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2018年9月14日更新

LDK共有の二世帯住宅|(有)門一級建築士事務所

[お住まい拝見・浴室・寝室のみ階で分ける]Mさん(29)宅は、親世帯とLDKを共有する二世帯住宅。家族9人が集うLDKは約45平方メートルと広々。浴室や寝室などプライベート空間だけを1・2階で分け、にぎやかに暮らす。


LDKから和室まで一体となるMさん宅の一階。2世帯で共有することや、来客も多いことから開放的な空間を希望。南側の庭に面した大開口も相まって、とても伸びやか
 

4世代が集う大空間

Mさん宅
RC造/自由設計/家族9人
ダイニングで2歳の孫におやつをあげるMさんの父親(63)。リビングのソファではMさんが0歳の娘をあやす。キッチンに立つ妻(28)や母親(64)。88歳の祖母も同居する。

二世帯住宅とはいえ、個室と浴室以外は共有。4世代、9人が集まるLDKはにぎやかだ。Mさんは「新築前から同居していたし、違和感はない。6歳から0歳まで子どもが4人いるし、助けてもらっています」と話す。

2世帯で共有する分、LDKは約45平方メートルと大きく取った。来客も多いことから「和室まで一体となる造りにしてもらった。たくさん人が来ても窮屈さはない」と満足げ。

LDKに面する南側の庭も約160平方メートルと広々。ビニールプールで遊んだり、バーベキューを楽しむ。1.8メートルの深い軒が影を作るデッキテラスは、バーカウンターに早変わりする。

外からの視線を気にせず遊べる庭は、前面道路より1メートル高い位置にある。敷地の傾斜を利用した高低差のおかげで、庭側からは1メートルの塀も道路側からは2メートル高さになる。開放感とプライバシーが両立した庭は、Mさんの父親の一番のお気に入りだ。


リビングからキッチンを望む。キッチンには天窓があるほか、東側の坪庭からも光が差し込み、家中がとても明るい



南側には約150平方メートルの庭がある。アウトドア好きなMさん家族の要望でデッキテラスも大きく取った。テラスの中央にある木の扉は深さ30センチほどの収納。わずかなスペースだが、ここにホースや小物を収納しているほか、配管や換気口など設備による凸も納め、タイル張りの外観をすっきり見せている


収納もたっぷりと
うるま市の住宅地に土地を購入したのは、「近くに姉家族が家を建てたから。そこのタイル張りの外観が気に入って、新築を検討していたわが家もこんなふうにしたい」と同じ建築士に依頼した。

大家族で住むにあたり、収納も細かく要望した。玄関横には大きなシューズクローゼット、アイランド型のキッチン背面には大きな収納棚。そしてキッチンの横、階段下の空間を利用してパントリーを設け、すっきりと暮らす。

取材時も、片付けに慌てることなく自然体のMさん一家。庭を望むダイニングの特等席にスッと誘導してくれ、「ゆっくりして下さいね」とMさんの母親。居心地よい集いの家がそこにあった。


2階の子ども室。中央に仕切りを設け、ゆくゆくは二部屋に分けられるようになっている。コストを考え、各個室は箱型のシンプルな形


ここがポイント
引き戸で空間コントロール

開放的で、家中が驚くほど明るいMさん宅。南側に広い庭と大開口が設けられた立地の良さに加え、随所の工夫で長所をより引き立てた。設計を手掛けたのは門一級建築士事務所の金城豊さん。

LDKが約45平方メートルもあるMさん宅では、南側の開口だけでは光が行き届かない場所も出てくる。「一番北側にあるキッチンは、天窓を設けて採光を確保。さらにキッチンの東側には坪庭を設けた」。この坪庭は、LDKや玄関ホールはもちろん、LDKから個室へ続く廊下の直線上にあり、廊下の奥まで光と伸びやかさを届ける=下写真。


個室やトイレ、浴室につながる1階の廊下。暗くなりがちな廊下だが、直線上にある坪庭から光が差し、視線も坪庭へ抜けるので窮屈さもない

開放感とプライバシーの両立には、引き戸を多用。Mさん宅はLDKと廊下の間をはじめ、ほぼすべてが引き戸。「一体的な空間を要望していたので、普段は開け放しておくことを想定し、ドアではなく引き戸にした」。来客時だけ閉じて目隠しする。戸は壁内に設けた戸袋に納められるようにし、オープンにしても動線の邪魔にならないよう配慮した。

外観にもさまざまな工夫が光る。Mさんの希望でタイル張りの外観にしたことから、「デザイン性を生かすため、配管や換気口など設備による凸を収納の中に隠した」。

また、庭や建物が大きい分、地域に与える影響も考慮。「道路側は10台分の駐車場を設け、建物や塀を道路から遠ざけることで圧迫感を軽減した」と話す。人が集まることの多いMさん宅では、広い駐車場は必須。見た目と機能を両立させた。


前面道路から見たMさん宅。10台分の駐車場がクッションとなり、高い塀の圧迫感を軽減。外側から見ると約2メートルの目隠し塀だが、庭から見ると1メートルほど。敷地奥から前面道路まで1メートルあった傾斜を利用して、庭を道路より高い場所に設けプライバシーと開放感を両立した


[DATA]

家族構成:Mさん夫婦、子4人、 親夫婦、祖母
敷地面積:327.00平方メートル(約98.91坪)
1階床面積:161.78平方メートル(約48.93坪)
2階床面積:66.37平方メートル(約20.08坪)
建ぺい率 :46.22%(許容50%)
容 積 率:58.02%(許容100%)
用途地域 :第一種低層住居専用地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート造壁式構造
設  計 :(有)門一級建築士事務所 金城豊、與儀拓也(現Studio Clamp)
構  造 :建築設計 明
施  工 :(有)クリエイト技研
電  気 :(有)糸洲電気工事社
水  道 :(有)山商
ガ  ス :(有)クリーンガス

[問い合わせ先]
(有)門一級建築士事務所 098-888-2401 
 Studio Clamp 090-2500-3811


撮影/泉公(ララフィルム) 編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1706号・2018年9月14日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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