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2018年8月3日更新

考えよう!沖縄の省エネ住宅[13]|光熱費8割減 災害にも強い

住まいの断熱性能や省エネ性能を上げつつ太陽光発電などでエネルギーを創り出すことで、年間の1次エネルギー消費量の収支を概ねゼロ以下にする「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」。(有)フロンティアーズが提案する木造住宅「R+house」は、設計時における1次エネルギー消費量が基準値の約半分、年間の光熱費に換算すると8割削減が期待できる省エネハウスだ。伊藝直社長は「断熱、気密、換気のトータルバランスで空調費のムダを徹底して省いている。蓄電池の設置や電気自動車(PHEV)に対応することで、災害にも強い住宅となった」とアピールする。

工法③/(有)フロンティアーズ「R+house」

「断熱・気密・換気のバランス」で空調費のムダを徹底排除

体への負担少なく災害にも強い

「特に木造住宅の場合、断熱材を入れても、気密施工や換気まで気を配らなければ穴の開いた風船のようなもの。夏ならせっかく冷やした冷気が、冬なら暖気が、隙間から逃げてしまうだけでなく、壁内結露やカビの原因になってしまう」と伊藝社長。そこで断熱だけでなく、気密、換気の性能のバランスを図ることで空調のムダを徹底して省いたのがZEHに標準で対応する「R+house」(イラスト)。
断熱は屋根、壁、基礎部に加え、日射熱の影響を最も受けやすい窓回りを強化。樹脂サッシ+Low-e複層ガラスで断熱するだけでなく、窓外には陽光を8割以上カットする遮へいシェードを、室内には空気層のある断熱ブラインドを組み合わせ、3重に対策を施している。
気密化も徹底。例えば1階と2階、壁と屋根、コンセントボックス回り、木材のつなぎ目など、あらゆる接合部に気密シートを張りめぐらせている。換気は、室内の熱逃げを防ぎ湿気の侵入を防ぐ全熱交換式を採用した。
これらの工夫に加え、屋根には42キロワットの太陽光発電パネルを搭載し、蓄電池や分電盤も設置することで、「設計時の年間の1次エネルギー使用量は光熱費に換算すると8割削減が期待できる(自社比)結果に。PHEVも連動させており、停電時も発電できるなど災害に強い住宅となっている。室内は天井部と床部、あるいは部屋ごとの温度差もほとんどないためヒートショックなどの心配もなく、体への負担も少ない」と説明する。



 ▲R+houseのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化の仕組み
建物の断熱性能や設備の省エネ性能を高めつつ、太陽光発電などでエネルギーを創り出すことで、設計時の年間の1次エネルギー消費量の収支が概ねゼロ以下になった。さらに蓄電システムや電気の使い方を制御する分電盤HEMSを導入することで、停電時も自動で電気が供給される災害に強い家となっている


コストは坪単価75〜95万円

コストは太陽光発電や蓄電池、分電盤などを盛り込むと坪単価で約95万円。断熱、気密、換気性能はそのままに、蓄電池や分電盤を省くと75万円程度を見込んでいるとのこと(太陽光発電は別途)。「8月中旬には一般向けの見学会を予定。R+houseでの家造りを考える施主なら宿泊体験も可能なので、性能と快適さを体感してほしい」と呼びかける。
伊藝社長が住宅の省エネルギー化に取り組み始めたのは5年ほど前のこと。「本土の自立循環型住宅などの勉強会に参加するうちに、住宅の省エネ化は避けては通れないことを実感」。2015年には鉄骨造の本社事務所棟をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化し、年間の一次エネルギー消費量を83%削減。昨年からは地元企業や琉球大学とコラボし、普及型ZEHの開発にも取り組んでいる。
「沖縄の住まいづくりを考える際、問題は湿度。1日で言えば朝が、1年なら5月~10月が最も高い。わが社が提案するR+houseは高断熱、高気密なだけに、湿度の高い時間帯や季節は窓を開けないなど暮らし方の工夫が必要」とも話す。「R+houseは現在BELS認証を申請中。これを手始めに、県内に多いRC造やCB造住宅のZEH化もできるだけ手の届きやすい価格で開発を進めたい。公共建築物まで含め街全体でゼロエネルギー化を図るゼロエネタウン作りが目標」と話した。




「R+house」の外観(左)。木造軸組みの長期優良住宅ながら外壁に黒いサイディングを施しモダンに。掃き出し窓外の緑の外付け遮へいシェードは、太陽光や視線は遮るが室内からの視界は良好

 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1700号・2018年8月3日紙面から掲載

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