賃貸併設を平屋感覚で|(株)大知建設|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

お住まい拝見

2019年7月5日更新

賃貸併設を平屋感覚で|(株)大知建設

[お住まい拝見|築50年を建て替え]本島中部のIさん(49)は、築50年ほどの自宅を、2階に賃貸住宅がある鉄筋コンクリート造3階建てに建て替えた。1階駐車場と3階住居をつなぐエレベーターによって、家族はその間を平屋のように行き来する。


外観。Iさん宅は3階で、2階には2戸の賃貸住宅がある。設計時、夫人の「賃貸に住んでいたころ、自分も駐車場探しに苦労したから」という配慮により、賃貸者用の駐車場は2台分ずつ確保されている

 

大活躍の昇降機

Iさん宅
RC造/自由設計/家族3人
住宅街に建つIさん宅。本物の石のように凹凸のあるタイルが高級感を醸す玄関を抜けると、れんが調のアクセントクロスが印象的な約21.4帖のLDK。保育園帰りに毎日訪れる孫と遊んだり、間接照明だけの落ち着いた雰囲気の中で映画を楽しむ。


レンガ調のアクセントクロスが目を引くLDK。天井高は2.8メートルもあり開放的

そんな住まいがあるのは建物の3階部分。1階は駐車場、2階は賃貸住宅2室が併設されている。そのためIさん宅ではエレベーターが活躍する。夫人(49)は「重たい買い物袋を持っているときや、眠った孫を抱いているときなどは、とてもありがたいです」。


1階エレベーターホール。靴箱もあり、第2の玄関という印象。老後に備え、上がり框(かまち)にはほぼ段差がない

使い勝手◎の台所
約5年前、家族が暮らしていた平屋建ては築50年ほどが過ぎ、老朽化が進行していた。建て替えを検討し始めたが、夫婦で考えが異なっていた。

Iさんが求めたのは、広い作業場としても使えるピロティ式の駐車場。それに対し、夫人は「高齢になると階段は負担が大きい。実際、親が暮らす実家の2階はほとんど使われない状態」と平屋を求めた。

そんなとき、賃貸経営にも興味を持っていた夫婦はアパートの完成見学会を訪問。そこで出会った担当者に提案された「2階以上の建物でも平屋感覚で暮らせるエレベーター」「家賃収入でローンの一部をまかなう賃貸併設型」などを気に入り、建て替えることに。エレベーターは異なる主張の解決にも一役買った。

夫人がこだわったのは収納と掃除のしやすさ。特にキッチン周辺は、大きなパントリーや、幅2.8メートル、高さ2.5メートルのクローゼットがあるほか、ガラストップコンロや取り外して洗える換気扇などで手入れがラクにでき、お気に入りの空間となっている。


キッチン。掃除しやすいガラストップコンロや、傷が付きにくいセラミックの天板などで夫人のお気に入り。ヒヌカン用の掘り込みもある

幼い孫が毎日遊びに来ることもあり、「家中にいろいろ飾りたいけれど、今は何も置けない。でも掃除がしやすいのはいいかな」と前向きに捉えて笑う夫人。老後に安心感のある住まいで、孫の成長とともに、自分で増やした観葉植物を飾れる日が来ることを楽しみにしている。


ここがポイント
賃貸需要を市場調査 遮熱シートで涼しく
「ピロティ式の駐車場」と、「階段を上らなくてもいい平屋」で異なっていた夫婦の要望。大知建設営業部の中江源太課長は、「2人の意見を取り入れるため、エレベーターの導入を提案した」と話す。

さらに、ボリュームが大きくなる分、上がってしまう建築費を家賃収入でまかなえるよう、賃貸併設型を提案。「マーケティング調査をしたところ、小学校や幹線道路に近く、需要も見込めました」と話す。

採光や通風を考慮して、最上階の3階に住居を配置。気になる上からの熱には、遮熱シートで対策した。「宇宙服の素材にも使われており、熱のもととなる赤外線を99%反射する」と中江課長。四方の壁もそのシートで囲み、外からの熱の影響を受けにくくしている。

設備や建材は、グレードを上げて高級感を演出。例えば、キッチンの天板は熱に強く、傷も付きにくいセラミックに。防振ゴム付きの衝撃吸収材を配置した床下は「分譲マンションで使われることが多い『置き床工法』を採用しており、賃貸部分への音の影響を少なくした」。

一方、床材はワックス不要のもの、照明は埋め込み式のLEDなど、手入れの手間を軽減することにも配慮した。

そのほか、老後を見据えて、全体的にバリアフリー仕様で、高齢になると時間がかかるトイレは2カ所に設けた。ベランダは奥行き2.25メートルで、子ども用のビニールプールを広げられる広さも確保した。


3階エレベーターホール。横長の滑り出し窓は、外から見た時に室内の人影が見えにくく、雨でも開けやすい


おしゃれな照明でホテルのような寝室


3階玄関。「家の顔となる玄関が豪華だと、家全体が豪華に見えるから」と、クロスよりも高価な石張り風のタイルを採用した



浴室。大きな窓で湿気がこもらず、カビが生えにくい。窓の外にはコンクリートの壁があるので、人目も気にならない


[DATA]
家族構成 :夫婦、子ども
敷地面積 :321.33平方メートル(約97.2坪)
1階床面積:6.07平方メートル(約1.83坪)
3階床面積:105.29平方メートル(約31.85坪)
建ぺい率 :50.85%(許容60%)
容 積 率:88.35%(許容200%)
用途地域 :第一種住居地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート造ラーメン構造
設  計 :大知建設 (営業担当:中江源太)
構  造 :大知プラン
施工・電気・水道:(株)大知建設 松本
キッチン :(株)LIXIL 山﨑、宜野座



[問い合わせ先]
(株)大知建設
098-943-9843
daichi21.jp


撮影/比嘉秀明 編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1748号・2019年7月5日紙面から掲載

お住まい拝見

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
出嶋佳祐

これまでに書いた記事:65

編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

TOPへ戻る