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2019年8月23日更新

From沖縄建築賞[9]第5回建築賞

県内の優れた建造物・建築士を表彰する「沖縄建築賞」(主催・同実行委員会)。今回は、第5回沖縄建築賞でタイムス住宅新聞社賞を受賞した、福村俊治氏設計の「Joy Chapel」について、発表時に掲載しきれなかった部分を紹介する。

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第5回(2019年)タイムス住宅新聞社賞
Joy Chapel 福村俊治/チームドリーム


軸線で目的はっきり
「Joy Chapel」は、合板の一種である「木造LVL」を、天井も兼ねた屋根の骨組みとして使った教会。コンクリートの使用量や建物全体の荷重を抑えることができ、審査員からは「勉強になります」と声が上がった。

軸線も考慮。道路から駐車場、パティオ、洗礼池までが一直線に並ぶ配置について、福村氏は「建築に明瞭さを与えるため」と説明する。「道路から洗礼池に立つ十字架に向かって歩くので、訪れた目的が分かりやすくなる。視線が抜け、広さも感じられる」


軸線上にあるパティオ。正面には洗礼池に立つ十字架が見える

2階ホールは、1階の礼拝堂とはガラスで仕切られていて音が漏れにくいため、子どもを連れていても教会の厳かな行事に参加しやすい。さらに、ホールの床はフラットスラブを採用。鉄骨の柱とスラブの間に梁がなく、柱の上に直接スラブが載った構造だ。梁がないため階高を抑えられ、スッキリした見た目になっている。


2階食堂から礼拝堂を見る。祭壇の十字架に向かう軸線もあり、その軸線上に食堂やホールなどがある



2階ホール。写真奥にある礼拝堂の様子が見える。ホールの音は礼拝堂に聞こえないが、礼拝堂の音はスピーカーでホールに伝わる


礼拝堂からホールを見上げる。直径11センチの細い鉄製のパイプ4本で、ホールの床を支えている


▼平面図 ※赤線は軸線を示す

 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1755号・2019年8月23日紙面から掲載

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