沖縄|【ひと】おおらかに心地よくリノベ|塩谷 昌洋さん|(株)アートアンドクラフト沖縄事務所 一級建築士|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

企業・ひとの取り組み

2021年6月18日更新

沖縄|【ひと】おおらかに心地よくリノベ|塩谷 昌洋さん|(株)アートアンドクラフト沖縄事務所 一級建築士

住宅やアパートなどのリノベーションを専門に手掛ける(株)アートアンドクラフト沖縄事務所(本社・大阪)。建築士の塩谷昌洋さん(38)は「建物の古さを個性や魅力として捉え、上手に活用できるように提案します」と話す。

古さも魅力として提案



塩谷 昌洋さん

(株)アートアンドクラフト沖縄事務所
一級建築士



-なぜ建築士を志した?

中高生の頃から建物が好きで、将来は建築に携わりたいとぼんやり考えていました。 当時、自宅で使われていなかった和室2間のふすまを取り払い、ソファを置くなど自分なりに手を加えたりもしていました。そうするうちに、インテリアや住居に興味を持ち始めた気がします。

現在はリノベーションを専門に設計をしていますが、このときからリノベに興味があったのかもしれませんね。

-心掛けていることは?

使う素材や建物の造りを含めて、「おおらかさ」と「心地よさ」を意識しています。

例えば床材として使う無垢(むく)材は、傷が付いたとしても、張り替えるのではなく削ればいいというおおらかさがある。足触りは気持ちよく、経年変化も味わいとなります。

また個性を生かすことも心掛けています。リノベは既存の建物がベースとなりますが、同じ物は存在せず、それぞれに個性があります。昔ながらの壁材やタイル、立地ならではの景色など、建物自体が持つ個性が魅力となるため、その魅力を最大限に引き出せるようにしています。


-今後の目標は?

古い建物の上手な活用方法を提案していきたい。沖縄には独特な建築文化があるものの、古い建物はどんどん壊されています。中には「こうすればまだ頑張れたのに」と思えるものもあるので、とても残念だし、心が痛い。

実はここの事務所も、築50年以上のモーテルをリノベしたもので、ホテルとして運営もしています。以前とは異なる活用方法なども提案しながら、「今ある建物をもっと使おう」という意識を広めていきたいです。

 

フリーペーパーで新提案
施工事例や街の紹介など

アートアンドクラフトが発行しているフリーペーパー「AC PAPER」

アートアンドクラフトでは、不定期でフリーペーパー「AC PAPER」を発行している。内容は、同社によるリノベーションの事例だけでなく、不動産の活用事例、街の紹介、働き方と住まいの関係など多岐にわたる。塩谷さんは「さまざまな話題を通して、新たな考え方を提案しています」と話す。沖縄事務所に近い、ライカムや普天間、コザ地域を取り上げたものもある。

同冊子は県内各地のカフェなどで配布しているほか、同社ホームページ(https://www.a-crafts.co.jp/)でメンバー登録しておけば毎号送付してもらうことも可能だ。登録は無料で、7月には最新号を発刊予定。詳しくは同事務所(電話=098・975・8090)。

しおたに・まさひろ/1982年、石川県出身。京都精華大学デザイン学部建築学科を卒業後、大阪府内の不動産会社で設計を担当。2015年に(株)アートアンドクラフトに転職し、18年から同社沖縄事務所。一級建築士。趣味はDIY。
◆(株)アートアンドクラフト沖縄事務所 北中城村喜舎場1066 SPICE MOTEL OKINAWA内  電話098・975・8090

 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1850号・2021年6月18
日紙面から掲載

企業・ひとの取り組み

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2122

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る