【沖縄】人も猫もくつろげるリノベ|今ある家をバージョンアップ[14]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

リノベーション

リノベ

2021年6月18日更新

【沖縄】人も猫もくつろげるリノベ|今ある家をバージョンアップ[14]

大切な家族の一員である猫。楽しくのびのび過ごしてほしいけれど、猫の遊び場はおもちゃやキャットタワーなどで雑然としがち。壁に引っかきキズが付くのも困りますよね。そこで今回は3LDKから2LDKへのリノベを機に、猫との暮らしにも配慮したわが家を紹介。キズやニオイが気になりにくい内装材についてもお伝えします。

case14
「一般的な3LDK」→「キャットウオーク付き2LDK」

◆相談&課題
雑然とした猫スペース キズだらけの壁や床

◆リノベのプロが提案!
猫の遊び場を兼ねたインテリア
ニオイやキズを防ぐ建材に

部屋になじむキャットウオーク

まずは王道のキャットウオーク。生活空間の中心であるリビングに造作すれば、自然とお互いが視界に入ります。猫は高い位置からリビング全体が見渡せて満足。こちらも猫の姿が見えると安心しますね。

キャットウオークを設けるときのポイントは、「目立たせないこと」と「ただの猫用通路にしないこと」。例えば、照明や本棚、ベンチ等、何かと組み合わせると、インテリアにもなじむようになります=上写真。

また、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に移動するため、冬の寒い日や、夏のクーラーの風が冷たく感じるときにもキャットウオークはよい「逃げ場」になります。

室内温度はどうしても人の体感に左右されやすく、猫にとっては寒過ぎたり暑過ぎたりします。同じ空間にいながら、人も猫も心地よく過ごせるよう、平面だけではなく高低差のある居場所づくりを意識しましょう。


正面天井近くにある間接照明の明かりをつけた様子


間接照明。幅に余裕を持たせたことで、キャットウオークとしての役割も兼ねている


視線を感じて見上げると、よく目が合う



平滑な壁で爪研ぎ防止

猫は「ほどよい柔らかさ」と「ざらつき」のある場所を好んで爪研ぎをします。反対に硬くて滑りやすいところでは爪が研げないため、壁は硬く平滑(へいかつ)に仕上げるのがポイント。そうすれば猫は「違うところで爪研ぎをしよう」と考えますので、思いきり爪が研げるスペースを別に設けてあげましょう。
 壁材のおすすめは消臭効果のある漆(しっ)喰(くい)。わが家は全室に漆喰を採用しているため、猫用トイレのニオイは気になりません。その上、平滑に塗ってもらったので猫たちは壁で爪を研ぐこともありません。漆喰はDIYで塗ることも可能ですが、つるっと「平滑」に仕上げるには高度な技術が必要になるため、プロに任せるのが◎です。

床材として、オーク材やタイル等の硬い素材はキズがつきにくく人気です。しかし、猫の遊び場に使う場合には、足腰に負担がかからないようマットやラグを敷いてあげましょう。また、コルクや無(む)垢(く)材のフローリングは足触りがよく、防水の処理を施せば掃除もしやすくなります。

猫との暮らしを想定したリノベーションでは、人と猫の両方が安心安全に暮らせることに最も重きを置きましょう。そして、見た目とコストのバランスを見ながら、双方へのメリットとデメリットを理解して計画していくことが大切です。長く楽しく暮らせるように、老猫になったときも想定しておくとより良いでしょう。







執筆者
さとう・ともえ
島根県生まれ。インテリアコーディネーター資格を有する。「住まい方」から家を考える近藤典子の暮らしアカデミーを修了。間取り提案からインテリアまでトータルでコーディネートする「in tree」を夫婦で設立。

◆(株)in treeの強み
自然素材を使った家づくり。中古マンションを購入し、夫婦で設計・リノベーションした家に暮らしています。ローンのことからデザインまで実生活から得たことをそのままお伝えし、夫婦それぞれの目線から暮らしやすい家の形を考えます。那覇市小禄5-2-1 501  電話098-960-4680
https://intree.jp/


リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp

■5月までの記事はこちらから
 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1850号・2021年6月18日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2416

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る