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お住まい拝見

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2018年7月27日更新

緑楽しむ2世帯住宅|(株)東設計工房

[お住まい拝見・RC+木造屋根 独立型の平屋]コンクリート打ち放しの壁に、赤瓦をのせた木造の屋根。緑豊かな庭を生かし、開放的な2世帯住宅を建てたAさん。完全独立型の平屋で、親子が気兼ねなく暮らす。


庭とつながり開放的なAさん世帯のリビングダイニング。コンクリート打ち放しの空間も、木造小屋組の天井とスギ板の床で温かみのある印象に。中庭を挟んだ先に親世帯が建つ

 

シンプルに 気兼ねなく

Aさん宅
混構造/自由設計/家族5人

与那原町の住宅地。木々に囲まれた広い敷地に、コンクリート打ち放しの壁と赤瓦屋根の組み合わせが目をひく2棟の住宅が並ぶ。中庭を目隠しするように設けた木製ルーバーが印象的なエントランスを挟んで、北側にAさん世帯、南側に親世帯がある。
「恵まれた敷地を最大限に利用し、両世帯ともシンプルな平屋建てに。どこからでも緑が見える造りにしてもらいました」とAさん。長女の小学校入学に合わせて実家を建て替え、両親と暮らすことにした。
Aさん宅も親世帯も、南側に設けた庭に面して大きく開く造り。木造小屋組の屋根をかけたLDKは天井が高く、庭と一体的につながり開放的だ。Aさん宅では、床材に足ざわりの柔らかいスギ板を使用。木造の天井と相まって、ナチュラルで温かみのある空間を作り出している。
夫人のお気に入りは、キッチン西側に続く物干し場。「サンルームになっているので、天気を気にせず干せます。床下収納もあって、大物や季節物の保管に重宝しています」。
リビングダイニングからキッチン、物干し場、水回りへ回遊できる間取りになっているため、「家事がすごく楽になりました」と喜ぶ。

 

赤瓦にこだわり

「実家の近くに赤瓦がのったいい雰囲気の郵便局があって、家を建てるなら赤瓦を使いたいと思っていました」と夫人。建築展で、赤瓦を用いた混構造という理想通りの住宅を手掛ける建築士事務所に出合い、すぐに設計を依頼した。「計画を話したらお義母さんも赤瓦が好きだと分かり意気投合。お義母さんの助言もあり、お互いが気兼ねなく過ごせる造りを大事にしました」。
もともと人の集まる機会が多い家。「友人もより呼びやすくなりました。娘も同じ年頃のいとこがよく遊びに来るので、とても楽しそう」とAさん。
庭いじりが大好きなAさんの両親は、植栽の手入れに余念がない。母親は、「孫たちは庭でドッジボールをしたり、石製のテーブルで宿題をしたり。新しい絆が生まれているのがうれしい」と目を細めた。



ダイニングから玄関側を見る。リビング脇には子ども室を配置。写真右手に見える木製ルーバーで、中庭とエントランスを仕切る


ルーバーが印象的なエントランス。写真右手がAさん宅の玄関((株)東設計工房提供)


東側の外観。コンクリート打ち放しの外壁に赤瓦屋根、豊かな植栽が心地よい景観を演出する。赤瓦は町内の工房製



ここがポイント
庭が生む程よい距離感


ビビッドなオレンジ色のパネルが華やかな対面式キッチン。背後の小窓からは緑も見える。奥には物干し場が続く

敷地は東側に前面道路があり、南北には隣家、西に大きなマンションが建つ。親世帯と子世帯、2棟の平屋を計画するにあたり、建築士の久高多美子さんは、「両世帯のプライバシーを確保しながら、庭とのつながりで一体感と開放感を生む造り」を重視した。
まず建物は、中庭を挟んで平行に配置。それぞれ南側にある庭に向けてリビング・ダイニングを設け、大きく開いた。庭から両世帯へ行き来でき、子世帯は西側に少しずらして建てることで、親世帯に遮られることなく南風も取り込める。
敷地にはもともと、フクギやクロキ、ヤシの木などがうっそうと茂っていた。建て替えにあたり、残す樹木を厳選。建築後、家の各所から緑が楽しめるように植え直し、室内外の一体感と開放感を高めた。
地盤は、建物を支えるための硬い層が地下1メートル程度にあったため、建物の床下を約1メートルと深く取り、ベタ基礎を採用。「平屋は荷重が少ないので、ベタ基礎にすることで杭打ちなどの地盤補強は不要。コストダウンに」。深い床下を利用し、物干し場には床下収納も設けた(断面図参照)。
また、前面道路が南から北へ緩やかに下っていることから、駐車場は道路レベルに合わせて北側の端に配置。住宅と道路とは約1メートルの高低差があるため、高齢になっても負担がなく、車イスでの出入りも考慮しスロープを設けた。


親世帯

寝室。窓越しに見える庭の鮮やかな緑が、まるで絵画のようで癒やされる


親世帯の和室とLDK。夫婦で手入れを楽しむ庭が一面に広がる。「庭木を整理したら山の借景も生まれ、前の家より広く感じるから不思議」と母親





 

[DATA]

家族構成 :夫婦、子ども1人【子世帯】
      夫婦【親世帯】
敷地面積 :715.37平方メートル(216.40坪)
1階床面積:216.33平方メートル(65.44坪)
      子世帯:86.84平方メートル(26.27坪)
      親世帯:81.05平方メートル(24.52坪)
      駐車場他:48.44平方メートル(14.65坪)
建ぺい率 :31.2%(許容60%)
容 積 率:25.43%(許容200%)
用途地域 :第1種中高層住居専用地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート造+木造小屋組(混構造)
設  計 :(株)東設計工房 山城東雄、久高多美子
構  造 :(株)東設計工房 山城浩二
施  工 :米元建設工業(株)金城明樹
電  気 :日伸電設
水  道 :(有)ライフ工業



[設計・問い合わせ先]

(株)東設計工房
098-917-5000
http://www.azumas.com/



お住まい拝見|暮らし方いろいろ!住まいの事例集!|沖縄


撮影/比嘉秀明 ライター/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1699号・2018年7月27日紙面から掲載

この記事のキュレーター

キュレーター
比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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