2023年4月28日更新
経営の手助け「省エネ診断」|省エネ診断①
文・写真/名嘉光男(NPO法人 沖縄県環境管理技術センター)
経営の手助け「省エネ診断」
当連載では、中小企業や施設向けに「省エネ診断」を行うNPO法人・沖縄県環境管理技術センターの名嘉光男さんが診断の内容や実際の事例などを紹介。企業や施設でできる省エネのヒントを探る。
昨今のエネルギー価格の上昇や原材料費の値上げは、企業経営に深刻な影響を与えています。現在の世界情勢を見ても、上昇傾向は続くと思われます。このような外部環境の圧力に対して、企業としては事業継続の手だてを施さなければなりません。その一つに、省エネへの取り組みがあります。
省エネ取り組みのメリットとして、(1)エネルギーコストの低減(利益貢献)(2)業務改善に直結(ムダの排除、生産性向上等)(3)SDGsの取り組み(目標13の気候変動に具体的に対策を)などがあります。
そして、省エネに取り組むためにはまず現状を把握することが重要です。現状のムダを発見することで、生産性向上、意識改革などへの展開が可能になります。
現状把握には「省エネ診断」の受診をお勧めします。省エネ診断とは、省エネのプロがエネルギー使用状況や設備の運転状況を調査して、その調査結果に基づき効果的な省エネ対策の提案を行うものです。
この省エネ診断ですが、中小企業等は、補助金を利用して安価で受けることができます(経済産業省の「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業費補助金」)。
この事業は、国が認定する診断機関が、エネルギー価格高騰などの影響を受ける中小企業等の工場・ビルに出向いて管理状況を診断(省エネ診断)し、運用改善や設備投資の提案などを行います。診断結果報告書には、光熱費削減額、概算投資額、投資回収年などの内容も記載されます。診断にかかる経費の9割を国が補助することにより、事業者の安定的かつ適切なエネルギー管理を図るものです。
省エネの提案にあたっては、まずはコストをかけずに実施可能なことから行い、次のステップとして設備投資改善の提案を行います。費用対効果の視点から見れば、大きな効果が見込まれます。
同事業の詳細の確認や申し込みは、左記特設サイトから行えます。当センターも診断機関として登録しております。
ぜひご相談ください。
省エネ提案事例
1・空調設定温度の緩和
2・空調設備の更新
3・照明設備の更新
4・冷凍冷蔵設備の更新
2・空調設備の更新
3・照明設備の更新
4・冷凍冷蔵設備の更新
省エネ診断の結果をもとに、省エネの提案を行う。まずは「空調設定温度の緩和」などコストをかけずにできる提案を行い、次に設備の更新を提案する。設備更新にはコストが掛かるが、補助金を活用する方法も含めてアドバイスする
中小企業向けの補助事業も
済産業省は、中小企業向けに「省エネ診断」にかかる料金を補助する事業を行っている(2022年度補正予算 中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業費補助金」)。1設備につき5280円(税込み)で診断を受けることができる。申し込みや詳細は、特設サイトhttps://shoeneshindan.jp/執筆者
なか・みつお/NPO法人沖縄県環境管理技術センター理事長、エネルギー管理士、一級管工事施工管理技士。電話=098・853・3739
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1947号・2023年4月28日紙面から掲載