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2016年5月20日更新

歳月経てうれしさ続く家|一級建築士事務所「陽設計」

県内の建築会社で培った経験を生かし、3年前に地元・糸満市で「陽設計」を立ち上げた玉城飛雄馬さん(38)。「住み手の暮らしやすさはもちろん、家族以外の人に一番見られる外観の印象までこだわった家づくり」を追求している。

一級建築士事務所「陽設計」代表
建築デザイナー 玉城飛雄馬さん


外観までカッコイイを追求


建築士を目指したのは?
実は、高校卒業まで建築に携わることは考えていませんでした。子どものころからプラモデルを作ったりと手先が器用で、母親には「設計に向いているんじゃない?」と言われていたんですけどね。大学受験に失敗したことが、自分のやりたいことを考えるきっかけに。思い付く職業を目標や将来性、収入など8項目で比べて、点数が高かった建築士を目指すことにしました。

専門学校を卒業してすぐ入社した建築会社で、建物づくりの基礎といい建物を生み出すために大切な姿勢を、その後に勤めた会社では、施主との接し方を学ばせてもらった。その経験が建築士としての基盤になっています。

家づくりで大事にしていることは?
目指すのは、シンプルなカッコ良さ。沖縄の住まいに大切な採光や風通しの良さはもちろん、敷地条件、施主の要望に応えながら自分の色をどう出すか。例えば、窓の配置。僕の場合、室内の明るさやプライバシーだけでなく、外観の印象も考慮して大きさや位置、数を決めます。メリハリと壁面の有効活用を重視しています。

毎回、自分の家を建てる気持ちで臨むので、設計するのが楽しい。同世代の施主の場合、親世代と家づくりの考え方にズレが出ることも。安心して任せてもらえるよう、関係者全員に会うようにしています。

今後の目標は?
住宅は、家族以外の人の目に一番触れる外観の見え方も大事だと考えます。周りから「カッコイイね」と言われると施主はうれしいし、家を建てた満足感、愛着も増すと思うので。時がたっても「上等だね」と言われる家を建てていきたいですね。



 




​肝はシンプルさとメリハリ

眺め生かすスキップフロアの家

ことし3月、那覇市内に完成した鉄筋コンクリート造2階建ての住宅。敷地は高台の崖地で、道路と4メートルの高低差があったためスキップフロアを採用した。

室内は白を基調に、無機質になり過ぎないよう木を取り入れたシンプルな内装。南側の眺めを大開口で取り込んだ2階のリビングは、東面はあえて窓を設けず壁面収納に活用するなど、メリハリを効かせて明るく開放的に。スキップフロアにしたことで動線が短くなり、使い勝手も増した。玉城さんは、「お施主さんが皆さん、『いつでも見学させていいよ』と言ってくれるので、ありがたい」と感謝する。
 



たましろ・ひゅうま
1978年、糸満市生まれ。インターナショナルデザインアカデミー建築CAD科卒業。県内の建築会社2社で約12年経験を積み、2013年に独立。地元・糸満市に事務所を構え、住宅やアパートなどの設計を手掛ける。二級建築士。



陽設計
糸満市西崎6-18-3-402
電話:098-911-6947
 


取 材/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1585号・2016年5月20日紙面から掲載

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住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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