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2019年3月15日更新

考えよう!沖縄の省エネ住宅[19]|「沖縄に合った省エネ基準を検討すべき」が1割占め

一定規模以上の建築物に対して国が定める省エネ基準を満たすことで省エネ性能の向上を図る「建築物省エネ法」。国は、基準適合の義務化を段階的に進めるべく昨年12月に示した「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第二次報告案)」に対し、広く国民の声を求めるパブリックコメントを実施。内容をまとめた。NPO蒸暑地域住まいの研究会代表で、県内の建築3団体からなる「沖縄の気候風土適応住宅推進連絡会議」事務局も務める松田まり子さんは「『沖縄の気候風土に合った省エネ基準を検討すべき』との意見はパブコメの約1割を占めた。国もその声は無視できない。今後の動向に注視したい」と話す。

建築物省エネ法の動向

住宅の省エネ対策についてのパブコメ

全国593の個人・団体から902件
同パブリックコメントでは全国593の個人・団体から902件の意見が集まった。住宅に関するコメントでは、国が定める省エネ基準への適合義務化の対象範囲を、現行の大規模建築物からそれ以外の建築物や住宅まで広げることに対し、「住宅には省エネ基準への適合を義務化すべきではない」が81件、「小規模住宅を含め省エネ基準への適合を義務化すべき」の声は281件あった。一方でその省エネルギー基準の在り方については、「分かりやすい・使いやすい基準の簡素化を確実に実施すべき」、「伝統構法に配慮すべき」、「地域の自然環境、各種コストの実態、個々の周辺環境を加味した省エネ基準を検討すべき」などさまざまな意見が上がる中、「沖縄の気候・風土に合った省エネ基準を検討すべき」との声が全体の約1割を占める83件にのぼった。これに対し国は「省エネ基準において、沖縄県を含む8地域における外皮基準については、平成25年基準の策定時に、断熱性能に関する基準を適用しないこととし、夏季の日射遮蔽(しゃへい)性能に関する基準のみが適用されることとなっている」とコメントした。


説明義務化はコストにも影響
日射遮へい性能とは、国が定める省エネ基準①外皮性能に関する基準②一次エネルギー消費量に関する基準のうち、①に関連し、主に建築による工夫が求められる。松田さんは「日射遮へい性能を上げる方法は、断熱、日射反射、通気の三つ。だが、現行の法律による『平均日射熱取得率の基準値』の算出方法は断熱性能から割り出すのが主。沖縄で培われてきた、日射の入りをコントロールし風を室内に招き入れる庇、日射を遮り台風の風をコントロールする花ブロックやルーバー、屋根スラブからの熱を室内に伝えない遮熱ブロックなどの工夫が生かされない」と指摘する。

また国は、300㎡未満の小規模住宅の省エネ基準適合率は6割にとどまっていることを受け、まずは消費者に情報発信することが必要との考えから、基準への適合義務化は大規模・中規模の建築物、住宅については中規模以上については届け出義務にとどめ、小規模住宅については「建築士から施主へ省エネ基準への適合可否等の説明を義務付ける」方向性だ。松田さんは「施主に説明するには、基準をクリアしているか否かを判断するための各種数値の算出が必要であり、相応の手間と時間がかかる。建築士の業務量が増えるため、コストに反映せざるを得なくなるだろう」とも。「住宅の省エネ化は重要な課題。沖縄の気候風土に配慮した省エネ住宅の在り方を県民全体で模索し国へ働きかけ続けたい」と話した。


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1732号・2019年3月15日紙面から掲載

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