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2016年8月26日更新

DIYで育む家 家族もつながる|楽しく子どもも成長

6年前、家を新築したことをきっかけに「DIYにハマった!」と笑う當山健一郎さん(42)。広々としたウッドデッキに、公園さながらの大きなターザンハウス、娘たちのロフトベッド…、家族のために手作りした家具や遊具が住まいを彩り、楽しい暮らしと子どもたちの成長を育んでいる。

子どもの自信生む 遊びの中で体づくり​

當山健一郎さん宅(沖縄県沖縄市)  
お父さんお手製ウッドデッキ「バーベキューにDIY作業に大活躍」


お父さんお手製ターザンハウス「高さ3メートル 子どもたちもより活発に」

広い芝庭に設けられた、高さ約3メートルの木製遊具「ターザンハウス」。次女・琉衣ちゃん(5)と長男・友規くん(3)は競い合うようにターザンロープにまたがり、庭幅いっぱいを滑走する。
「傾斜のある庭を生かして、子どもたちが思い切り遊べるものをと考えた結果が遊具でした。最初は怖がっていた琉衣も、最近ロープに乗れるようになって大好きに。できた達成感が自信につながっているようです」と當山さんは目を細める。
製作期間は約1カ月。公園にある遊具の造りを参考にしてコンクリートで丈夫な基礎を作り、90センチ角の杉材を柱にして作り上げた。近所の子どもたちが公園と勘違いしてやって来るほど本格的だ。
DIY歴6年。これまでウッドデッキやベッド、リビングやキッチンの棚など、さまざまなものを手作りしてきた。「図面が書けない分、やり直しも多かったけど、それも楽しかった。尻込みせず、どんどんチャレンジしてきたのがよかったのかも」と振り返る。
長女・琉夏ちゃん(9)の入学プレゼントに造ったロフトベッドは、「机の向きが落ち着かない」という琉夏ちゃんの意見を受けて、机を造り変えた。「失敗ならまた作り直せばいい。それができるのもDIYだからこそ」。
 


【ターザンハウス】ターザンハウスの上で、水鉄砲で遊ぶ子どもたち。展望小屋(右手)の屋根には煙突を付けるなど遊び心たっぷり。コンクリートの基礎を丈夫に作り、庭を横断するターザンロープの負荷から来る揺れを抑えるために外壁にワイヤロープで固定するなど、工夫を凝らした。このターザンハウスは、2015年DIYフォトコンテストの手作り木工部門でグランプリに輝いた


【勉強に取り組みやすく収納充実で、機能的 ロフトベッド】勉強机とベッドが一体になったロフトベッド。
なんども木を削って組み直して、大人が乗ってもグラつかない強度に仕上げた。横に並んで座って勉強を見てあげられるようにと、最初は窓に面して横幅の長い机にしていたが、琉夏ちゃんが「落ち着かない」ということで、壁向きにして奥行きのある机に作り替えた。「自分のものという意識があるようで、勉強する際にはしっかり活用してくれています」と當山さん。中央の収納を兼ねた階段は、子どもたちのおもちゃ入れに。

 


【物に合わせて棚板の高さ柔軟に 飾り棚】テレビボードに合わせるように、リビングの壁面に設けた飾り棚。左右の棚板は、カメラ類を入れる防湿庫など、置きたい物に合わせて高さを決めた。機能性重視だという當山さんだが、テレビボードとの統一感を出すためにペイントをしたりと、見た目にもこだわって製作した。「高さやサイズを自由に、使い勝手良く作れるのもDIYの魅力」と當山さんは話す。


【家族5人が寝るベッド】家族5人が寝ているベッドは、市販のベッドの骨組みを参考にして、スギ材とすのこで手作りした
 

暮らしも楽しく​ シンプルに住む

當山さん宅は、なだらかな傾斜面を生かして建つ鉄筋コンクリート造の平屋だ。「コンパクトで、生活に合わせて変化できる家」を希望し、外人住宅のようなシンプルな造りになった。
建築コストを抑えるため、造り付けの建具はナシに。「DIYは未経験だったけど、住んだ後に自分で作ればいいと自然に考えていました。手作りすれば修理も自分でできるって思ったんですよね」と當山さん。
大工仕事が得意な親族の手ほどきを受けながらDIYに取り組み始めると、思い描いたものが形になる楽しさにハマった。「普段、仕事がデスクワークなので、休日に太陽の下で汗を流してDIY作業をするのがいい気分転換に。仕事のメリハリにもつながっている」と充実した様子。
DIYによって彩られた住まいは、使い勝手も暮らしの楽しさも増している。子どもたちに作ってほしいものを聞くと、「ブランコ!」と楽しそうに話してくれた。
「自分の中では、ここで完成というのがない。やりたいことがどんどん出てくるんです」
現在、人が集って楽しめて、DIY作業もできる場にしたいと、駐車場の屋根兼デッキスペースを製作中。年内完成が目標だ。當山さんは「人が集まる場ができれば、きっと家族も喜んでくれるはず」と期待を込めた。


【第2のリビング ウッドデッキ】LDKの東側、庭に延びる大型ウッドデッキは、第二のリビングと位置づけ、製作した。家族や友人とバーベキューを楽しむだけでなく、當山さんの作業スペースにもなっている。現在の屋根は改良版。「実は、作ってすぐに来た大型台風で屋根が壊れてしまって…」。現在の屋根は、風雨対策として木板の上にポリカーボネイトを重ねた造りにした。テーブルやイス、植物が並ぶ棚なども當山さんの手作り。


【屋根付きで雨天も安心 ピザ釜】ターザンハウスの脇にあるピザ釜。以前、作ったものを使い勝手がいいように一回り小さく、作り直したという。この近くにキッチンを設ける計画しているという。


DIYで住まいも家族も充実


子どもたちもお父さんのお手伝い。友人からもらったナットとボルトを仕分けして、同じサイズを組み合わせる


當山さんは現在、カーポートの屋根兼デッキスペースを製作中。専門業者に組んでもらった鉄骨に防水・防腐塗装した木材を組み上げ固定する。年内完成が目標だ


當山さん流DIY お金をかけずに楽しむ
いかに費用をかけずにDIYするかは、當山さんのこだわりの一つ。使う木材は、手に入りやすく安価なスギ材がメーン。DIYをやっていることを知った友人たちから、資材や不要な物を譲り受けることも増えたという。「もらったものをアレンジして、意外と面白いものができることもある。何に使えるかを考えるのも楽しい」


編集/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1599号・2016年8月26日紙面から掲載
 

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住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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