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2016年5月13日更新

親も子も伸び伸び|(株)琉球住樂

池原さん一家の住まいは、沖縄県本島中部に建つ木造吹き抜けの2階建て。姉妹は家中で遊び、夫妻は趣味や友人家族とのバーベキューを楽しむなど、伸び伸び過ごす。

気配伝える木造吹き抜け

池原さん宅  木造/自由設計/家族5人


1階リビング。吹き抜けと仕切りのない造りで広々。家族の気配も伝える気配伝える


趣味も集いも満喫  家中見渡せ安心

玄関に入ると木の香りが出迎えてくれる池原さん宅。柱や梁があらわになった吹き抜けのリビングダイニングは開放感たっぷりだ。その吹き抜けを中心に、1階にLDKと和室、水回り、夫妻の寝室を、2階には子ども部屋を設けた。

「いつも家族の気配を感じたい」との夫妻の希望どおり、1階は水回りと寝室以外は仕切りがなく、キッチンから家中が見渡せる造り。夫人は「子どもたちが庭で遊んでいても2階にいても安心」と喜ぶ。

友人宅で見て要望したというアイランドキッチンもお気に入り。「ママ友が家族で遊びに来る時も、みんなで囲めて便利。女性はキッチン周り、男性陣は縁側や庭に集まって、子どもたちは2階で走り回ってます」と楽しげだ。

池原さんが外せなかったのは、趣味のボルダリングのトレーニングスペース。「アパート時代はベランダに設けて練習していたので、家を造るなら専用スペースが欲しかった」。そこで室内には階段横の壁を利用し、子どもたちの遊び場にもなるスペースを設置。自身のトレーニングスペースも敷地の一角に手作りした。
 


夏も涼しい室内

アパート暮らしだった一家が両親から敷地を譲り受け、家を建てるのを決めたのは3年ほど前。池原さんは「昔から木が好き。温かみがあるし、落ち着くしね」と木造を手掛ける建築士に依頼した。

住み始めて1年余。夫妻は「風通しが良く、夏でも外より家の中の方が涼しいくらい」と快適さを実感。暗くなりがちな吹き抜け上部には、建築士の勧めもあって自然光で室内を照らす太陽光照明システムを設置した。

「アパート時代は子どもがケンカしたり、夜、洗濯するのも気になっていた」夫人だが、今では20〜30人集まることも。池原さんも「家で過ごすことが増えた」と満足げだ。3人姉妹は友だちと水遊び。家族みんなが、わが家での暮らしを満喫中だ。

リビングからダイニングとキッチンを見る。写真左手の壁には黒板を設置し、学校の書類を貼り付けたり伝言板代わりに


1階の玄関。一度に大勢が訪れても十分な広さ。木の手すりも空間のアクセントに


階段横の壁を利用したボルダリングスペース。カラフルなクライミングウォールは室内のアクセントにも


玄関側から吹き抜けを見上げる。中央の太陽光照明「スカイライトチューブ」で明るさは十分。2階の子ども部屋にはLDKを通り行き来する。階段脇のデッドスペースには池原さんの書斎も設けた


1階玄関隣のワークスペース。キッチンから目が届き安心。子どもが巣立った後は、夫妻の趣味スペースにも活用できる


2階ホール。屋根裏は収納スペースとして活用。左手奥に見える吹き抜け上部には、六つの窓を設置。熱を逃がし風を通す


外観。琉球石灰岩の石積みやヒンプン、赤瓦屋根が、昔のウチナー家を思わせる
 

ここがポイント
東に開き風呼ぶ 安心で楽な動線

池原さん宅で快適さを生み出しているポイントは二つ。一つは建物の配置だ。敷地の南と東は道路に面していたこと、また敷地の広さも十分だったことから建物は北西寄りに配置。設計を手掛けた伊良皆盛栄さんは「こうすることで庭も十分取れる上、将来、子どもたちが家を建てることも可能。住まいは東に開き、南東の十字路から吹く風を取り込んだ」と説明する。
家の顔となる南側アプローチや庭のある東側は琉球石灰岩を積み、敷地内にあったクロキを移植。景観に配慮し、月日がたつごとに増す味わいも楽しめるようデザインされている。

二つ目は、共働きでも家事が楽に安心してできる動線計画。北西側に水回りをまとめ、寝室や屋根付き物干し場と回遊できる造りにした。「帰宅後は洗濯物をそのまま寝室へ取り込めるし、夕食の支度をしながら洗濯も可能」。キッチンに居ながら子どもたちに目が届くよう、1階は個室以外は仕切りを作らず、脇には宿題をしたり学校の準備ができるワークスペースも設けた。


[DATA]
家族構成 :夫婦、子ども3人
敷地面積 :652.06平方メートル(約197.25坪)
1階床面積:104.01平方メートル(約31.46坪)
2階床面積:51.37平方メートル(約15.54坪)
建ぺい率 :17.60%(許容60%)
容 積 率:23.82%(許容200%)
用途地域 :準住居専用地域、
第二種中高層住居専用地域
躯体構造 :木造
設計・施工:(株)琉球住樂 伊良皆盛栄
電 気 :テルヤ電業
水 道 :(有)海西工業
大 工 :大友内装、孝技建
屋 根 :(有)八幡瓦工場
左 官 :(有)仲松左官工業
外部建具 :樹脂サッシ(株)エクセル シャノン
内部建具 :(有)照屋木工所
外 構 :金勢造園

[設計・問い合わせ先]
(株)琉球住樂
電話 098-852-6936
http://10raku.co.jp
比嘉秀明/撮影
徳正美/編集
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1584号・2016年5月13日紙面から掲載

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