[お住まい拝見]海眺める暮らし満喫|サイアスホーム㈱|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

お住まい拝見

2024年11月1日更新

[お住まい拝見]海眺める暮らし満喫|サイアスホーム㈱

[天然素材でホテルライクに]「海の眺めを存分に楽しみたい!」と、うるま市の高台に2階建て住宅を新築した50代の中原さん。家族の健康を願って天然素材にこだわった室内で、ゆったり過ごす。

大開口から緑と海を望むLDK。奥行き1.9メートルの広いテラスとフラットにつながり、開放感が増す。明るい雰囲気にしたいと、漆喰(しっくい)の白壁にオークの床材を合わせた


絶景をゆったり

中原さん宅
 RC造/自由設計/家族4人 

「海を眺められることが土地探しの絶対条件。地震での安全性を考えると、高台がマストでした」と中原さん。

中城湾を一望する高台に建つ中原さん宅は、全室オーシャンビュー! 一番のこだわりは、絶景を独り占めできるホテルのような浴室だ。「海の見えるお風呂は譲れない」と、海が最もよく見える1階の北側に配置してもらった。海外から取り寄せた置き型のバスタブにつかり、海を眺めながらくつろぐのが至福の時間だ。

1階中央にあるLDKは約22畳。「東向きなので昼以降は入日を気にせず、ゆっくり過ごせます」と中原さん。フラットにつながるテラスでのバーベキューも家族の楽しみの一つだ。空間をスッキリと見せるため、キッチンの背面収納はネットで見つけたブラックフレームのスライド扉で目隠し。遊び心で、キッチンからゲストルームや階段室へ抜ける出入り口も同じスライド扉で統一した。「一体感を出すために扉をそろえたのですが、出入り口がないように見えて面白いでしょ」と笑う。

1階リビングからダイニング、キッチンを見る。キッチンの背面収納は、ブラックフレームのスモークガラス扉で目隠し。出入り口の扉も統一し、一体的に見せる。冷蔵庫やピアノは階段下を活用して納め、スッキリした空間を実現

玄関。シューズクロークを設け、来客と家族の出入り口を分けつつ、収納量を確保


家族の健康に配慮

5年がかりで理想の土地を見つけ、家づくりをスタート。同僚の家を見学し、自然素材の家づくりを提案する建築会社に設計を依頼した。「漆喰や無垢材なら、肌が弱い娘にも安心だと思いました」

窓を開ければ風が抜け、熱がこもらず過ごしやすい。マンション暮らしでの教訓から、雨が室内へ入り込まないよう、テラスの先に雨戸を取り付けた。「台風でもテラスが活用できるのも利点」

朝は鳥のさえずりが聞こえる静かな環境。季節や時間帯で移ろう海を眺め、「海が見える暮らしは最高」と、中原さんは喜びをかみしめる。
 

東側の外観。海を望むため1階も2階も大きな開口部を設けている



ここがポイント
天井高の変化で広がり

 


1階の浴室。両開きのガラス戸を開けると一層景色が満喫できる。海外から取り寄せたセラミック製の置き型バスタブが、ホテルのような雰囲気を演出

海を望む東側は崖に面し、西側に前面道路がある敷地。「全ての部屋から海を見たい」「浴室は一番眺めのいい場所に」という中原さんの希望を受け、設計プランは浴室を起点に展開。1階は北側に浴室と洗面脱衣室、中央にLDK、南側には将来は寝室として使えるゲストルームとトイレを据えた。個室は2階にまとめ、公私の空間を分離。1、2階ともに居室の東側はすべて掃き出し窓にし、大開口で景色を楽しめるようにした。
 

2階の寝室。浴室の上部に位置するため景色も抜群。「朝起きてすぐ海が見えるのがいい」と中原さん



一方、西側は道路からの視線と西日を遮るため窓は小さなスリット窓にし、数も必要最小限にした=上写真。「西側に配したシューズクロークや階段室が、LDKへの熱の伝わりを和らげる役割も果たしています」と設計担当者。
 

2階の廊下から階段室を見る。西側のスリット窓から光を取り込み明るい。鉄骨製の手すりで視線が抜け、広く感じられる

家族が集うLDKは、開放感を高めるため天井にひと工夫。リビング中央部だけ天井高を上げ、東側の窓から北側の壁にかけては、キッチンの天井高に合わせて垂れ壁を設け、カーテンレールや間接照明を目隠しした。幅4.8メートルの大開口から景色だけが見えるようにすることで「リビングが大きく感じられ、空間に広がりが生まれました」。

1、2階ともに、居室外は奥行き1.9メートルのテラスがフラットに続く。「居室との間に排水溝を設け、室内への水の侵入を防いでいます」と話した。


海と緑が織りなす景色が楽しめる2階のテラス。床は木目調のタイルで水ぬれも心配なし。景色を遮らないよう手すりは鉄骨製にした

 

[DATA]

家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:263.17平方メートル(約79.52坪)
1階床面積:81.9平方メートル(約24.8坪)
2階床面積:81.平方メートル(約24.8坪)
建ぺい率:40.91%(許容50%)
容積率:62.24%(許容100%)
用途地域:区域区分非設定/第1種低層地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:サイアスホーム(株) 新田愛美、宮里恭平
施工:サイアスホーム(株)
電気:梶原電気
水道:沖正設備

問い合わせ
サイアスホーム㈱
電話=098-989-7512
https://www.saias-home.co.jp


撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2026号・2024年11月01日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2395

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る