特集・企画
2017年11月3日更新
優しく寄り添う木と暮らす|ウッディフェア 11月3日(金)~5日(日)沖縄空手会館
沖縄ウッディフェアが11月3日(金)から、豊見城市の沖縄空手会館で始まる。5日(日)まで。テーマは「さがしていたさー 島の木家具」。63工房の木製品展示販売、はしやスプーンの木工体験、木の積み木で遊ぶ木育コーナーがある。提案コーナーはリビングやダイニングにぴったりの製品を紹介。暮らしに優しく寄り添う家具などが展示される。
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「さがしていたさー 島の木家具」
作品に込める思いやフェアの開催意義について語る座安さん、屋宜さん、島袋さん(左から)。
ウッディフェア(主催・同実行委員会、新垣隆実行委員長)は今年で22回目。会場を沖縄市から豊見城市に移し、ワンフロアで個性豊かな手作りの木工芸品、県産木製品などを展示即売する。フェアに出品する同実行委員会事務局長の屋宜政廣さん、工房「b12」の島袋勝ツ也さん、座安木工所の座安孝さんがそれぞれの木工製品作りにかける思いを語った。
今回、3人が使ったテーブルとイスは、工芸作家で昨年、他界した故・新屋政秀さんの作品。「ウッディフェアに出品したい」と願いながら亡くなった仲間の遺志を受け継ぎ、今回のフェアの提案コーナーに展示予定だ。
「木工製品は木を仕入れてから作品にするまで数年の歳月がかかるからこそ、値段は決して安くはない。それでも長持ちするし、50年前に父親が作ったタンスをまだ使っていると聞くとうれしくなる」と座安さん。フェアの事務局長として携わっている屋宜さんも「良い物を長く使ってほしいというフェアの目的が、20年を超えて浸透してきたようだ」と感慨深げだ。
リサイクルした木材を原材料として作品に生かす島袋さんは、「その材が歩んできた歴史が伝わってくることにロマンを感じる。無垢材とは異なる質感が、めちゃめちゃカッコいい」と強調する。
3人が異口同音に語るのは「木は異なる表情を持ち、それぞれの違いを生かすために、職人の技と経験が必要になる」ということ。「作品に込められた作り手の感性を感じてもらえる場としてこのイベントがある」と屋宜さんは説明する。
来場者とのやりとりはもちろん、出展者同士のコミュニケーションもまたフェアの開催意義のひとつ。「互いに情報交換し、技術を高めたり、交流の場としても役立っている。良い作品をより多くの人に見に来てもらい、ぜひ木工製品の良さを体感してほしい」。3人は口を合わせ笑顔で呼び掛けていた。
作品紹介
b12(島袋勝ツ也さん)
高さ約2.7メートルの棚はガラス板で、下から見上げると表情が異なる。
独特の質感のリサイクル木材
あえて作り込まず、杉材を中心にリサイクルした材料の良さを生かした「棚」。ワイングラスをかける金具が最上段に取り付けられ、ガラス板の棚は3枚設置可能。「食べかけのポテトチップスを置いても様になると思う。自分だったら部屋の真ん中に置きたい」と島袋さんのこだわりがある。
座安木工所(座安孝さん)
見る角度で雰囲気が変わる座卓(上・左下写真)
座安さんのお気に入りの角度(右写真)
先代でもある父の故・清勇さんが愛着を持っていたチャーギ材。孝さんが1本の木から3枚の板にして、つなぎ合わせた座卓。「磨くほどに良さが出て、磨き上げるとその分だけ応えてくれるのがチャーギ」と話し、最近ではなかなか手に入りにくくなった希少価値の高い作品を愛おしそうに見つめた。
木工房 島変木(屋宜政廣さん)
日常風景が温かく映る鏡
甘皮の形も多彩だ
リュウキュウマツをフレームにした鏡。外側にある模様となっている茶色い部分は甘皮で、柔らかな曲線が作品のアクセントに。「リュウキュウマツを乾燥させる際に、微妙な調整をすることで甘皮1枚のみを残す手法がある。乾燥具合には細心の注意が必要になる」とのことで、職人技が伝わる作品となっている。
インフォメーション
フェアは11月5日(日)まで。
開催は10時~19時(最終日は18時まで)。入場無料。
①来場者プレゼント 苗木の無料配布(催期間中、14時から配布。先着順)。
②木工体験 13時~16時(3日間)
③オークション(5日11時~) 収益の一部を熊本地震の義援金として寄付。
<問い合わせ先>
同実行委員会(沖縄マーケットプランニング内)
098-877-8588
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1661号・2017年11月3日紙面から掲載
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