お住まい拝見
2022年12月30日更新
ゆとりあるモダンな家|(株)アイムホーム[表紙のお宅から]
慣れ親しんだアメリカの家のように、一つ一つの部屋が広くて開放的。1階にLDK、2階に寝室とゲストルームがあるSさん(73)宅は、落ち着いたインテリアでホテルのような印象。効率のいい動線や日本とは異なる生活様式など、アメリカ式の工夫や造りを取り入れた住まいに、夫婦と愛犬が仲良く暮らす。
上質×開放的に
Sさん宅
鉄筋コンクリート造/(株)アイムホーム
ホテルライクなシンプル空間
白い外壁に直線的な黒のライン。シャープな外観のSさん宅だが、一歩中に入ると、暖色系の照明とシックな色使いの建具・家具が落ち着いた大人の雰囲気を醸す。米国出身のSさんのサイズ感に合うように、どの部屋も広く、上質なホテルのような印象だ。
例えば1階LDK。リビングには幅2・7㍍×高さ2・2㍍の大きな窓があり、Sさん自慢の芝庭へと視線が抜ける。2・6㍍の天井高と相まって開放的な空間だ。「ここでゆっくり西部劇を見るのが至福の時間」とSさんは話す。
天井の木ルーバーがアクセントになったダイニングキッチンは、アイランド型のカウンターからコンロ、家電までモノトーンでまとめられている。「スタイリッシュでかわいらしい」と夫人のお気に入りだ。「駐車場と行き来しやすく、車から荷物を運ぶのもラク」だという。
「夫妻が求めたのは、シンプルでモダン、広々としたホテルライクな住まいでした」。そう話すのは(株)アイムホームの三家本真大代表取締役社長。要望を受け、建築士の上原良人さんは「天井高を梁に合わせることで、凹凸の少ないシンプルな空間に。廊下もできるだけ省き、各エリアを広くした」と説明する。
1階リビング。柱や梁が目立たない造りで全体がスッキリしている上、2.6メートルの天井高と大開口によって開放感を感じさせる。左手の黒いイスがSさんの指定席
外観。配管など設備的な要素はできるだけ見えないようにすることでシャープな印象になっている
最小限の部屋数×最大限の広さ
英語で要望伝えられる
Sさんの定年を機に、県外の外国人向け住宅から、夫人の出身地である沖縄に移住。当初は中古の外人住宅を改装したり、建売住宅の購入なども検討していた。
しかし、Sさんが慣れ親しんできた住居と比べると、沖縄の住宅は空間が細かく区切られ、各部屋も小さかった。Sさんは「夫婦で住むからLDKと寝室とゲストルームがあればよかったが、それぞれに十分なゆとりも欲しかった」。
そこで夫人の姉に紹介してもらったアイムホームに相談。夫人は「夫の要望を直接英語で聞いてもらえるのが良かった。生活様式の違いも理解してくれていました」と、夫妻好みの家づくりを依頼した。
2階寝室。約17帖と広いため、ベッドを二つ置いてもまだ余裕がある。遠くに海が見える外のテラスは、愛犬の遊び場にもなっている。「来年には気に入った家具をテラスに置いて、ゆっくり過ごしたい」と夫人
2階ゲストルーム。クラシカルな木製家具がホテルのような印象を一層強める。広さは約12帖
玄関ホール。左手にある靴箱の下には間接照明が設けられている
1階トイレ。黒いタイルが高級感を演出する
各部屋にバス・トイレ
生活様式の違いを特に反映させたのが、2階の寝室とゲストルーム。三家本さんは「日本の造りとは違って、夫婦もゲストも気兼ねなく過ごせるように、バスルームは各部屋に備えられています」と話す。
寝室は約17帖と広々。その上、大きな開口部からテラスまで見通すことができ、より広く感じる。ウオークインクローゼットとバスルームをつなげた造りは、「アメリカの家にあったものを取り入れてもらった」と夫人。大きな鏡と木製のカウンターは化粧台にもなっており「シャワーの後も、出掛ける準備も、全部ここで整います」と使い勝手がいいようだ。
ほかにも、テレビのマルチメディアコンセントは各部屋に2カ所ずつ配置。インテリア好きな夫妻が、模様替えを存分に楽しめるようになっている。
Sさんは「二人で生活するには十分な広さ。大満足です」と笑顔を見せる。夫人は「来年、アメリカで暮らす息子夫婦が遊びに来る予定。ようやくゲストルームを活用できます」と、久しぶりの再会を楽しみにしている。
2階寝室のバスルーム。右手にはウオークインクローゼット、左手には浴室があり、着替えなど出掛ける準備は全てここで完結する
蹴込み板がないスケルトンの階段。奥が見通せて開放的。窓からの光も室内に入りやすい
[DATA]
家族構成:夫婦、愛犬1匹
敷地面積:233.07㎡(約70.5坪)
1階床面積:102.82㎡(約31.1坪)
2階床面積:99.02㎡(約29.95坪)
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
用途地域:第1種低層住居専用地域
設計・施工:(株)アイムホーム
構造:(株)濱川構造設計
電気:(同)オールシステム
水道:システム企画(有)
◆問い合わせ
(株)アイムホーム
電話098・923・1646
https://imhome-okinawa.co.jp/
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1930号・2022年12月30日(第1集)紙面から掲載