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2016年12月2日更新

キッチン中心で楽しく!|(有)武一建設

海外暮らしで「キッチン中心の家は楽しい!」と感じた伊波克典さん(43)。沖縄本島中部の実家隣に新築した平屋は、夫婦や親子の触れ合い、団らん、もてなしまで、家族と暮らしの中心にキッチンがある。

触れ合い・団らん・もてなしも 

伊波克典さん宅 RC造/自由設計/家族5人

リビングの天井高は2・9メートル。LDKは伊波さんが「実際の建坪より広く感じる」と喜ぶほど開放的だ。オープンなアイランドキッチンには自然と家族が集まってくる


家族がいつも身近に
「カリフォルニアに住んでいた時のこと。友人宅に招かれ、いろんな国の仲間とパスタを作りながらキッチンを囲み、ワイワイ友だちになれたのが衝撃でした」と伊波さん。それまでの「家の隅で女性が家事をする所」とのキッチンのイメージは一転。結婚後、新築するにあたっては、庭や空が見える開放的なアイランドキッチンを家の中心に据えた。
特にこだわったのは家族の距離感だ。「うちはみんな妻のあかねが大好き。私も仕事柄、書斎にこもって作業するので一息つく際は話し相手になってほしいし、3人の子どもたちにはいつも母親を近くに感じてもらいたくて」。キッチンを玄関の正面に設けたり、リビングダイニングや子ども部屋がキッチンとダイレクトにつながるのはそのためだ。
「オープン過ぎない? と言われますが、収納もたっぷりあるので気にならない」とあかねさん。「思春期を迎えた上の子どもたちも、キッチンで妻とよく話してます。この間は友だちを呼んでたこやきパーティーも楽しんでました」と伊波さんもうれしそう。
あかねさんのための裁縫室も、家族に近いダイニング横に。「アパート時代は食卓で縫っていたので出したり片付けたり。今は出しっぱなしにしておけるのがいい。カーテン類や子どものベッドに飾るこいのぼりも作りました」と満面の笑みを浮かべた。

過程も存分に楽しむ
家づくりの過程も楽しんだ夫妻。「バニラアイスのようにおいしそうな色合いやアーチなど優しい雰囲気」が気に入った建築会社に依頼。毎日現場に通い、写真を撮った。「妻と趣味が同じなのも発見だったし、建築士や職人さんも良くしてくれて。完成した時は寂しかったくらい」と伊波さん。
「立ち座りしやすいように」と背の高い輸入家具を入れたLDKは、「気持ちいいほど天井が高く開放的!」。回遊できる造りもお気に入りで「人も空気も循環できるのがいい。夏も扇風機で十分」と喜ぶ。
「アメリカの同僚が遊びに来たら、今度は私がもてなす番!」。家族の距離を縮め、仲間との輪をつなぐ―。キッチンから楽しい暮らしが広がっている。 



玄関側から見た室内。帰宅した子どもたちはキッチンを通り左手正面の自室へ。子どもの気配が伝わるよう、引き戸上部はガラスをはめ込んだ


玄関ホール。写真左手はキッチン、正面はリビングへ。アイアンでデザインを施した明かり取り窓や照明がアクセントに


外観。右手前の曲線壁やポーチのアーチがアクセント。右手の前面道路との間には庭が設けられている


ここがポイント
オープンと快適 生活感隠し両立

家の中で生活感が出やすい場所の一つがキッチン。伊波さん宅では食事を作るための機能性はもちろん、夫婦や親子、家族の会話が弾み、来客が気兼ねなく集えるオープンでくつろげる雰囲気づくりが求められた。「そのためには雑多な物が目に付かないことが重要。必要な物を必要な場所に収めておけるよう随所に収納を設けました」と建築士の末松渚さんは説明する。
キッチンは大勢で囲めるアイランド型。手持ちの家電やゴミ箱までが収められ好きな食器類が映えるようにと、飾り棚兼収納棚を造り付け、白で統一した。コンロの真後ろには、ストック品や調味料類を整理しておける食品庫も設けられているが、閉じればそれとはまったく気付かない。さらにダイニングで使うものはキッチンカウンターの前面に、子どものおもちゃ類はリビングの収納に収めておけるためLDKはスッキリ。広々としたキッチンにはあかねさんお手製の雑貨類やミニ観葉が映え、カフェのカウンターのよう。
洗濯などの家事は裏手でできるよう、キッチンとはスペースを分けているのもポイント。洗濯乾燥機置き場と家事台、家族の衣類をまとめて収納できるウオークインクロゼットが一カ所にまとまっているため、洗ってからしまうまでの一連の作業もスムーズだ。
そのほか自宅で仕事をする伊波さんの要望もあり、書斎はリビングや寝室とは離して設置。「気持ちも切り替えやすいし、夜中の作業も気兼ねなくできる」と伊波さん。
末松さんは「人との快適なつながり方、過ごし方は家族で違う。引っ越されて間もないですが、一家に住まいがなじんでいるようでうれしい」と話した。


ピンクの壁がかわいらしい裁縫室。造り付けの作業台の上には作った品を飾っておけるよう細かく穴をあけた飾りボードを設置。作業台左手には、ミシン糸を差し込んで収納できインテリアにもなる建築士お手製の収納ボードも


書斎側から水回りを見る。トップライトから差し込む光で「ほとんど電気は使わない」と夫妻が口をそろえるほど明るい水回り。洗面台の下は市販の収納グッズで仕切って使えるようオープンに


ダイニング側から見たキッチンの造り付け収納。左手は夫妻が「駄菓子屋さんみたい」と笑うほど食品類をたっぷり整理しておける食品庫。料理の際は調味料もここからサッと取り出せて便利


書斎。伊波さんが仕事で使うため壁一面を黒板に。下は末の子がお絵かきを楽しむ。幅広の机や低めの本棚が図書館のよう

[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:231.42㎡(約70.13坪)
1階床面積:115.62㎡(約35坪)
建ぺい率:49.97%(許容50%) 容積率:49.97%(許容100%)
用途地域:第一種低層住居地域
躯体構造:鉄筋コンクリート壁式造
設  計:(有)武一建設 末松渚
施  工:(有)武一建設

[設計・問い合わせ先]
(有)武一建設
 098-965-3001
 takeichikensetsu.com
写真/比嘉秀明撮影  編集/徳正美
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1613号・2016年12月2日紙面から掲載
 

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