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2016年11月25日更新

鉄骨造編④ 長く快適に暮らすには|構造のはなし[8]

家づくりの代表的な構造体について、専門家が分かりやすく解説する。今回は鉄骨造編の最終回。長く快適に住み続けるためには、「建物の防水性を保つメンテナンスのほか、鉄骨造の特徴を生かし、ライフスタイルや家族構成に合わせてリノベーションするのもお勧め」と新里さんは話す。

防水性保つメンテナンス重要

シーリング剤の確認を
鉄骨造で長く、快適に暮らすために特に気を付けたいのは防水性です。外壁の継ぎ目や窓まわりのすき間などには、防水性と気密性を高めるためシーリング剤が充填されていますが、その耐久性は5年前後。耐候性のある塗料をシーリング剤の上から塗って保護した場合は、15年~20年は持ちます。シーリング剤は、やせて細くなるのが劣化の目安です。
劣化しだした部分のメンテナンスは、シーリング剤の劣化が著しくないなら、シーリング剤を補充して元の厚さに戻す方法があります。この方法だと、補修費用を抑えながら防水効果を保つことができます。こまめに劣化の具合をチェックして、5年~10年を目安にメンテナンスしてください。劣化したシーリング剤をはがして、新たに充填し直す打ち替えは、15年~20年に1度が目安です。
鉄骨造の建物では、屋外でむき出しになっている鉄骨部分の塗装にはがれがあるとサビの原因になるので、部分補修が必要です。鉄骨が露出している部分は塗装のはがれやサビがないかを点検し、5年~7年くらいのスパンで塗装するといいでしょう。正しいメンテナンスをすることで建物は長持ちします。

 ①シーリング剤を補充してメンテナンス 
シーリング剤が充填された外壁の継ぎ目


シーリング剤が劣化してきた部分にシーリング剤を補充し、ならして元の厚さに戻す方法だと、費用を抑えてメンテナンスできる


暮らしに合わせリノベ
長く住み続けると、家族構成や暮らし方が変わる可能性は高くなります。その際は、鉄骨造の特徴を生かしてリノベーションをするのもお勧めです。
鉄製や鋼製の柱や梁で骨組みがつくられている鉄骨造の建物は、耐震性や耐久性が高く、部材は工場生産されているため品質も安定しています。重量鉄骨造の場合、間取り変更の自由度が高いことも大きな特徴です。建物の隅にある柱と梁で支えることができるため、内部に柱や壁のない大空間をつくることができます。そのため、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせ、大胆な間取りの変更も可能になります。
軽量鉄骨造の場合は、内部を解体した際に、壁や天井の中から、筋交いという斜めに入った補強材が出てくることが非常に多いです。計画時には筋交いがどこに、どう入っているか分からないことがあるので、筋交いが出てきた場合のプラン変更を考慮しておく必要がありますし、間違っても勝手に切ってしまわないようにしなければいけません。リノベーションを依頼する際は、この辺りのことまでしっかり認識し、説明してくれる業者を選ぶことが大切でしょう。

 ②鉄骨造のリノベーション(イメージ) 
鉄骨造のリノベーション工事では、内壁を全て取り払って広い空間を確保。光と風を取り入れる計画も自由にできる。下写真は完成イメージ


リサイクルで環境配慮​
鉄骨造の建築物の解体によって発生した鉄スクラップは有価物として取引され、再生資源として再び活用されることで、鉄のリサイクルが産業として成り立っています。また、部材レベルでの分解、再組み立てにより、繰り返し利用すること(リユース)を前提とした開発も進められています。鉄の分別・溶解は他の素材に比べて簡単に行えることから、リサイクルに非常に適した素材と言えます。
ますます進んで行く環境問題に対して、どのような貢献ができるか? ハウスメーカーという立場から追求していきたいと思います。

次回からはRC造編です。


執 筆 者
しんざと・しょうた/1979年、うるま市出身。2004年、鉄骨造を専門に手掛ける新里総業㈱(現、シンケンハウス㈱)に入社。アフターサービス部門、営業を経て11年に代表取締役に就任した。

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1612号・2016年11月25日紙面から掲載

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