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2024年10月18日更新

なぜ相続でもめるのか 漠然とした「将来不安」[相続計画始めよう!地主・家主の生前対策⑦]

家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をする全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員に名を連ねる。今回は、同ネットワークが読谷村で9月15日に開催した特別講演会「軍用地相続 生前対策はじめの一歩」の内容を、共同代表の亀島淳一氏が掘り下げて説明する。

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なぜ相続でもめるのか
漠然とした「将来不安」

家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をする全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員に名を連ねる。今回は、同ネットワークが読谷村で9月15日に開催した特別講演会「軍用地相続 生前対策はじめの一歩」の内容を、共同代表の亀島淳一氏が掘り下げて説明する。
 
 

軍用地相続に高い関心

9月に開催した講演会。講師は全国幸せ相続計画ネットワーク共同代表の久保以明弁護士と私、理事の野原雅彦税理士の3人。60人を超える軍用地主とそのご家族の皆さんに、楽しく、わかりやすく、そして真剣に、生前対策の大切さを話しました。

第1部は私が登壇し、「相続で家族をもめさせない 相続計画のすすめ」の基調講演を行いました。軍用地の相続でもめてしまう原因や、優良な財産を減らしてしまう原因、そしてもめさせない方法について説明しました。
 実は私自身、身内の軍用地相続トラブルを経験しています。参加者の皆さんには、私のオバアのような悲しい思いをしてほしくないと願いながら心を込めてお話しました。皆さん、時折深くうなずきながらとても熱心に耳を傾けてくださいました。

本連載でも既にお伝えしている部分もありますが、軍用地を手放してしまう理由として「相続でもめて現金化」「相続税の納税資金不足」「相続した子の借金返済」などがあります。

相続で家族がもめてしまうと、財産の分け方が決まらず、相続税を大幅に抑えることができる「配偶者控除」が使えなくなってしまうケースもあります。
 また、共有名義にして問題を次の世代に押し付けることになったり、そのままでは分けられないからと先祖代々引き継いできた土地を売ってしまったりすることにもなりかねません。
 
亀島淳一氏=写真=が代表理事を務める全国幸せ相続計画ネットワークが読谷村で9月15日、軍用地相続に関するセミナーを開催した。軍用地相続でもめる原因や、もめないための対策についての説明に、熱心に耳を傾けていた


相続時は心境に変化?

なぜ相続でもめる事例が後を絶たないのか? 軍用地に限ったことではありませんが、大きな原因の一つに、財産を受け取る側の「漠然とした将来不安」があります。将来が見通しにくい今の時代にあって、子育て・教育資金や老後資金など「自分の家族に今後どれくらいのお金が必要なのか?」「自分はこの先どれくらいの収入を得られるのか?」など、漠然とした将来への不安を抱えている人は多いことでしょう。

いざ相続が起きて、分け合う財産を目の前にした時に、そういった漠然とした不安から「やっぱり少しでも多くもらっておきたい」という心理が働くのも当然と言えます。

生前は誰ももめるなんて思ってもいなかった家族でも、相続が起きた時、心境や考え方に変化が訪れることも少なくありません。

久保弁護士は「もめないと思っていたら、それは幻想です」と断言していました。私もそういった事例をたくさん見てきましたので、ぜひ皆さんにも1度考えてみてほしいと思っています。
 
【今回のポイント】
・自分が亡き後の対策ペットに使う事例も
・ほかの家族に内緒にしたりやみくもな信託は避けよう
・目的や内容を分析をした上で判断する専門家に相談しよう


次回も、その他のもめる原因や、もめないための考え方、鍵となる「相続サイクル」など、講演会で紹介した内容をお伝えしていきます。



全国幸せ相続計画ネットワーク



【執筆】
全国幸せ相続計画ネットワーク
共同代表・亀島淳一

士業(税理士、司法書士、弁護士)を中心に、全国の相続の専門家が集う組織。「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」という信念を持ち、「相続計画」という新しい考え方の普及・啓蒙活動を行っている。

相続相談窓口:電話=050・1809・0106
https://souzoku-planning.org/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2024号・2024年10月18日掲載

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