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2024年11月15日更新

「まだ早い」は要注意 相続には準備が必要[相続計画始めよう!地主・家主の生前対策⑧]

家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をする全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員に名を連ねる。今回も、9月15日に読谷村で開催した相続専門家による特別講演会「軍用地相続 生前対策はじめの一歩」の内容から、相続で財産を失う理由や相続サイクルについて、共同代表の亀島淳一氏が掘り下げて説明する。

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「まだ早い」は要注意
相続には準備が必要

家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をする全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員に名を連ねる。今回も、9月15日に読谷村で開催した相続専門家による特別講演会「軍用地相続 生前対策はじめの一歩」の内容から、相続で財産を失う理由や相続サイクルについて、共同代表の亀島淳一氏が掘り下げて説明する。
 

相続で財産失う理由は

先月の「相続専門家特別講演会」ダイジェストでは、「なぜ相続が原因で軍用地を手放すことになるのか」「なぜ相続でもめるのか?」などについてお伝えしました。今月は、相続で財産を失う理由から見ていきます。

相続が起きると、10カ月以内に「現金」で相続税を納めなくてはなりません。相続が起きて、相続税が確定した際に、相続税を支払えるだけの現預金を持っていなかったらどうなるでしょうか?

「仕方ないから不動産を売って相続税を支払おう」となるケースが多いのは想像がつきますよね。そうなると、できればあまり価値のない不動産(例えば借地など)を売りたいものですが、「10カ月しかないのに借地なんて売れませんよ。新築アパートを売りましょう」と言われてしまいます。結果的に、売れやすい財産=優良な(手放したくない)財産を失い、負担となるような財産ばかり残っていくことになります。

そうならないために、「相続なんてまだまだ先」という方も、相続税の試算を早めに行っておきましょう。税理士7社が所属する私たちの団体が昨年度行った、約100件の相続税試算では、約25%の方が納税資金不足という結果が出ています。沖縄だけに限定するとその倍以上でした。

また、11年連続で地価が上昇している沖縄。場所によっては相続税も上がっていたりするので注意が必要です。
 
9月15日に読谷村で開かれた軍用地相続に関する講演会には約60人の軍用地主やその家族が参加した。同講演会のダイジェスト動画は上の画像をクリックして見られます


良い遺言書を書くには

そして、講演会の中では遺言書についても取り上げました。良い遺言書を書くためにはそれなりの準備が必要です。例えば80歳を超えて、「そろそろ遺言書を書こうか」と思ったときに、次のような状況だったらどうしますか?

財産を引き継ぐ子どもは3人。分ける財産は、大きくて新しいアパートが1棟、安く貸していて税金や管理ばかり大変な借地が5筆。さて、どのように分ければ3兄弟がもめずにすむでしょうか?

この状況で財産を公平に分ける方法を考えるのは、ほぼ不可能に近いのではないでしょうか?

誰もが、できれば大きくて新しいアパートが欲しいでしょうし、負担になる借地は欲しくない。不動産の相続でもめる原因がここにあります。

では、まだ70歳前後で、頭も体も心も元気な頃にこの事に気づけていたらどうでしょうか? 時間をかけて財産の状況を改善し、相続で家族をもめさせない遺言書を書くことができるでしょう。
 

 
【今回のポイント】
・売れやすい財産=優良な財産 
・残ってしまう財産=負担となる財産 
・相続税を試算し納税資金の把握を 


次回は講演会ダイジェストの最終回。専門家3人が参加者の質問に答えた様子をお伝えします。



全国幸せ相続計画ネットワーク



【執筆】
全国幸せ相続計画ネットワーク
共同代表・亀島淳一

士業(税理士、司法書士、弁護士)を中心に、全国の相続の専門家が集う組織。「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」という信念を持ち、「相続計画」という新しい考え方の普及・啓蒙活動を行っている。

相続相談窓口:電話=050・1809・0106
https://souzoku-planning.org/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2028号・2024年11月15日掲載

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