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2017年3月10日更新

観賞用で愛される[ポリシャス]|植物と器で楽しむ Interior green⑫

インテリアグリーンを楽しむコツと上手な育て方を、プランタドールの新城圭吾さんがレクチャー。柔らかな雰囲気と奥行きのあるフォルムが特徴の「ポリシャス」は、アジアンや和の空間にぴったりだ。

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 ポリシャス 
柔らかで奥行きある形


一番メジャーな品種の「ポリシャス フルチコーサ」。フワッとした柔らかい雰囲気が特徴のポリシャスといえば、これを思い浮かべる人が多いのでは


ポリシャスってどんな植物?
アジアンや和の空間演出に 樹形やサイズ、品種が豊富​
ウコギ科ポリシャス属の植物です。別名タイワンモミジ。フワッとした柔らかい雰囲気と奥行きのあるフォルムが特徴で、アジアンテイストや和の雰囲気の空間に植物を合わせたいときなどにパッと思い浮かべるほど、一般に定着している品種です。
成育に合わせ形成されていく樹形も、個性的なものや自然で感じの良い雰囲気のものなど、タイプが多いのも人気の要因の一つです。小・中・大とサイズが豊富なのも◎。サッカー選手で例えますと、元スペイン代表、独特のプレースタイルが唯一違いを生み出す男「グティ」といったところでしょうか。
ポリシャスは品種が多く、それぞれがまた違った印象を与えるのもこの種の面白さかと思います(こぼればなし参照)。


ポリシャスキンケフォリア


ポリシャスバルフォリアナ

育てる上で気を付けたいこと
自然光が十分当たる場所で定期的な葉水でハダニ予防
室内の自然光のたくさん入る明るく風通しの良い場所を好みます。耐陰性は普通ですが、光が足りないとフォルムが崩れたり新葉が弱々しくなりますので注意してください。水やりの目安は、土の表面が乾いたらたっぷりあげます。
葉の表や裏にハダニやカイガラムシが付くことがあります。ハダニやカイガラムシなどの吸汁性害虫は、小さくても繁殖が旺盛で短期間で生息数が増えますので、早期に発見し、殺虫して被害を最小限に抑えることが大切です。定期的に葉水(葉の表裏に霧吹きなどで水をかける)などをして予防しましょう。
ポリシャスは寒さに弱く、沖縄の冬でも生育に影響が出ます。気温が低い時期に葉水などをすると葉が傷み落葉の原因にもなりますので、冬場は葉水を避けてください。


フォルムを生かして


シンプルな白器で柔らかに
ベージュ系のクロスに合わせて、同系色のマットな白器を選びました。「ポリシャス フルチコーサ」のフワッとした印象を損なわないよう器はシンプルにし、植物は窓から優しく差し込む日があたるぐらいの高さを意識して組み合わせてみました。


器の色合いも引き立たせて
丸葉の光沢のある葉が特徴の「ポリシャスバルフォリアナ」を、黒とグリーンツートンカラーの器に合わせて。フローリングの色合いになじませることよりも、器の色合いも引き立たせながら植物のフォルムを生かすように組み合わせを意識しました。
窓からの心地よい光もこの植物を生かすポイントになっています。


窓枠にかからず収める
靴箱上に「ポリシャス キンケフォリア」を置いた一例。植物の高さは、飾り窓にかからないように意識しました。窓にはみ出す高さだと、窓枠の横のラインと植物の縦のラインが交わってしまいきれいに見えなくなるためです。窓にかからずに収めることでポリシャスの美しいラインがより際立ちます。
器は同系色ですが、ベージュ系にして壁面と濃淡をつけることにより奥行き感を出しました。


 こぼればなし 
種類はなんと80種!
ポリシャスは約80種があり、観賞用として日本だけでなくさまざまな国で愛されており、東南アジアや太平洋地域の熱帯などで多く栽培されています。主に流通しているのは6種ほどです。 この品種の特徴は、何と言ってもサイズのバリエーションが豊富なところと、樹形が多様な点。一つとして同じようなものがないのが人気の一つかとも思います。挿し木などで容易に増やせる点も生産者思いですね。成育に合わせ、不要な枝などを剪定(せんてい)した際には、挿し木で増やしてみては? 挿し木した枝が根付いた時は、また違った感動が込み上げてきますよ。


ポリシャススノープリンセス


ポリシャスペノッキー


ポリシャスフルチコーサ

執筆・提案

しんじょう・けいご/PLANTADOR代表。「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける


『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<12> 第1627号 2017年3月10日掲載

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