思い出残しつつリノベできる?|今ある家をバージョンアップ[8]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2020年12月18日更新

思い出残しつつリノベできる?|今ある家をバージョンアップ[8]

実家などのリノベーションでよくある話に、「大切な思い出は残したい」という要望があります。思い入れのある家だからこそリノベーションを選択したのだと思いますが、これが意外と家族間では意見が分かれるポイントになっているようです。そこで今回は、建具や家具のリメークを取り入れたリノベーションを紹介します。
文・豊見山智(リノベーション協議会沖縄支部 副支部長)

case8「古い家の建具や家具」⇒「リメークして活用」

◆相談&課題
住まいの見た目をキレイにしたいが、建物に残る思い出も大切にしたい

◆リノベのプロが提案!
メークし、リノベ後の住まいに活用


「残す」意識は薄くなりがち

リノベをする際、多くの人は「せっかく工事をするのだから全体的に新しくしよう」という意見や「長年同じところに住んでいるので雰囲気を一新したい」などの意見が強く出る傾向にあり、何かを「残す」という部分が薄れがちになります。

でも「やっぱり長年住んでいたという思い出も残していきたい」という思いもある。そんなときは、家具や建具をリメークし、リノベーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。一部ではありますが、事例を紹介したいと思います。


色を変えてみる

一つ目は塗装でリメークした事例。普段使っていた棚や収納扉も、色を塗り替えるだけで雰囲気はかなり変わります=事例1。一番手っ取り早くできる方法でもあります。

全体的に壁紙を張り替える場合でも、その壁紙の色に合わせて塗装することで、まるで違う雰囲気の部屋になっていきます。

 事例1 

After。木目調の造り付けの棚を白く塗装し、雰囲気を変えた


before


形を変えてみる

二つ目は、思い出のモノの形や用途を変えた事例です。

半円の形がかわいいと思っていたリビングの扉は、家族がフリーマーケットで買ったステンドグラスをはめてアンティーク風の扉にリメーク=事例2。取っ手金物も替えるとまるで違った扉に変身しました。

靴箱の扉は再利用して洗面台の扉に=事例3。小さかった靴箱も、扉だけを活用すれば、洗面台の扉としてちょうどいい大きさになりました。

扉や家具のリメークには大工さんなどの協力が必要ですので、少し難易度が高く感じるかもしれませんが、今までの思い出を残すのならばやってみる価値はあると思います。またアンティークな雰囲気が好きな方であれば、使い古されたモノこそ良い味を出してくれますので、ぜひトライしてみてください。

 事例2 

After。普段出入りしていた半円形のリビングの扉は、ステンドグラスをはめてリメーク


Before

 事例3 

After。扉部分を洗面台の扉としてリメーク


Before


執筆者
とみやま・さとる
1977年生まれ、宜野湾市出身。2008年、LSDdesign株式会社参加。取締役。誕生日が3月3日のひな祭りです。

◆LSDdesignの強み
建築・商業施設・リノベーションに始まり、プロダクトやグラフィックまで多岐にわたるジャンルを通して、“モノヅクリ”へと関わってきました。常に新しいことにチャレンジし、イノベーションし続けるクリエーティブな集団として、デザインと向き合いながら成長したいと思います。
宜野湾市上原2-3-6
098-894-4282
http://www.lsd-design.co.jp/

リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1824号・2020年12月18日紙面から掲載

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