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2023年4月14日更新

アタリで光・音 釣り用アラーム|知財 この人あの会社⑤

気温が上がり、釣りが楽しい季節になってきた。最近はアウトドアブームで、キャンプやバーベキューをしながら釣りを楽しむ人も増えているようだ。今回紹介するのは、釣り好きの友だち同士が試行錯誤の末に完成させた釣り用のアラーム装置だ。

釣りざおに取り付けたサザンセンサー。クリップ式で釣りざおの持ち手部分の上の辺りに挟んで取り付ける
釣りざおに取り付けたサザンセンサー。クリップ式で釣りざおの持ち手部分の上の辺りに挟んで取り付ける

アタリを感知すると光が点滅。光は5色に変更できる
アタリを感知すると光が点滅。光は5色に変更できる
 
 サザンセンサー/(株)シーサイドクラフトジャパン 玉城和さん、平仲裕真さん 
サザンセンサーを開発した、右から玉城和さん、平仲裕真さん
サザンセンサーを開発した、右から玉城和さん、平仲裕真さん


「ながら釣り」に便利 ヒットセンサー

糸満市出身の玉城和さん(27)、八重瀬町出身の平仲裕真さん(27)は県外就職の際に出会った。幼い頃から釣りに親しみ、おか釣りから船釣りまで幅広く、主にタマンやガーラを狙った釣りを楽しんでいる。

釣りの経験のある人なら、魚がかかった瞬間に釣りざおや糸の動きから「アタリ」を察知しないとうまく釣れないことはご存じだろう。エサを交換したり、スマートフォンを見るなど目を離しているとアタリを見逃してしまうことも。昔から、釣りざおに鈴を付けるなどアタリを知らせる工夫がされてきたが、近年では「ヒットセンサー」と呼ばれるアタリを感知する器具が販売されている。


発明くふう展県知事賞優秀賞を受賞

2人が使用していた器具は防犯アラームを再利用したものであったため、音が不快で大きい、風に影響される、狙っていない「小さい魚」による振動を拾う、動く「生き餌」のときは使えないといった問題があり、独自のヒットセンサーを作ろうと考えた。中国の製造業にツテのある(株)ハーバーゾーン日本の崎濱秀和さんの力を借り、2021年夏に開発を始めた。コロナ禍で中国側とのやりとりに時間がかかったほか、アタリとして感知する振動のレベルの設定に苦労したが、22年末にようやく完成させた。

知財総合支援窓口へも相談いただき、製品のデザインについて意匠登録出願を済ませ、商品名「サザンセンサー」の商標出願も完了した。苦労のかいあって「第51回沖縄県発明くふう展」意匠の部で県知事賞優秀賞に選ばれた。


2人のこだわりを機能に生かす

「サザンセンサー」は約6センチ×3センチの片手に収まるサイズのボックス型。クリップ式で、釣りざおの持ち手部分に挟むだけだ。アタリがあるとLEDの点滅とブザー音で知らせる。2人のこだわりは、風などの微弱な揺れで反応しないようレバーで感度の調節ができるようにしたこと、アラームの音量が4段階で調節できること、他人と区別できるように光も5色に変更できる点など、ふんだんに詰め込まれている。アラームを設定した状態でケースなどに入れておけば盗難対策にもなる。

23年1月に発売し、フィッシング王国サンノリー、フィッシングステップ、シーランドといった釣具店やアマゾン(通販)で販売している。平仲さんは「県外の釣具店へも広めて全国展開し、製品のバージョンアップも進めたい」、玉城さんは「海沿いでのキャンプやバーベキューをしながらの釣りにもうってつけ。初心者も釣りを楽しむきっかけになれば」と語った。







[執筆者]
宮川準(みやかわじゅん)
1967年、東京都出身。大学卒業後、都内で就職。2012年、沖縄に移住し沖縄県発明協会に入職、以来INPIT沖縄県知財総合支援窓口を担当。


 
 information 

INPIT(インピット)沖縄県知財総合支援窓口、配置専門家相談日の開催スケジュール

「このアイデアに関し、特許は取得できるか」「他社が類似商品を販売している」「契約を交わそうとしているが内容が適切か」といった内容について、専門的な見地からアドバイスをいたします。

 開催日 
4月17日(月)大久保秀人弁理士
  20日(木)松本秀治弁理士
  27日(木)本堂裕司弁理士
5月8日(月)大久保秀人弁理士
  9日(火)大城純市弁護士
  11日(木)西平守秀弁理士

 会場 
沖縄県知財総合支援窓口(浦添市伊祖2-2-2 3階)

 時間 
各日午前10時~、午後1時~の2枠を設定しています


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1945号・2023年4月14日紙面から掲載

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