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お住まい拝見

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2017年12月1日更新

内外つながる2階LDK|建築設計工房paraya

[お住まい拝見・吹き抜けから家族の気配]名護市のNさん宅は鉄筋コンクリート造2階建て。デッキと一体化する開放的な2階リビングに友人が集まり、吹き抜けからは1階で過ごす家族の声が聞こえてくる。


2階リビング。広さ12畳、天井の最大高さ2.8メートル、幅5.3メートルの開口部と、どれも大きくて広々。リビングとデッキを一体化させることで、より開放感が増す
 

空間区切る吹き抜け

Nさん宅
RC造/自由設計/家族3人

商業施設が立ち並ぶ国道近くの住宅街。そこに浮かぶ円柱のようなシルエット。Nさん宅の玄関はその内側、曲線を描きながら2階へと続く階段の先にある。

玄関を抜け、約12畳のリビングに入ると、正面にやんばるの山々を望む幅5.3メートルの引き込み窓があり、一気に視界が開ける。窓を開け放てば幅12メートルのデッキと一体化。実際の面積より広く感じるリビングに南風が吹き抜けていく。

デッキでは、休日に家族でランチ、友人や親戚を呼んでバーベキューを楽しむこともある。「汚しても気にならないし、開放的でのんびりできる」とNさん。長女も「友だちがたくさん来るようになって楽しい」とうれしそう。

リビングと、キッチン・ダイニングとの間にあるのは、1階プレイコーナーとつながる吹き抜け。1階で長女がNさんにひらがなの書き方を教わる声や気配が、吹き抜けを通り、2階キッチンで作業する夫人へと伝わる。「1階の様子がよく分かる。吹き抜けは2階の空間も区切れるので、玄関とリビングさえ片付いていたら人を呼べる」と夫人。


1階プレイコーナーから見た吹き抜け。吹き抜けの周りは、手すりの下部分を透明のガラスにしているため、2階からの光が1階まで届くほか、家族の様子も分かりやすい。床や天井、建具など、使用する木材は違うが色を合わせることで統一感を出している

 

お風呂で聞く音楽

子どもが生まれ、家づくりを考え始めた夫妻。夫人が名護市で自営業をしていたことなどから、本島北部で土地を求めた。夫人と仕事上のつながりがある建築士に依頼した。

共働きの夫妻が要望したのは家事のしやすさ。建築士は、物干しデッキから家事室、クローゼット、浴室までの動線を短くしたほか、キッチンのパントリーなど随所に大きな収納を設けた。夫人は「各階がフラットで掃除もしやすい。夫も窓拭きしたり掃除機をかけるようになった」と喜ぶ。

浴室には、何か作業する時に音楽やラジオを聞くNさんのためにスピーカーを設置。野球のナイター放送だけでなく、長女が好きな音楽や、お遊戯会の練習曲が流れることもしばしば。Nさんは「おかげで娘もお風呂が大好きになったみたい」と、温かい笑顔で語った。


1階寝室。床だけでなく、壁にもスギを使って落ち着いた雰囲気



ここがポイント
閉じつつ開く曲面の外壁


2階デッキとリビング。デッキはメンテナンスが楽になるよう、腐りにくいセランガンバツを使っている


住宅街の角地に建つNさん宅。2方向に隣家が近接し、車や人の往来もある。建築士の島袋勝也さんは「外からの視線が気にならないよう、普段いることの多いLDKは2階に配置。しかし閉鎖的にしないため、広いデッキと大きな開口を設け、外部とのつながりも意識した」と話す。南側の隣家は平屋で、1メートルほど低い位置にあるため、2階からの眺望も確保できた。

道路に面した部分は、曲面壁にすることで周囲への威圧感を軽減。内側は壁に囲まれているものの、アプローチ沿いの屋根のない吹き抜けや、北西面のスクリーンブロックなどで、閉じつつ開く工夫をしている。

風通しにも配慮。「1階で暖まった空気は、LDKの吹き抜けを伝って2階に上がり、2階の大開口で取り込まれた風と一緒にスクリーンブロックからスムーズに抜けていく」。

LDKの吹き抜けは、視線の抜けを考慮し、2面にガラス、1面にルーバーを採用。残る1面のコンクリート壁は、リビングと、ダイニング・キッチンとの仕切りとした。「コンクリート壁は、外壁に施すような凹凸の出る仕上げにして、壁の素材感に変化を与えた」。

そのほか、ひさしや廊下の天井は2.3メートルと低くする一方で、LDKは2.8メートルと高くし、高さにメリハリをつけて開放感を演出。デッキやテラスを使って回遊できる造りで、室内外の移動もしやすくした。


2階のスクリーンブロックが印象的な外観。角地にあるため、車や歩行者に威圧感を与えないよう円柱のような形をしている


窓から光が入って明るい1階浴室。スマートフォンの音楽を無線で飛ばし、天井の左奥にあるスピーカーから音を出す。スピーカーは船用なのでさびることもない/写真左。階段のアプローチと2階玄関。壁に囲まれているが、吹き抜けから空が見えて開放的/写真右


[DATA]
家族構成 :夫婦、子ども1人
敷地面積 :218.93平方メートル(約66.22坪)
1階床面積:95.59平方メートル(約28.91坪)
2階床面積:91.92平方メートル(約27.8坪)
建ぺい率 :57.08%(許容60%)
容 積 率:85.64%(許容200%)
用途地域 :未指定地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート壁式構造
設  計 :建築設計工房paraya 島袋勝也
構  造 :建築設計 庵
施  工 :(有)山口建設 上原淳也
電気・水道:北部設備サービス 具志堅勝



[問い合わせ先]
建築設計工房paraya
0980-56-2955
http://www.paraya-architect.com/


撮影/矢嶋健吾 編集/出嶋佳祐​
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1665号・2017年12月1日紙面から掲載

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「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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