スマホで健康状態を確認|離れて過ごす家族を見守る[介護を支える 住まいの工夫㊷]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

沖縄建築賞アーカイブ

家づくりのこと

家づくり

2025年2月21日更新

スマホで健康状態を確認|離れて過ごす家族を見守る[介護を支える 住まいの工夫㊷]

介護が必要な人も、介護をする人も、安心して安全に暮らせる住まいの整え方を紹介。今回は、離れて過ごす家族を見守る福祉機器について、(有)テレマーケティング沖縄の國吉一さんに聞いた。

家づくり

タグから記事を探す

スマホで健康状態を確認

離れて過ごす家族を見守る

在宅介護の不安
離島はより深刻


高齢の親の介護をしながら仕事を続けることは、たくさんの課題がある。特に1人暮らしの親がいると「今、親は元気にしているだろうか」「何か異変があっても気付けないのでは」という不安を抱える。

沖縄で通信業を営む國吉さんも、そんな経験者の一人。「仕事で離島にいたころは、実家の両親が老々介護の状態。病院通いも増える中、もし父親が転倒したら、母一人では起こすことができないと常に心配していました。離島には似たような不安を持つ高齢者が多くいました」と振り返る。

このような不安への対処法として、新聞配達や郵便局、宅配業者による見守りや防犯会社による緊急通報・駆けつけなどのサービスがある他、カメラやセンサーを使用した見守りシステムもある。

國吉さんは自身の介護経験をきっかけに、従来より低額で、施設だけでなく、在宅介護に取り入れやすい見守りシステムの事業を行っている。同システムは、ベッドの下に細い帯状のセンサーを設置し、寝ている人の呼吸、脈拍、体動、室内の温度、湿度、照度を計測し、スマートフォンで確認できる他、異変があれば、家族に通知が届く。別に見守りや通話ができるカメラもあり、利用者から「家族や居宅介護のスタッフも一緒にいつでも確認でき安心」と喜ばれている。

生活改善に役立て
介護の重傷度を防ぐ


「見守りができることで、生活リズムの把握、改善にも役立つ」と國吉さん。「夜間のトイレ回数や、昼夜逆転の兆候などが分かるので、昼間良く寝ているなら、デイサービス利用を検討するなど、生活習慣の改善につなげられる」と話す。また、医師が必要だと認めれば「認知症徘徊(はいかい)感知機器」として介護保険が適用できる。

 見守りシステム介護ロボット「まもる~のONE」 

センサーが在床、離床、呼吸、脈拍、体動、睡眠レベル、温度、湿度、照度、気圧を測定。スマートフォンアプリで遠隔でも確認出来る。


見守り情報を
スマホで共有


國吉さんが取り扱う見守りシステム「まもる~のONE」はベッド下に設置したセンサーが検知した情報を家族がスマホでいつでも確認でき、異常があれば通知が届く。

「介護は高齢者だけの問題ではない。病気や障がいのある子どもの見守りにも活用できます。24時間ずっと張り詰めた状態で介護を続けるのではなく、こういったシステムを上手に活用して、介護する側もゆっくり休める時間をつくってほしい」とし、福祉用具事業者への相談を呼びかけ、「テクノロジーの力で、介護者の精神的・身体的な負担軽減に役立ちたい」と語る。


利用者の自立度に合わせ、床や車椅子、トイレの便座やドアを過ぎたときに反応するセンサーもオプションで選択可能。ワイファイ環境があればすぐに使用でき、なくてもポケットワイファイがレンタル可能なので、設置工事がいらず手軽に開始できる。他にも、リアルタイムの動画や通話ができる見守りカメラもオプションで選択できる。​



くによし・はじめ/「(有)テレマーケティング沖縄」代表。一般家庭・施設用の介護ロボットを取り扱う
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2042号・2025年2月21日紙面から掲載
 

家づくり

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2494

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る