亜美子さんは「今後は積極的にスピーカーの試聴イベントを開催したい」と語った。コザを訪れたら、一度音を聞いてほしい。
[執筆者]
宮川準(みやかわじゅん)
1967年、東京都出身。大学卒業後、都内で就職。2012年、沖縄に移住し沖縄県発明協会に入職、以来INPIT沖縄県知財総合支援窓口を担当。
https://www.audio.co.jp/
音楽を聴くための空間演出
現在、知名オーディオの代表を務めるのは、親戚の知名亜美子さん(46)。設置場所を踏まえたアドバイスや、販売後の顧客のフォローにも力を入れている。例えば、音を吸収するカーテン近くにスピーカーは設置しないとか、音の反射を抑えるためにカーペットを敷いてもらう、といったアドバイスだ。「部屋の材質や形状、広さを見れば、より音響効果を高めるスピーカーのサイズや設置方法の提案ができる」という。
店舗でも、カフェと居酒屋では流す音楽の音量が違う。音楽を聴くのか、聞き流すのかでスピーカーの選択は違ってくる。那覇市内の狭めのバーでは、あえてスピーカーを逆さまにして天井からつり下げた例もある。自宅や店舗にどのサイズのスピーカーをどう設置すればよいか、相談できるのは、県内の会社ならではのサービスだ。
長く愛されるオーディオメーカーに
オーディオの世界は変化している。「年配者のマニア向けだけでなく、より広い世代に向けたマーケティングが課題」だと亜美子さん。
最近は「リブランディング」(既存のブランドを見直し再生させること)にも取り組む。一昨年から県内のデザイナーと協力して、知名オーディオのマークやPR方法を見直した。昨年にはスピーカー上部のデザインをモチーフにしたブランドロゴを作り、ウェブサイトもリニューアルした。亜美子さんは「今後は積極的にスピーカーの試聴イベントを開催したい」と語った。コザを訪れたら、一度音を聞いてほしい。
[執筆者]
宮川準(みやかわじゅん)
1967年、東京都出身。大学卒業後、都内で就職。2012年、沖縄に移住し沖縄県発明協会に入職、以来INPIT沖縄県知財総合支援窓口を担当。
information
INPIT(インピット)沖縄県知財総合支援窓口開催スケジュール
「このアイデアに関し、特許は取得できるか」「他社が類似商品を販売している」「契約を交わそうとしているが内容は適切か」といったことについて、専門的な見地からアドバイスをいたします。
7月20日(木)松本秀治弁理士
24日(月)大久保秀人弁理士
27日(木)本堂裕司弁理士
8月1日(火)松島恵美弁護士
3日(木)大久保秀人弁理士
10日(木)西平守秀弁理士
会 場
沖縄県知財総合支援窓口
(浦添市伊祖2-2-2 3階)
時 間
各日午前10時~、午後1時~の2枠を設定しています。
ご相談、問い合わせは電話=098-987-6074、またはLINEのお友だち登録から
7月20日(木)松本秀治弁理士
24日(月)大久保秀人弁理士
27日(木)本堂裕司弁理士
8月1日(火)松島恵美弁護士
3日(木)大久保秀人弁理士
10日(木)西平守秀弁理士
会 場
沖縄県知財総合支援窓口
(浦添市伊祖2-2-2 3階)
時 間
各日午前10時~、午後1時~の2枠を設定しています。
ご相談、問い合わせは電話=098-987-6074、またはLINEのお友だち登録から
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1958号・2023年7月14日紙面から掲載