中古住宅に住み替え

築50年余りの外人住宅

Oさん夫妻宅（宜野湾市）

グリーンに塗った床が印象的なリビング。仕切り壁を取り払った部分にオープン棚を造作し、奥の来客をもてなすスペースと空間分けした

Ｏさん宅は、宜野湾市の高台にある築５０余年の外人住宅。１６年暮らした分譲マンションから住み替えた。「立地や眺めの良さ、大きさや予算を考えると理想的な物件。見学した日に即決しました」とＯさん。
室内は３ＬＤＫを２ＬＤＫにリフォーム。ひときわ目を引くグリーンの床は、もともとのヒノキの床材を生かし、塗り替えた。
「人が集ってくれる家にしたい」と、リビングの一角を造作した飾り棚で仕切り、来客をもてなすスペースに。壁に沿って造り付けたベンチシートには、十数人が座れる。
室内のデザインや色合いは夫婦で考え、設備や建材もデザイン性と使い勝手、費用を踏まえて一つひとつ選んだ。
「手作り感のある素朴な風合いが好み。イメージに近い写真などを大工さんに見てもらい、アドバイスもいただきながら造ってもらいました」と夫人。お気に入りのキッチンは、業務用のコンロにホーロー製のシンク、ブリキ製の換気扇と、選んだパーツを組み合わせ、タイル張りで仕上げてもらった。「時間はかかったけど楽しかった」と笑う。

庭づくり楽しみに
「家探しは趣味に近い。空き物件を見つけては、見学させてもらっていましたね。一戸建てに住みたくて」と、夫人は笑う。住み替えのきっかけは、レストランを営む夫人の店舗を兼ねた住居探し。理想の物件が見つからず断念したが、「今後の暮らし方も考えて、住まい探しに切り替えました」とＯさんは話す。
購入したのは建物のみで、敷地は借地。「不動産については素人なので、司法書士を通して書面できちんと契約しました」。借地料は、以前住んでいたマンションの管理費と同程度。マンションは賃貸に出した。
購入時に見られた内外壁のひびはすべて補修し、配水管や電気配線も新しく取り換えた。「予定より費用はかかったけど、長く安心して住める」。
夫婦の楽しみは庭づくり。夫人は一角で野菜を育てる。
「子どものころからマンション住まいだったので、これまで植物と触れ合う機会はなかった。庭づくりは日々勉強。少しずつ形にしていければ」とＯさん。新たな暮らしを楽しんでいる。 


来客用スペース。以前の床材を利用して作ったテーブルを囲むように、コの字にベンチシートを造り付けた。ベンチシートの下は収納になっている


キッチン。床を板張りに替え、壁はタイルの２色使いで仕上げた。左の壁に造り付けられた棚には、食器を飾るように収納している


浴室は好みのタイル、シャワーヘッドなどに替え、猫足のバスタブを入れた


 コストを考える 
◆借地で固定資産税軽減
Oさん宅がある敷地は借地。借地料は、以前に住んでいたマンションで支払っていた管理費と同程度の金額。建物は築５０年余りで約２３坪ということで、固定資産税は以前の１２分の１に減ったという。夫人は「借地だと土地に縛られず、暮らし方に合わせて住み替えもしやすいように感じます」と話す。「契約後のトラブルを防ぐためにも、専門家の手を借りるのが大事」とOさん。不動産会社、地主、銀行との契約は、司法書士を通して交わした。
◆自ら設備・建材選び、作業も
設備・建材選びは自分たちの手で。浴室やキッチンの照明器具は、屋外用のものを利用することで費用を抑えながら、デザイン性も備えた。テーブルや棚など、できる部分は自分たちでペイントもした。「コストも抑えられるだけでなく、いい思い出にもなります」と夫人。
夫婦で楽しみながら手づくりする庭。一角には菜園を設け、夫人が野菜を育てる

［DATA］
家族構成：夫婦、猫１匹
敷地面積：363㎡（約110坪）
1階床面積：75．86㎡（約22．94坪）
躯体構造：鉄筋コンクリート造
リフォーム：上間内装

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編　集／比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞　第1556号・2015年10月30日紙面から掲載