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2019年7月19日更新

家族が家事にかかわれる工夫|ママが笑顔になる家づくり[4]

文・宮城美千代(建築士)

小言を減らし気持ち良く!

玄関に家族のロッカー収納
各自の物置き場決め片付けやすく
ある日こんな事がありました。いつものように仕事帰りに夕食の買い物をし、帰宅後急いで食事の準備、完成、今日はいつもより早い夕食だ、さぁ食べようという時に息子が一言「お母さん、お箸がない」。私は思わず「自分で持ってきなさい!」と返答してしまいました。とっさの言動と、そうは言っても息子の届かない場所にお箸はあるのに、ということに反省しきり。

私のように、いっぱいいっぱいの時に感情的になってしまうことってありませんか? この場合、お箸が息子の取りやすい場所にあれば自然にお手伝いができたでしょう。小言を少なくして気持ちよく過ごしたい。ママが家事をひとりで頑張り過ぎない、そんな家づくりのヒントをご紹介します。

まずは玄関について。家族が多いのでウォークインのシューズクローゼットを設けたい、でもスペースが限られていてムリ。そんな時、一般的な靴箱ではなく、家族のロッカー収納を設置するというのはどうでしょうか=下写真・図1。帰宅するとこのロッカーに靴やカバン、帽子等を収納するので、共有スペース(リビングなど)に個人のモノを持ち込まなくなります。出かける時もスグに取り出せるので便利です。実際に家族のロッカー収納を設けたお宅のお子さんは、「自分のテリトリーができた」と喜んでいらっしゃるみたいです。各自、モノの置き場所が決まっているので片付けやすくなります。


写真は玄関に設けた家族のロッカー収納。各自に割り当てたロッカーに靴だけでなくカバンや帽子などを収納すれば、片づけやすく=上イラスト


干し場近くにクローゼット設けて「時短」
洗濯と浴室 動線つなげスムーズ
家事の中でも特に時間を取られてしまうのが「洗濯」ではないでしょうか。スペースや予算に余裕があれば、干し場を屋内か半屋内にする事をお勧めします。突然の雨に悩まされることがなくなるからです。また干し場の近くにクローゼットがあれば、乾いた衣類をハンガーパイプに掛けて納められるので、畳む作業を少なくできて時短になります。このコンパクトな洗濯動線に、お風呂回りの動線(脱衣室、浴室)をつなげると、一連の流れがスムーズでストレスがなくなります=下写真・図2。


写真は天窓から日光が入る屋内干場。乾いた衣類はファミリークローゼットへ直行=上図面。お風呂上がりに必要な衣類もクローゼットからすぐに取り出せる


多くの時間を過ごすLDKには、ファミリーデスクを設けるのもいいですね=下写真3。そこでは子どもが勉強をしたり、パパもパソコン作業をしたりします。自然とパパが子供の宿題を見てくれて、ママは料理に専念できるという場面も生まれてきます。

あれこれ言わなくても、家族みんなが家事にかかわる。ママがひとりで頑張り過ぎないような家づくりが、ママも家族も笑顔にしてくれます。


LDKの近くにあるファミリーデスク。子どもは勉強、パパはパソコンと多目的に使う

執筆者

みやぎ・みちよ
1972年那覇市出身。2級建築士。2012年建築設計airに入社。小1の息子と夫の3人家族。NPO法人首里まちづくり研究会に所属し、首里でまちづくり活動を実践中。
建築設計air 098ー943ー6487(那覇)、 0980ー73ー2657(宮古)

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1750号・2019年7月19日紙面から掲載

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