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2021年1月15日更新

28坪の2世帯住宅|株式会社エコプラス

[目隠ししつつ採光・通風|お住まい拝見]
Yさん(42)宅は建坪が約28坪とコンパクトな2世帯住宅。プライバシーは守りつつ、屋上やベランダから光と風を入れる。全面バリアフリーの親世帯、伸びやかなリビングダイニングがある子世帯は共に、窮屈さを感じさせず、友人らが集う。

外観。木目模様の壁や木ルーバーで表情を付けた。1階に親世帯、2・3階に子世帯が住む2世帯住宅


集いゆったりと

Yさん宅
 自由設計/RC造/義母・家族3人 

整然とした住宅地に建つYさん宅は、3階建ての2世帯住宅。Yさんの夫の実家を建て替え、外階段で玄関を分けた完全分離型にした。「前の家は部屋がいっぱいあって狭かった」と義母(78)。設計はYさんの夫の同僚に依頼し、建坪約28坪ながら、両世帯とも大勢が集う場を設けた。

1階の親世帯は全面バリアフリーに。玄関からリビング、和室までフラットにつながる。シンプルな間取りに加え、水回りと寝室を隣り合わせにして動線も短くしている。義母は「足が弱くても安心して歩けるので助かっている」と満足げ。遊びに来た孫たちは走り回るという。「夫は三線の演奏が趣味だった。生前、仲間がよくうちに来て、夜遅くまで三線や琴の練習をしていたよ」と懐かしむ。


1階親世帯のリビングと和室。写真右の玄関と段差なくつながる
 

2階リビングダイニングをキッチン側から見る。手前部分の天井高は約3.5メートル。ルーバーで目隠ししたベランダと相まって、広々と伸びやかな空間に見せている


2階子世帯のLDK。Yさんの夫好みの重厚感のある雰囲気に。写真中央上の横長の窓から3階廊下の足元が見える
 

3階ウオークインクローゼットは約5帖。写真背後の洗面脱衣室と直線で行き来でき、「洗濯・収納が楽」とYさん​


人目気にせず水遊び

Yさん家族が住む2階はLDKやゲストルームを設け、「友人らを招く場に」。個室は3階にまとめて公私を分けた。

2階LDKはベランダに面し、天井の一部が高さ3・5メートルの吹き抜けになっている。広さは13坪ほどだが、実際の面積以上の広さが感じられる。「ゆったり使えるので、コロナ禍以前はママ友と子どもたちが集まった」とYさん。県外の友人を招くことも想定して、倉庫は二つ目の浴室にリフォームしやすいようタイル張りに。「お風呂好きだった主人と長女(23)が取り合いにならないように、2階にもとも思ったけど。長女が県外に出てしまったから、しばらくはそのままかな」と笑う。

3階には庭のように使えるベランダを設けた。外壁があって外から見られることもないため、「ビニールプールを出して遊んだ」と次女(11)。大勢で集うもよし、家族水入らずで過ごすもよし。多様なシーンに寄り添う家がそこにあった。


3階子ども室は可動式の棚(右)で広さを調節できる。現在は子ども室を広めにして、棚の背後はウオークインクローゼットのように使っている。左手上部にロフトがある


2階ゲストルーム。今は子どものプレイルームに使う。1階納戸に光を入れるため、右の壁一部を室内側にくぼませ、屋上まで抜けた空間をとった


3階ベランダには人工芝を敷いて、庭のように使っている。「娘と主人が遊んでいたのをよく室内から見ていた」とYさん
 

ここがポイント
ルーバーや屋上から採光

Yさん宅の敷地は約54坪。3方には隣家が近接し、前面道路向かいにも3階建ての住宅が建っていた。建築士の池原真樹さんは、「敷地が狭くても必要な部屋やスペースを取るため、3階建てに。外に開きにくい環境だが、壁やルーバーでプライバシーを確保。各階とも前面道路側に大きめの開口やベランダを設け、光と風を入れる工夫をした」と話す。

設計のメインになったのは子世帯部分。2階は「リビングダイニングを明るくし、広く見せる」ため、木ルーバーで目隠しして、奥行き1・3メートルのベランダを設けた。ひさしの一部をガラスにすることで、雨をしのぎつつ、屋上の光を取り入れた。また、「人目を気にせずバーベキューを楽しみたい」という要望に応え、3階ベランダは外壁で完全に周囲からの視線を遮断。部屋はベランダをコの字で囲むように配置することで、光が届くようにしている。

東側は、隣家に囲まれるため暗くなりがち。3階子ども室東側に吹き抜けを設けたことで、1階納戸まで屋上の光が届くようにしている。その他、隣家側にはジャロジー窓を多用して、「留守中も風が通せるようにした」。

こだわりの物を収集していたYさんの夫のため、収納は部屋の随所に。広い玄関には200足近くある靴が収まるシューズクローク、ビンテージジーンズを畳まず収納できる大容量のウオークインクローゼットも設けた。


2階子世帯の玄関。シューズクロークも設けて大容量の収納を確保
 

[DATA]
家族構成:義母、本人、子ども2人
敷地面積:179.34平方メートル(約54.3坪)
1階床面積:95.40平方メートル(約28.9坪)
2階床面積:88.75平方メートル(約26.9坪)
3階床面積:79.45平方メートル(約24坪)
建ぺい率:59.95%(許容:60%)
容積率:150.51%(許容:200%)
用途地域:第一種住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:(株)エコプラス 池原真樹
構造:ASDplanning
施工:(有)仲地建設
電気:伊波電気
ガス:(株)エコプラス
水道:ワタル設備

問い合わせ
 株式会社エコプラス
 電話098・931・9071


撮影/比嘉秀明 取材/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1828号・2021年1月15日紙面から掲載

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川本莉菜子

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好奇心が行動源。まち歩きで面白いことを発見した時に興奮し、脇目振らずに追いかけて迷子になること多し。人が住む・暮らす場所にある歴史、知恵、繋がりの面白さを見つけて発信していきたいです。よく県外出身かと聞かれますが、生粋のウチナーンチュです。

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