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お住まい拝見

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2025年9月5日更新

[お住まい拝見]光と緑に癒やされて|サイアスホーム(株)

[旗竿×変形の土地をフル活用]
Yさん(34)宅が建つのは南風原町の住宅地。旗竿に変形した土地をムダなく生かし、天然素材にこだわって建てた平屋は緑の借景と、たっぷり入る陽光が気持ちのいい空間だ。


庭に面したLDK。床材は無塗装の無垢(むく)材・インドネシア松、壁は漆喰(しっくい)で仕上げたナチュラルな空間。キッチンの背後に、水回りが続く。窓越しに見える緑の借景も癒やしを与える

親子伸び伸び
Yさん宅
 RC造/自由設計/家族4人 


旗竿の地形を生かして設けた駐車スペース。緑と青空に映える真っ白な平屋が奥に広がる

青空に映える真っ白な平屋。玄関ポーチ脇に設けられた芝庭の先に見える、緑の借景にも癒やされる。

室内はリビング・ダイニングの周りを、和室、寝室、子ども室、キッチンがコの字に囲む造り。リビングは天井が高く、庭に面した掃き出し窓と、和室上部の高窓から光がたっぷり入り開放的。エコカラットで彩った壁は、Yさんのお気に入り。「誕生会などで飾り付けて写真を撮ると、映えるんです」とにっこり。


リビングに接する小上がりの和室は、人が集まれば腰かけ代わりに活用。上部の天窓から見える空も気持ちいい。テレビ台裏のエコカラットの壁が、空間のアクセントに

小上がりになった和室では、4歳の長女と2歳の長男が、おもちゃを取り出して楽しそうに遊ぶ。「片付けが苦手なので、収納はざっくり入れられるスペースも準備してもらいました。和室下部の引き出し収納は、すごく助かっています」と妻は話す。


小上がりになった和室の下部は大容量の引き出し収納で、おもちゃの保管に重宝

スポーツ観戦、特にバスケットボールが大好きな夫妻。寝室の天井には、妻の希望で照明一体型のプロジェクターを設置。「ベッドでくつろぎながら試合を見たくて。壁に投影して、大画面で楽しんでいます」。

寝室奥に設けた書斎には、夫妻それぞれの趣味のアイテムを飾る。「リビングはにぎやかなので、1人で集中したい時は、お互い書斎にこもらせてもらっています」とYさん。


白基調のさわやかな寝室=写真左。ベッドのヘッドボードが接する壁の裏側に書斎がある2.4帖の書斎=写真右。デスクと棚は造り付け、仕事にも趣味にも没頭できる環境になっている

畑も楽しみたい!

敷地はYさんの実家に隣接する変形地。きょうだいで分割してそれぞれ家を建てることになり、2人目の誕生を機に旗竿地を譲り受けた。設計先を探す中、インスタグラムで目に留まった建築会社に依頼した。「長女は肌が弱いので、天然素材にこだわった家づくりが魅力でした。担当の方の印象も良くて」。

引っ越してから、子どもたちも伸び伸び。家族ではリビングカラオケで盛り上がり、庭でプール遊びやバーベキューも楽しむ。近所に住むいとこたちも交えて、にぎやかだ。Yさんは「これから家の裏に菜園を作る予定。子どもたちと一緒に、収穫を楽しみたい」と目を細めた。

 
ここがポイント
南に開き 光・風・安心守る

東側にYさんの兄の家が近接する敷地は、旗竿の変形地。私道と接する細長いスペースを、駐車場に当てて有効活用している。変形の強い北側と西側は、「建物の角をなくし、できるだけ敷地のラインに沿う形にすることで、コストダウンを図りました」と、設計担当の新田愛美さん。

設計のポイントは、遊歩道の整備計画がある南側にあえて庭を設け、開いたこと。「今後、家が建つ予定がなく、歩道も敷地より下がった位置にあるため、道ゆく人と視線が合わないことが理由です。光と風がたっぷり届き、伸び伸び過ごせる家になりました」。


敷地の南側、緑を望む場所に設けた庭。デッキからリビング・ダイニングへとつながり、集いの場になっている。軒下に設けた物干し場は花ブロックで目隠し。木製の塀の外には歩道があるが、高低差があるため外からの視線も気にならない

室内は、家族の交流と家事のしやすさを重視。リビング・ダイニングを中心に、東側から北側にかけて和室と個室を配置。西側にキッチンと浴室、洗面室、ファミリークローゼット、物干しスペースがまとまっている。

「玄関からリビングを通って子ども室に入る造りになっているため、お子さまが成長しても自然にコミュニケーションが取りやすくなります」。リビングに隣接する和室は小上がりにし、腰がけがわりに利用できるよう工夫。下部は、大容量の引き出し式収納になっている。


玄関。大容量のシューズインクローゼットは靴のほか、傘や帽子、アウターなど外出時に必要なアイテムも収納されている。天井のつり下げ照明はシンプルながらおしゃれで目を引く

内装には、調湿・消臭に優れた建材を活用。テレビ台の背面にはれんが調のエコカラットを、キッチン背面にはグレーの漆喰(しっくい)を用いている。「質感やデザインは全く違いますが、色味を合わせることで統一感が生まれ、壁面のアクセントになっています」。


洗面室=写真左。奥にはファミリークローゼットが続き、勝手口から物干し場へと抜けられる。洗濯もスムーズにはかどる
脱衣室と浴室=写真右。敷地の形状に合わせて斜めに設けた壁に、オープン棚を設置


[DATA]
家族構成:夫妻、子ども2人
敷地面積:350.76平方メートル(約106.10坪)
1階床面積:104.31平方メートル(約31.55坪)
建ぺい率:32.23%(許容50%)
容積率:29.73%(許容100%)
用途地域:第1種低層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設  計:サイアスホーム(株)
     新田愛美、照屋葉月
構  造:さくら構造(株)
施  工:サイアスホーム(株)
電  気:カネコウ沖縄
水  道:金秀工業

問い合わせ
サイアスホーム(株)
電話=098・989・7512
https://www.saias-home.co.jp
撮影/矢嶋健吾 文/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2070号・2025年9月5日紙面から掲載

この記事のキュレーター

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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