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2016年12月23日更新

RC造編① 種類と特徴|構造のはなし[9]

家づくりの代表的な構造体について、専門家が分かりやすく解説する。今回からは、沖縄に多い「鉄筋コンクリート(RC)造」を取り上げる。初回は種類と特徴について。建築士の根路銘安史さんは、「コンクリートと鉄、二つの材料が弱点を補い合うことで、耐火性や耐久性、遮音性、気密性といった特徴が備わった」と話す。

鉄とコンクリートの良さ融合


鉄筋コンクリート造の建物がつくり出す沖縄の街並み


沖縄の街並みを造る
沖縄の建物は、80パーセント以上が鉄筋コンクリート造です。
この鉄筋コンクリートは、台風やシロアリの被害、火災の被害に比較的弱い木造建造物に変わるものとして、約90年前に清村勉氏によって沖縄に初めて導入されたと言われています。この清村氏とは、重要文化財に指定されることが決まった旧大宜味村役場庁舎の設計者です。

耐火性、耐久性がある
鉄筋とコンクリートで作られた構造体、鉄筋コンクリート(RC)は、Reinforced Concreteと言い〝補強されたコンクリート〟の頭文字です。コンクリートと鉄、二つの材料の弱点を補い合うように考えられています。
まず、コンクリートの弱点は、引張強度が小さい、ひび割れが起きやすい、脆性的(粘りが無く変形しにくい)、クリープによるたわみ(時間の経過とともにひずみが大きくなること)です。
一方、鉄筋の弱点は、さびる、耐火性が劣る、自由なデザインが難しい、材料が高価なことです。この二つが合わさることによって、鉄筋コンクリートは次のような特徴を持つことになります。
【長所】
・耐火性がある→鉄より高温ま で耐えられる。
・耐久性がある→コンクリート はアルカリ性で鉄筋の防錆作用をする。
・自由な形ができて、寿命が永く、耐震性、遮音性、気密性が ある。
【短所】
・自重が大きく、大きな空間(大スパン)や、超高層ビルに不利。
・施工には厳しい管理が必要で、工期も長くなる。
・解体したり建て替えたりするのが難しい。

ラーメン構造と壁式
鉄筋コンクリートで造る建築物の構造には、いくつか種類があります。主なものとしては、①柱や梁、床スラブというフレームで構成される「ラーメン構造」②壁や床スラブで構成される「壁式構造」です。
①のラーメンとはドイツ語で「額縁」「枠」という意味。多層の建築物やマンション等に最も多く用いられています。室内に壁の無い自由な空間や、開口部を大きくとることができます。スケルトンインフィル(スケルトンは構造体。インフィルは内部の設備や内装)のように、構造体である骨格はそのままで、内部の仕上げや設備の取り替え等のリフォームが比較的容易です。デメリットとして、柱や梁が室内に出っ張る場合は、家具等の配置の検討が必要になるでしょう。
②は、一戸建て住宅や低層の共同住宅でよく用いられます。柱や梁のような出っ張りが無く、プランによっては経済的です。壁で力を受けるため、大きな開口部(窓)を設ける事が難しく、リフォームの際に既存の壁を取り払うことができません。他に、「フラットスラブ構造」や「シェル構造」等があり、目的によって使い分けされています。

 ①ラーメン構造 

柱や梁、床スラブというフレームで構成。壁の無い自由な空間(上写真)や、開口部を大きくとることができる(下写真)のが特徴

 ②壁式構造 


壁や床スラブで構成される造り(上写真)。天井面の出っ張りが出ないため、連続的な空間が可能である。下写真天井のような弧を描く一枚の曲面スラブも可能


次回は「品質の良いコンクリートとは?」です。


執 筆 者ねろめ・やすふみ/アトリエ・ネロ代表。一級建築士、専攻建築士。高品質なコンクリートづくりに取り組む。

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1616号・2016年12月23日紙面から掲載

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