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2016年12月23日更新

家族の気配どこでも|久友設計(株)

新崎さん(45)宅は、四つのフロアを階段状に並べた平屋建て。南北に細長く、傾斜もある地形に合わせて建てることで、家族の気配を感じながら趣味も楽しめる空間が生まれた。

傾斜地生かし、フロア階段状に

新崎さん宅  RC造/自由設計/家族4人

ホームテラスに面した1階のLDK。向かい合う子ども室や屋上のルーフテラスにも目が届き、家族の気配を常に感じられる。キッチンは扉付き収納でスッキリ


趣味、だんらん存分に
沖縄本島中部、うるま市内の高台に建つ新崎さん宅。「静かでスーパーや病院なども近くにあり、子育てするにはいい環境だったので、父が所有する土地を譲り受けたんです」と新崎さん。
しかし、その土地は南北に細長く、ナイフの刃先のような形である上、北から南へゆるやかに傾斜する変形地。北、西2面を道路に接するが、西側道路からは1メートル余り高い。「シンプルな造りで、白が基調のモダンな家」が理想だった新崎さん。数社に相談した結果、同じ市内にあり、好みの物件を手掛ける建築士事務所に設計を依頼した。
提案されたのは、敷地の傾斜に沿って、居室を階段状に配置するプラン。「最初のスケッチを見て衝撃を受けました。ほかで提案のあった盛り土やよう壁の整備もいらず、予算も間取りも理想的でした」。

家事もしやすく
道路に面した北側から、水回りとLDK、ホームテラス、子ども室、寝室の四つの空間が段々に連なる間取り。玄関を入ってまず目を留めたのは、新崎さん愛用のバイク! ガラス張りのホビールームは駐車場から直接出入りができ、「バイクの盗難やサビの心配から開放されました」とうれしそう。
ホームテラスに面したLDKは明るく開放的。「道路や隣家からの視線が気にならないので、カーテンいらず。風も通るのでエアコンもほとんど使いません」と夫人(44)。LDKからは、テラス越しに子ども室も見える。「家事をしていても子どもの様子が分かるから安心。キッチンから家事室、物干しへ行き来できる家事動線の良さも気に入っています」。
家族のお気に入りは、子ども室屋上のルーフテラス。「天気のいい日は知念半島や久高島まで見える。星を見ながら晩酌するのも楽しみ」。住み始めてからガーデニングに興味が出たという新崎さんは、「シンボルツリーを検討中。好きなプルメリアも育てたい」と思いを巡らせた。


ホームテラス側からリビングダイニングを見る。東側=写真右手=に設けられた小上がりの和室では、夫人や長女が書道を楽しむ


玄関脇にあるガラス張りのホビールームでは、新崎さん愛用のバイクが存在感を放つ。壁にはギターなどもきれいにディスプレーされている


シックにしつらえた洗面室と浴室。坪庭に面した浴室は、大きな外倒し窓を開ければ湿気もこもらない。中央奥のスペースは家事室


ここがポイント
地形に沿って床高変え

北から南へ傾斜のある変形地。北と西は道路に面し、東側には住宅が近接することから、プライバシーを確保しながら、屋外とのつながりをどう保つかが課題となった。
夫妻の希望は「趣味を生かしながら、家族の気配が常に感じられる家」。建築士の久田友一さん、三井康介さんは、敷地の形状に沿って四つのフロアを地盤面の高さを変えてつなげるプランを提案した。
「盛り土やよう壁の設置などの敷地整備が不要になり、建物そのものに費用をかけることができます」と久田さん。
北側の道路の高さから床高を60~80センチずつ下げてLDK、ホームテラス、子ども室、寝室を配置。階段状にすることで、一体感をもたせながら光と風を取り込むだけでなく、テラスを挟んでゆるやかに公私の空間も分けた。
外壁の形状、配置にも工夫がある。西側は、道路からの視線と西日を遮るため開口部は最小限に。4枚の壁を少しずつずらすように配置し、生まれたスリットからも光と風を取り込む。また、道路からの高さを利用して、「外壁に塀の役割も持たせる造りにしたことで、外溝費も抑えられた」。
間取りの構成上、建物の長さが南北で約20メートルに及ぶことから、地震の揺れによる躯体への影響にも配慮。テラスを境に建物の構造を二つに分けることで、ひび割れを防げるよう工夫した。


鉢植えが緑を茂らせるホームテラスは、家族でバーベキューをしたりと第2のリビングとして活躍する。壁際の階段を上った先は子ども室屋上のルーフテラス。中城湾を一望する眺めと心地よい風が気持ちよく、晩酌や運動をするのにうってつけ


リビングから約80センチ下がった、子ども室へ向かう廊下には、カウンターと本棚を造り付け、家族共有の学習スペースを設けた


南側の端にある寝室。掃き出し窓を開ければ庭だが、外壁が目隠しとなり視線も気にならない


西側の外観。スリットを入れ、少しずつずらしながら設けた外壁は西日と道路からの視線を遮るだけでなく、塀の役割も担う

[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:381.13㎡(約115.29坪)
1階床面積:133.51㎡(約40.38坪)
建ぺい率:39.25%(許容50%) 容積率:35.03%(許容100%)
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造壁式構造
設 計:久友設計(株) 久田友一、三井康介
構 造:(株)田中構造設計
施 工:(有)三成工業
電 気:仲村商店
水 道:(有)協進
[設計・問い合わせ先]
久友設計(株)
098-974-4327
http://www.hisatomo‐p.com
写真/高野生優/フォトアートたかの撮影  編集/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1616号・2016年12月23日紙面から掲載
 

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住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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