特集・企画
2023年6月9日更新
永続的に思い出残す次世代写真館|知財 この人あの会社⑦
思い出の写真やビデオはいつまでも残しておきたいもの。今回は、そんなかけがえのない大切な思い出やシーンを永続的に記録する合同会社パレットリンク沖縄のサービスを紹介する。
パレットリンク沖縄が提供するファイル保存サービス「UMUI~うむい~」のNFT専用ページ。アルバム機能や背景イメージカスタムなどのオプションもあり、連携企業の永続的な広告としても活用できる
UMUI~うむい~/合同会社パレットリンク沖縄 仲宗根真さん
NFT(非代替性トークン)とは
最近耳にする機会も増えてきた「NFT(非代替性トークン)」。画像などのデジタルデータは、容易に複製や改ざんができてしまうデメリットがある。NFTは、デジタルデータに鑑定書および所有証明書を付け、偽造不可能にする技術である。現在は、デジタルアートの発行・売買で主に使われているが、今後はあらゆる分野で活用方法が検討されている。
すぐにNFTにアクセス、閲覧できる。面倒なログインはいらない
同サービスを開発した合同会社パレットリンク沖縄の代表・仲宗根真さん
ビットコインから「保存技術」に興味
仲宗根真さん(47)は2016年頃、仮想通貨「ビットコイン」に興味を持ち、投資。ブロックチェーン(分散型台帳技術)を知った。ブロックチェーンとは情報を記録する技術の一種で、データをチェーンのようにつないで保管する。あるデータを改ざんするには、そこから先の全データを変える必要があり極めて困難なため、安全性が高いといわれる。
その後、NFTが普及。仲宗根さんは「仮想通貨やNFTデジタルアートの売買などの投資目的だけではなく、生活の中でもっと有意義に使える方法はないか」と考えた。着目したのは、思い出の写真や動画。以前は、現像写真やビデオテープなどで保管するのが普通だった。ところが現在は、デジタルカメラやスマートフォンで写真を撮り、そこにデータを入れっ放しにしている状態で、ファイルを誤って消去した経験のある人も多いだろう。NFTを活用すれば、大切なデータなどをなくすことなく、次世代まで確実に残すことができるはず、と思いついた。
22年に、京都のブロックチェーン会社(株)NFTDrive(中島理男代表)とパートナー契約を結び、同社が開発したブロックチェーン上にデータを保存するサービス「NFTDrive(※特許出願中、公正証書取得済)」を基盤にしたファイル保存サービス「UMUI~うむい~」を開発。提供を開始した(※商標登録出願中)。
消去の心配なく、いつでも見られる
「UMUI~うむい~」は、大切に残したい写真や動画、音声ファイルなどを、絶対に消すことのできないNFTとして保存するサービスだ。ご自分のスマートフォンやパソコンなどがインターネットにつながっていれば、IDやパスワードを入力せずともURLをクリックするだけで、自身の専用ビューア(画面)にアクセスし、閲覧できる。家族や友人にこのURLを伝えて、見てもらうこともできる。そこで誤って消去されることもない。メッセージ機能やアルバム機能、背景カスタマイズなどにより、写真をより鮮明に「想(おも)い出」とリンクさせることができる。初期費用以外の月額利用料も発生しない。
仲宗根さんは「コロナ禍で疲弊した沖縄産業の一助となれば」と語った。
本サービスに関するお問い合わせは、合同会社パレットリンク沖縄電話=050・1807・3632(自動音声システム対応)まで。
NFT次世代写真館「UMUI~うむい~」のURLは、https://umui.okinawa/
[執筆者]
金城太志(きんじょうたいし)
1985年生、沖縄県出身。県外大学卒業後、内地で就職。2015年に県発明協会に入職。知的財産事業に関わり、22年よりINPIT沖縄県知財総合支援窓口を担当。
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INPIT(インピット)沖縄県知財総合支援窓口開催スケジュール
浦添常設窓口
浦添市伊祖2-2-2
平日9時~17時に開設
那覇外部窓口
沖縄産業支援センター(よろず支援拠点内
6月20日、7月4日
うるま外部窓口
沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター
6月14日、21日、28日、7月5日
名護外部窓口
名護市産業支援センター
6月28日
石垣外部窓口
沖縄銀行八重山支店
6月16日
宮古外部窓口
宮古島ミライへセンター
7月28日
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1953号・2023年6月9日紙面から掲載