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2025年4月4日更新

家づくりの第一歩|一番重要なポイントを決め 建物を考える[Aさんの家づくり 完成までの道のり①]

マイホームの建築は人生の一大事業。住まいづくりについて皆さんのヒントになるように、建築士の具志好規さんがAさん宅完成までの流れを紹介します。

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文・写真/具志好規

マイホームの建築は人生の一大事業。住まいづくりについて皆さんのヒントになるように、建築士の具志好規さんがAさん宅完成までの流れを紹介します。


一番重要なポイントを決め 建物を考える

家づくりの第一歩

「家づくりを始めたい」。一通の設計相談のメールからAさんの家づくりが始まった。

まず何から始めたらよいか? 依頼者のほとんどが家づくりは初めての経験である。私たちはまず家族構成や要望、予算、敷地を確認し現地を見に行く。時には土地探しから関わることもある。

相談のあったAさんの家族構成は夫婦と子供1人、敷地資料と要望のメモ、プランスケッチもいただいた。細かな要望もあったが、「人が集まれるスペースがあること」「昔の沖縄の家のアマハジのような空間が欲しい」。これが一番重要なポイントとなった。

敷地を見にいくと、高台で隣地に建物もなく、南側に開けた95坪程のとても良い敷地だった。建物はもちろんの事、それ以上に立地は重要だ。良い敷地を見るとどんな建物ができるだろうかと心が躍る。


計画敷地。周囲に建物もなく南側に開けた良い敷地だった。高台で心地よい風が吹いていた

次に、役所や関係各所で聞き取りを行い手続きや規制を確認する。計画地は建設前に農地転用や開発行為の手続きが必要だとわかった。建物完成までの大まかな流れを分かりやすく工程表にまとめた。

案を作る前に私たちが造ってきたパティオ(中庭)の空間を感じてもらうため、以前に建てた住宅を見学してもらった。沖縄の強い日差しを遮り、風の通り抜ける快適なパティオと室内の連続した空間や考え方に共感していただけた。


以前に設計した住宅を見学。半戸外のパティオや室内と連続した空間を見て、感じてもらった


以前に設計した住宅。大きな屋根がかかるパティオや木造の離れのアマハジのイメージをAさんも求めていた

気候風土にあう空間。大きな半戸外のパティオをもつ住宅をテーマに検討を始めた。

希望以上の設計提案を

Aさんのスケッチを無視するわけではないが、諸条件を踏まえ、全く異なるたたき台の案ができた。一般的なハウスメーカーでは施主の要望をそのままプランに反映する事が多いが、設計事務所の一番の仕事は要望を聞き、ただ部屋を並べるだけでなく、連続性や開放感などを考え空間を設計し、より良い発想・提案をする事だと考えている。

プレゼンに向け簡単な模型も作った。説明のためだけでなく、自ら立体的に設計の良しあしを確認するためだ。


Aさんの建物スケッチ。要望や求めている諸室や空間を参考に新たなプランをつくった

プレゼンではスケジュールや予算の確認、検討案の説明を行った。今回は、南側に開けた半戸外のパティオを諸室で囲み、連続した空間に大きな勾配屋根を乗せた平屋の住宅を提案した。パティオを含めAさんにとても気に入ってもらい、この案をベースに計画を進めていくことになった。


スタディ模型。大きな勾配屋根が室内と屋外をつなぐ半戸外のパティオのある平屋の建物を提案した


スタディ模型。屋根を取りはずして間取りもわかるように。立体で見るとより理解しやすい

Aさんは、「想像していなかった案が出てきた」と持ち帰った図面と模型を眺め、楽しんでいたそう。まずは「家づくりの第一歩」を踏み出した。


ぐし・よしのり/
1981年、那覇市生まれ。沖縄職業能力大学校住居環境科卒、㈲チーム・ドリーム勤務。住宅・商業施設・教会や公共施設など幅広く設計に携わっている。
www.dream-archi.com/
趣味は物作り、絵描き、洋裁など。 最近は観葉植物を栽培していますが、妻にこれ以上増やさないよう釘をさされています。
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2048号・2025年04月04日紙面から掲載

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