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2023年8月11日更新

沖縄“缶”満載 クールなお土産|知財 この人あの会社⑨

今回紹介するのは、沖縄感がありながら定番菓子や、伝統食材とは違った新しいミント菓子だ。(株)ブルーリンクの大坂美恵子代表取締役(47)が、友人とのちょっとした会話から生まれたアイデアを形にした。発売以来、お土産として売り上げを伸ばしている。

OKINAWAミント缶の「国道58号」。缶は7×4センチの手のひらに収まるサイズ。缶のふたの文字は凸面加工され浮き出ていて、こだわりを感じる
OKINAWAミント缶の「国道58号」。缶は7×4センチの手のひらに収まるサイズ。缶のふたの文字は凸面加工され浮き出ていて、こだわりを感じる

 
 OKINAWAミント缶/(株)ブルーリンク代表取締役 大坂美恵子さん 

新しいご当地土産つくりたい

大坂美恵子さんは、商社やメーカーなどに勤務した後、生活雑貨の輸入などを行う貿易会社を2020年に設立した。

ある日、観光関係の友人との会話の中でハワイの土産品店ではフラダンス柄などハワイらしいデザインのミント缶が売られていると聞いた。自ら商品を作ってみたいと考えてきた大坂さんは、沖縄らしい「ご当地モノ」のミント缶が作れないかと21年に企画を開始した。
 
OKINAWAミント缶のラインナップ。県内では、ホテルや道の駅のほか、高速道のサービスエリアや空港、一部のイオンやローソン、ドン・キホーテで販売されている
OKINAWAミント缶のラインナップ。県内では、ホテルや道の駅のほか、高速道のサービスエリアや空港、一部のイオンやローソン、ドン・キホーテで販売されている
 
那覇の事務所で商品をアピールする、ブルーリンクの大坂美恵子さん(左)と、ミント缶のファンと称する湧川日奈子さん。ミント缶と同じデザインのTシャツとバッグ(非売品)を着用
那覇の事務所で商品をアピールする、ブルーリンクの大坂美恵子さん(左)と、ミント缶のファンと称する湧川日奈子さん。ミント缶と同じデザインのTシャツとバッグ(非売品)を着用


企画から半年で発売にこぎつける

企画の実現には、缶のデザイン・製造、ミントタブレットの製造、在庫や発送の体制が必要だった。会社のロゴマークづくりを手伝ってもらったデザイナーの宮城孝治さんに依頼し、第1弾として「首里城」「国道58号」「沖縄の海」の清涼感あふれる3缶を完成させ、中国の工場で缶を製造。ミントタブレットの製造工場も大坂さん自ら交渉して確保。原料づくりから製造、包装、発送、納品まで、生産体制を作り上げた。企画から半年。「猛進した」と、驚くべきスピードで22年4月に初回の製品5万個を発売。観光施設などとの商談も順調に進んだ。

知財総合支援窓口では、缶に描かれている風景などに著作権が生じないか確認したり、デザイナーとの間の契約について、双方に不利にならない契約のまとめ方についてアドバイスを行った。


小さな缶から広がるビジネス

OKINAWAミント缶は、7×4センチの手のひらサイズ。ポップなイラストが描かれ、ふたをスライドさせると約40粒のミントがぎっしり。幅広い層に受け入れられるよう、強いミント味ではなく、さわやかな甘さにした。食べ終わっても缶は小物入れなどに使え、コレクションしたくなる。

沖縄の観光地にちなむデザインを増やしていきたいと、石垣島、竹富島、由布島をイメージした八重山バージョンの3缶セットを22年10月に発売した。さらに宮古島、渡嘉敷島、座間味島の「世界が恋する海シリーズ」の3缶セットを23年4月に発売するなど、続々と新作を生み出している。「離島の首長さんが名刺代わりに使ってくれて、うれしかった」。同製品は22年に県NEXT優良県産品の審査員特別賞も受け、23年県優良県産品に認定された。

他企業のOEM(他社ブランドの製造受託)商品や記念品としての依頼も受けており、オリジナルデザインのミント缶を注文することもできる。これまで美ら海水族館、リゾートホテルから注文を受け、オリジナルミント缶を製造している。今後は、沖縄の文化を題材にしたシリーズを予定している。

本商品の問い合せはブルーリンク
電話=098・988・4323
https://blue-link.jp









[執筆者]
宮川準(みやかわじゅん)
1967年、東京都出身。大学卒業後、都内で就職。2012年、沖縄に移住し沖縄県発明協会に入職、以来INPIT沖縄県知財総合支援窓口を担当。
 
 information 

INPIT(インピット)沖縄県知財総合支援窓口、配置専門家相談日の開催スケジュール

「このアイデアに関し、特許は取得できるか」「他社が類似商品を販売している」「契約を交わそうとしているが内容は適切か」といったことについて、専門的な見地からアドバイスをいたします。

8月17日(木)本堂裕司弁理士
8月24日(木)松本秀治弁理士
8月31日(木)大久保秀人弁理士
9月5日(火)大城純市弁護士
9月7日(木)大久保秀人弁理士
9月14日(木)西平守秀弁理士

 会 場 
沖縄県知財総合支援窓口(浦添市伊祖2-2-2 3階)

 時 間 
各日午前10時~、午後1時~の2枠を設定しています。

ご相談、問い合わせは電話=098-987-6074、またはLINEのお友だち登録から
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1962号・2023年8月11日紙面から掲載

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