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2018年7月6日更新

考えよう!沖縄の省エネ住宅[12]|真夏の屋根温度 17度下げる

県内に多い鉄筋コンクリート住宅(RC造)の温熱環境を考える際、ポイントの一つになるのが「コンクリートの蓄熱をいかに防ぐか」。(株)伊是名ブロック工業の遮熱ブロック「サンガード・ホワイト」は、敷設することで太陽光が直接屋根スラブへ当たるのを遮り、屋根から室内へ熱が伝わるのを防ぐ。同社の伊是名久代表取締役は、「特に夏の太陽高度が高い沖縄では、屋根への直射日光を遮る手だてが有効」と話す。

建材①/(株)伊是名ブロック工業「遮熱ブロック サンガード・ホワイト」
 

「通気層」と「白色」 ダブルで遮熱

原材料はリサイクル品

「サンガード・ホワイト」は、表層に炭酸カルシウムペレットを7~9ミリの厚みで圧着した遮熱ブロック。最大の特徴は「カタチ」と「色」にある。
まずカタチ。屋根スラブに接するのは四隅の足だけなので、敷き詰めた際に屋根との間に通気層ができ、ブロックで受けた日射熱が伝わるのを防いでくれる。
表面が白いのもポイント。熱を吸収しにくいため、通常のコンクリート面に比べて熱くなりにくく、ブロックの遮熱効果を高めている。伊是名さんは、「原材料は、県企業局が沖縄の硬度の高い地下水を軟水化する際に出た炭酸カルシウムをリサイクルしたもの。耐久性が高く、沖縄の強烈な紫外線でも劣化しにくい」と説明。通気層と色のダブルで遮熱効果を高めているというわけだ。


遮熱の仕組みと施工事例

サンガード・ホワイト=上写真右上=の施工事例。1枚あたり15キロ。約25坪の住宅の陸屋根に施工する場合、目安は550枚ほど


図1


「サンガード・ホワイト」の断面



9年前から検証実験を継続

伊是名さんが遮熱ブロック開発を始めたのは30年ほど前。「当時は古い団地の最上階に住んでおり、夏は屋根スラブへの強烈な日射熱で冷房が効かない状況」。そこで目を付けたのが遮熱ブロックだった。
2009年からは、その有効性を検証する実験も始め、現在も継続中だ。ちなみに最高気温が32度を超えたことし6月25日のデータ(グラフ1参照)を見ると、午後2時30分の屋根スラブ表面温度は、何も対策を施していない面が50.8度=赤線=であるのに対し、サンガード・ホワイトを設置した面は33.3度=オレンジ線=と17.5度も低い。触ってみるとブロック下のスラブは、太陽が真上の昼時にもかかわらず、ひんやり感じるほど。「しかも、スラブ表面はほとんど温度変化がないため、熱によるコンクリートの膨張収縮も少なく躯体へのストレスも軽減。躯体の保護や長寿命化にもつながるのでは」と期待を込める。
1枚あたり15キロと重さはあるが、陸屋根に敷き詰めるだけなので、新築住宅から公共施設までさまざまな建物に採用されているとのこと。ことし3月に新築の屋根に設置した施主は「遮熱ブロックを載せるため断熱材は入れなかったが、以前の家に比べて格段に涼しい」とその効果を実感している。
9年間の実証実験から、同製品に対する県内建築関係者の信頼は厚いものの、現行の建築物省エネ法では評価対象になっていないのが実情だ。「屋根スラブへの日射対策の有効性は明らか。住宅の省エネ化が求められる今、当社の商品が果たす役割は大きい。RC造の屋根の遮熱にどの手法が最も優れているか、今後も実験を重ねたい」と話した。


グラフ1

左は同社が行っている実証実験のことし6月25日のデータ。外気温が32度を超えた午後2時30分の屋根スラブ表面温度は、無対策=赤=が50.8度に対し、サンガード・ホワイトを設置した屋根スラブは33.3度=オレンジ。17.3度も表面温度が下がっていることが分かる(写真、グラフはすべて同社提供)
 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1696号・2018年7月6日紙面から掲載

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