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2024年5月10日更新

相続登記 4月から義務化|増加する「所有者不明土地」 復興・公共事業の妨げにも[知っトク制度(35)]

今年4月1日から相続した不動産の登記が義務化され、相続人は3年以内に相続登記が必要となった。また、4月1日以前に不動産を相続した人も登記が義務づけられており、期限は2027年3月31日までとなっている。相続登記をしなかった場合は10万円以下の過料が科される可能性がある。

相続不動産
3年以内に登記が必須


相続登記 4月から義務化
増加する「所有者不明土地」 復興・公共事業の妨げにも

相続した不動産(土地、建物)の登記が2024年4月1日から義務化された。背景にあるのは登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」の増加だ。所有者を探すために多大な時間と費用がかかり、災害の復興事業や公共事業が進められないなど、円滑な土地の利活用が阻害されているという。

相続人は相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に、申請を法務局に行う=図1。「正当な理由」なく期限内に手続きをしなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性がある。また、24年4月1日より前に相続した不動産ついても、所有者は登記の義務がある。この場合、27年3月31日までに手続きしなければ、同様に過料が科される=表1。


 図1 相続登記の手続きの例 



 表1 相続した不動産登記の期限 



前述の「正当な理由」の例として、相続人が多いため、必要書類の収集に時間がかかってしまうことがあげられる。

こうした事態も想定し、「相続人申告登記」制度も新設された。自身が相続人だと証明できる戸籍謄本などを法務局に提出すれば、相続登記の義務を果たした扱いとなる。ただし、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりする際には、正式な相続登記が必要だ。



住所変更の登記も義務化

国土交通省が発表した22年度の調査結果によれば、「所有者不明土地」の割合は全国の土地の24%に相当する。原因の61%は相続登記が行われていないこと、35%は所有者が分かっても所在が不明なこと(住所変更登記の未了)が占めている。そのため、26年4月からは所有者の住所変更についても登記が義務化される。変更があった日から2年以内に申請。未申請だと5万円以下の過料が発生する。

法務省や法務局のホームページには相続登記に関するハンドブックが公開されている。「法定相続編」、「遺産分割協議編」などそれぞれの手続きを解説している。また必要に応じて、登記の専門家である司法書士に相談することも肝要だ。



POINTS

相続登記の義務化と合わせて、「相続人申告登記」制度 が新設された。簡易的な相続登記の扱いとなる。不動産 の売却をするためには正式な相続登記が必要

義務化の背景には「所有者不明土地」の増加がある

国土交通省によれば、「所有者不明土地」は国土の24% を占めているという。相続登記が行われて


編集/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2001号・2024年05月10日紙面から掲載

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